2020.03.18

国会議事録

令和2年3月18日 内閣委員会

○高橋光男君
公明党の高橋光男です。
 まず、私は、本日、就職氷河期世代支援につきまして、西村大臣にお伺いしたいと思います。
 私自身もその一人でございます。就職には大変苦労しました。周りの友人でも本当に苦労した仲間はたくさんいます。バブル崩壊後の景気悪化というこの世代には何ら責任もない要因で、正規雇用に就けなかった方々たくさんいます。御存じのとおり、兵庫では阪神・淡路大震災の影響による景気後退も重なりました。この世代の非正規雇用者や引きこもりの人たちをこのまま放置すれば、高齢化した際の公的負担というのは計り知れないと思います。決して三年では解決できない課題であり、政府の長期的なコミットメントが必要だと考えます。
 公明党としましても、昨年来就職氷河期世代に特化した支援策を推進し、その結果、大幅に強化されました。本年度は補正予算で約六十六億円、来年度予算案には前年度比約三・五倍の約百九十九億円を計上し、これらを含め今後三年間で六百五十億円超の財源が確保されました。数年度での財源確保は、公明党の提言が反映された結果でもございます。
 さて、三月五日の所信表明におきまして、西村大臣は、昨年末に取りまとめられた行動計画に基づき、お一人お一人に寄り添った支援に取り組むと述べられ、強い御決意の表れと受け止めました。
 一方で、この度、新型コロナウイルス感染症により、新卒などの内定取消しが問題になっています。就職氷河期世代の中途採用者につきましても同様の事態が生じ、再び挫折を経験させるようなことはあってはならないと考えます。
 ついては、政府として、かかる配慮を民間企業、関係団体等に呼びかけるなどして具体的な対応を求めるべきではないでしょうか。
○国務大臣(西村康稔君)
同じ兵庫の高橋議員始め公明党の皆様方には、本当に熱心にこの就職氷河期世代の皆さんへの支援の対応、積極的に活動しておられ、そしてまた御提言をいただいて、私ども政府としてもしっかり対応するということで、御指摘のような六百五十億円を超える、三年間でですね、そうした予算を使ってしっかりと応援していこうというふうに決めたところであります。改めて敬意を表したいというふうに思います。
 そして、今御指摘いただきました、まさに新型コロナウイルス感染症が広がる中で、中小企業を中心に事業が継続できるのかという、そうした不安が広がってきていると思います。しっかりと事業支援、資金繰りの支援をしながら、さらに雇用調整助成金などを活用して雇用を守ってもらう、さらには生活もしっかり守っていくという姿勢で臨んでいるところでございます。
 最近では、内定が取り消されたりとか、あるいは新規採用、これから、今、大学生でいうと三年生がこれから就職活動のシーズンなんですけれども、なかなか就職活動がうまくいかずにネットでやるような今状況になっている中で、不安を持っている方もおられます。
 そういう意味で、今、もう既に経験してこられた就職氷河期世代の方をしっかりと支援すると同時に、また同じような第二の就職氷河期世代をつくらないように、このことも肝に銘じてしっかりと取り組んでいかなきゃいけないなというふうに考えているところでございます。
 そして、雇用調整助成金については、まず一月二十四日まで遡って適用することにしておりますけれども、氷河期世代の方も含めて六か月未満の雇用者であってもそれを適用しようということで、これも適用拡大、要件緩和を行ったところでございますし、今度、四月一日に就職予定の方ですね、この方が四月一日に就職して直ちに休職になるようなケースも、これも認めて、その場合も雇用調整助成金の対象になるように認めておりますので、そういう意味で、今の世代、就職氷河期世代の方々にもしっかりと今の仕事を継続していけるように支援をしていきたいと思いますし、第二の氷河期世代を生まないように雇用調整助成金はしっかりと活用していただけるように、我々としても、これをより広く知っていただいて、対応していきたいというふうに考えているところでございます。
 さらには、この春に採用予定の、四月から就職する予定の採用内定者、それから今活動している方々について、企業に対して、これ衛藤大臣の方から採用については特段の配慮をお願いしているところでございますし、私の立場からも、この就職氷河期世代の中途採用であり、また採用されている方がそのまま継続できるように、そしてまた今度の新卒の方も第二の氷河期世代とならないように、こうしたことを経済界にもしっかりと要請していきたいというふうに考えているところでございます。
○高橋光男君
ありがとうございます。力強い大臣の御決意、また詳細な御説明、本当にありがとうございました。周知の徹底も含めて、是非よろしくお願いしたいと思います。
 西村大臣におかれましては、委員長、御了承得られれば、御退席いただいて結構です。
○委員長(水落敏栄君)
西村国務大臣は御退席して結構でございます。
○高橋光男君
続いて、この世代の公務員採用についてお伺いしたいと思います。
 まさにこういうときだからこそ、私は、公的セクターというのはしっかりとこの行動計画に基づいて就職氷河期世代の中途採用始め取り組んでいくべきだというふうに考えておりますが、地方自治体の採用につきましては、御案内のとおり、地元兵庫県の宝塚市を皮切りに全国三十以上の自治体が実施、計画しておりまして、我が兵庫県でも県や神戸、三田、加西、赤穂などで採用が決まっているところでございます。
 しかし、自治体の採用枠だけでは、当然ながら氷河期世代の就労機会をカバーできるものではございません。先ほども申し上げたこの民間の取組も政府として後押ししながら、こういうときだからこそ国も率先して進めるべきだと私は考えます。
 この点、行動計画には、国家公務員、地方公務員の中途採用の促進を定め、政府を挙げて取り組むとされています。また、来年度、人事院による統一的な試験を実施するとも承知しております。
 そこで、三点お伺いしたいと思います。
 まず第一に、内閣府、厚労省においては、先行して新年度早々に採用されるものと承知しますけれども、現状いかがでしょうか。人数も含めてお願いします。また次に、行動計画におきましては政府全体における採用規模を明確化するとありますけれども、私は、これは全体数のみならず、省庁ごとに採用予定人数の目標を明確に定める必要があると考えます。そしてまた、この採用人数につきましては、省庁ごとに毎年公表すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(大塚幸寛君)
お答えをいたします。
 まず、内閣府の状況について御説明申し上げます。
 本年度に内閣府として実施いたしましたこの就職氷河期世代を対象とした選考採用試験、係長及び係員級の職員を対象に実施いたしましたが、合計で六百八十五名の応募をいただきました。その後、二次にわたる選考を経まして、内定者数は五人となっているところでございます。
 以上でございます。
○政府参考人(田中誠二君)
厚生労働省におきましては、いわゆる就職氷河期世代の方々を本年五月一日以降に十名採用する予定としております。
 選考状況につきましては、昨年十二月に募集を開始したところ、千九百六名の方々から申込みがございました。そのうち、千四百三十六名が一次選考の筆記試験を受験いただきました。その中で七十七名の方が一次選考を通過されました。現在、二次選考の面接試験を実施しているところでございまして、三月三十日以降に最終合格、いわゆる内定を出す予定でございます。
○政府参考人(黒田岳士君)
政府全体での就職氷河期世代の方々の中途採用につきましてお答え申し上げます。
 その令和二年度以降の本格的な採用に当たりまして、全体としての採用予定数を本年夏までに明らかにするよう、現在、政府内で詳細を検討中でございます。
 その検討に当たりまして、各省庁における採用方針、これを明確化する中で、省庁ごとの採用予定者数やその公表の在り方も含め、各省庁に同世代の中途採用を積極的に取り組んでいただけるよう、議員の御指摘も踏まえながら、今後、各省庁とも相談してまいります。
○高橋光男君
ありがとうございます。
 是非、しっかりと見える化をしていくというか、政府のそういった取組を国民に対して明らかにしていくことが大事だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 その関連でもございますが、広報についてもお伺いしたいと思います。
 例えば、内閣官房の就職氷河期世代支援推進室のツイッターなどを通じて、様々な取組、これ紹介されていると思いますけれども、昨年十月にこのツイッター、例えばですね、立ち上げられて、今現在のツイート数、これ僅か五十七件です。そして、今年に入ってからも、フォロワー数、これはほとんど増えていません。今も三千五百人弱にとどまります。そして、フォロー数もゼロなんですね。
 せっかくいい取組をしても、やはり周知されなければ意味がないかというふうに思います。ついては、ツイートの内容も単なる案内情報などにとどめず、もっと認知度が高まるような工夫や努力が必要ではないでしょうか。
○政府参考人(黒田岳士君)
お答え申し上げます。
 就職氷河期世代支援の広報につきましては、就職氷河期世代支援プログラム、行動計画による新たな支援策の周知徹底を図りまして、できるだけ多くの支援対象者が相談窓口を利用する流れをつくること、また、様々な事情を抱えておられる一人一人につながる広報を展開すること、こういったことを念頭に置いて情報発信しているところでございます。
 具体的には、これまで、内閣官房にホームページを開設いたしまして、個々の人の状況に応じて様々な情報にアクセスできるよう配慮したほか、インターネットや新聞にバナー広告を掲載してホームページに誘導する等をいたしまして、各省庁の様々な支援策を一定の頻度、ちょっとまだ少ないのかもしれませんが、発信してまいりましたが、委員の御指摘を踏まえまして、関係省庁とも連携しながら、就職氷河期世代の方々を力強く応援するメッセージ又はお役立ち情報、お役に立てるような情報は何かといったことを、例えば動画を活用して発信するなど、工夫を今後検討していきまして、より多くの方々に情報を届けていきたいと思います。
○高橋光男君
ありがとうございます。是非しっかりと取り組んでいただければというふうに思います。
 続きまして、SDGsについて取り扱いたいと思います。
 SDGs、二〇三〇年までの国連が定めた持続可能な開発目標でございます。公明党の青年委員会による若者たちとのユーストークミーティングというものがございまして、ここでもSDGsの取組状況を知りたいといったような多くの声が寄せられています。
 本日、私、お配りした資料に基づいて御質問させていただければというふうに思いますが、まず資料一というものを御覧いただければと思います。
 これ、ドイツのベルテルスマン財団、そしてSDSNという国際的に認知された団体によります日本のSDGsの達成状況についての評価です。これ、全世界の国々について評価しているものでございますが、日本につきまして、十七のゴールのうち、進んでいるのはゴールの四、教育、そしてゴールの九のイノベーション、すなわちこの緑になっているものですね。そして、特に遅れているとされているのがゴールの五のジェンダー、そしてゴールの十三の気候変動などの赤色のものでございます。ちなみに、日本は世界全体で最新の報告書によれば十五位となっております。
 昨年十二月、SDGsにつきましては、政府は、実施指針というものを三年ぶりに改定しました。そして、政府は、二〇三〇年までの今後十年間を目標達成に向けた行動の十年にしていく方針と承知しております。私は、我が国として目指すべき目標というものは、分かりやすく言えば、この表にございます赤やオレンジのゴールを黄色や緑に変えていくということではないかというふうに思います。
 そこで、伺いたいと思います。この評価につきましては、二〇一六年に最初に策定されたSDGsの実施指針や、また今回の改定版におきましても紹介されていますけれども、政府としてどのように認識していますでしょうか。また、この評価を踏まえて政府は国内及び国際協力におきましてどのように対処していく方針ですか。御答弁をお願いします。
○政府参考人(齋田伸一君)
お答えいたします。
 SDGs達成状況の評価につきましては、国際機関あるいはシンクタンクによりまして様々な手法による取組が行われております。その中で、今お配りいただいておりますベルテルスマン財団及び持続可能な開発方法ネットワーク、これによります評価は、国際社会におきましても一定の評価が得られているということで、政府のSDGs実施指針にも引用をいたしてきておるところでございます。
 評価内容につきましては、もう御配付のとおりでございますけれども、今後とも、政府といたしましては、こうした国際社会からの評価も十分考慮に入れまして、昨年十二月に策定、改定いたしました実施指針及びアクションプランに基づきまして、この赤を黄色に、黄色を緑にということを目指しまして、国内それから国際協力両面におきまして力強くSDGsを推進していくという所存でございます。
○高橋光男君
ありがとうございます。
 今まさに御紹介ありましたように、今回の改定におきましては実施指針というものとアクションプランというこの二つのセットになっているわけでございますけれども、こうした国際的な評価も踏まえて、私として、この我が国として取り組むべきこととしまして、次の二点が重要だというふうに考えています。
 それは、まずこのジェンダーや気候変動など、日本が特に遅れているとされているこの分野を始め、我が国としてこのSDGsの各ゴールについて、日本として目指すべき目標は何なのかということを明確に定めて、その進捗を見極めるための指標を定めていくことだというふうに思います。そして、その上で、もう一つは、アクションプラン上にあるその各施策の効果をきちっと評価できるようにフォローアップしていくことが重要だと思っております。
 そこで、お配りした資料の二ページ目を御覧いただければというふうに思いますが、これは、今回の指針と同時に策定されたアクションプランの最初のページになります。
 ここにございますように、これは、本年に、ビジネスとイノベーション、そしてSDGsを原動力とした地方創生、そして次世代・女性のエンパワーメントの三本柱の下で、国内実施と国際協力両面での主要な取組が紹介されています。
 そして、次の三ページ目にございますように、さらに優先八課題の下での取組というものが示されておりまして、それらの予算規模というのは、赤字の部分にございますように、今年度の補正予算及び来年度の当初予算の総額の一・七兆円に及ぶとされております。まさに省庁横断的な取組になっておりまして、様々なステークホルダーとともに、その協力の下で進めていく必要があるものでございます。
 そして、このページ以降は、それぞれの課題について、優先課題につきまして、具体的なアクションとして、それぞれの分野についての施策が紹介されている形になっています。例えば四ページ目に、このジェンダーの取組ということで紹介をされています。ここには、女性活躍やジェンダーの主流化の関連の取組が書かれています。
 しかしながら、私は、問題だというふうに思うのは、ここには、このあらゆる分野の女性の活躍といったような文言以上の具体的な目標、数値目標なども含めて、何も示されておりません。そしてまた、これまでの取組についての評価もなく、現在進行中の案件やこれからの案件を列挙しているだけにすぎず、予算も、ここの部分で限って言えば四億円弱なんですね。
 次のページの防災も御覧いただければと思います。
 ここは、目標はおろか、何が国内取組なのか国際協力なのかもよく分かりません。どのような基準でこうしたものが列挙されているのかもよく分からない、そうした紙になってしまっています。これでは、国民の目から見ても、各ゴールの達成につながるようなアクションなのか分かりませんし、後から評価することもできないかと思います。
 そもそもこのアクションプラン自体、これまで毎年出されてきたものでございますけれども、過去のアクションプランの評価がなされていないことが私は問題だと思います。PDCAサイクルでいえば、Cのチェックがないままに次のプランが決まってしまったような印象すらございます。
 そこで、各ゴールについての目標や指標を設定すること、そして、しっかりと進捗管理していくことが私は重要だと思いますけれども、政府としてこれらの課題にどのように取り組まれるお考えでしょうか。
○政府参考人(齋田伸一君)
お答えをいたします。
 委員御指摘のとおりでございまして、このSDGsの取組は非常に幅広うございまして、関係省庁それぞれの措置等を取りまとめて実施指針あるいはアクションプランというものを策定しておるというところでございます。
 まず、PDCAの流れに沿いまして、目標でございますが、それは、先ほど御紹介いただきました八分野の優先課題として示しているというところでございます。
 それから、具体的なアクション、Dでございますけれども、これは、予算額を整理したものとしてアクションプランということで策定をしてきております。
 それから、委員御指摘のチェックでございますが、進捗状況につきましては、国連が定めますSDGグローバル指標というものがございます。これ二百四十項目に及びますので、今ここでは御紹介申し上げませんが、その結果をホームページ上で公表をしておるところでございます。
 それから、フォローアップ体制につきましては、安倍総理の下にございますSDGs推進本部、それから、その下にある円卓会議というところで評価を行い、それから、課題の洗い出しというものを行っているところでございます。
 それに基づきまして、実施指針、それからアクションプランを見直して、かつ、必要に応じ円卓会議において課題別の分科会を設置するといったこと、それから、司令塔としての推進本部そのものの機能強化に努めるといったことで実施の改善を図ってきておるというところでございますけれども、これから二〇三〇年までのSDGsに向けた行動の十年と、スタートとなるということでもございますので、委員の御指摘、チェックの、より充実したチェックを行うと、進捗をしっかり管理していくといったようなことも含めまして、より効果的な方策を追求してまいりたいというふうに考えております。
○高橋光男君
ありがとうございます。
 まさに、今御指摘になられたグローバル指標につきましては、お配りした資料、最後にございます、この六ページ目の一番右下にございますが、二百四十あるというふうに御紹介いただきましたけれども、実はこれまだ四十程度が合意できていないというふうにも承知します。その合意ができていないものをずっと合意ができるまで待つということでもなく、まさにその早期の合意を目指していただきたいんですけれども、それと同時に、やはり二〇三〇年までのこの十年間を真の行動の十年とするためには、各ゴールの目標や指標を明確にすること、それと、それらとその政府の取組の関連性が分かるようなアクションプランにしていくこと、そして取組を評価する形で進捗をフォローアップしていくことをお願いしながら、またこの我が国の取組状況が国民にとって分かりやすいものとなるように要望をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 そして次に、私は、男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針についてお伺いしたいと思います。
 実は、このテーマは、私、昨年十一月の内閣委員会でも取り上げさせていただきました。橋本大臣からも、被災地の状況を把握して次の指針を策定していきたいという旨の御答弁もいただきました。この新たな指針につきましては、当初から今年度中に改定予定であったというふうに承知しております。遅くとも今年の出水期までには現場に浸透させていく必要があると思いますけれども、いつ作成され、どのように浸透させていく予定でしょうか。
○政府参考人(池永肇恵君)
お答えいたします。
 委員御指摘の男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針については、平成二十五年の取組指針策定後の大規模災害における取組や課題を踏まえ、内容を充実させることとしております。
 スケジュールでございますが、地方公共団体等からヒアリングを行うとともに、現在の指針の評価等を行っています。今月中に有識者で構成する検討会において議論いたしまして、その後パブリックコメント等を行った上で決定するということを予定しているところでございます。
 また、改定後の指針を現場に浸透させて実行に移していくことが大変重要であると私どもも認識しております。改定した取組指針につきましては、関係省庁、関係機関とも連携して、効果的な方法を検討した上でその周知を図ってまいります。
 以上でございます。
○高橋光男君
まさにパブリックコメントもされるということであれば、やはり年度を超えてしまう、そういったスケジュールになろうかというふうに思いますけれども、やはり出水期というのは迫ってきているわけでございまして、その作業というものをしっかりと迅速に進めていただくようにお願いしたいと思います。
 まさに、昨年の質問時に橋本大臣はおっしゃいました。この指針については、策定されたとしても、現場に浸透させて、そして実行されなければ意味がないと思います。その意味では、現場の体制をしっかりと整備することが重要です。
 例えば、有事の際に、現場で不足しがちな液体ミルク、離乳食などをしかるべく現場に配備させていくことのためには一定の時間が掛かるかと思います。来年度予算でも必要な手当てをすることも含めて、最大限努力していただきたいと考えますけれども、政府はどのように進めていく方針でしょうか。
○政府参考人(小平卓君)
お答え申し上げます。
 内閣府の防災担当におきましては、熊本地震以降、平成三十年七月の豪雨であるとか昨年の台風十九号、そういった大規模な災害のときに発災直後から被災地において必要となります被災者の人命に関わるような必需品であるとか、被災者のニーズを踏まえながらですけれども、被災自治体で調達が困難な物資についてプッシュ型支援というのを行ってきてございます。
 具体的には、水、食料、医療等の生活必需品だけではなくて、今先生御指摘がありましたけれども、乳児用の液体ミルク、乳児用、小児用のおむつ、女性用品等、きめ細かな支援を行ってきたところでございます。これにつきましては、防災基本計画の中におきましても、調達体制の整備に特段の配慮をするということも明記しているところでございます。
 また、発災時におきまして、迅速かつ円滑に被災者への物資支援を実現することを目的といたしまして、来年度、四月ですからもう少しですけれども、物資調達・輸送調整等支援システムというのを今構築して導入することとしてございます。
 この中で、プッシュ型支援を行うに当たりまして、標準的な対象品目として、乳児用の液体ミルク、おむつ、その他もろもろですね、を明示しまして、国と関係自治体で共有することとしてございます。
 今後とも、こうした取組等を通じまして、災害時において迅速かつ円滑な被災地への、被災者への物資支援に努めてまいりたいと考えてございます。
○高橋光男君
ありがとうございます。しっかりとその準備、進めていただければというふうに思います。
 最後に、防災・減災、国土強靱化について、それを実施していくための人員体制の強化についてお伺いしたいと思います。なお、この防災・減災はSDGs上も重要な分野というふうに位置付けられています。ゴール十一、ゴール十三と、住み続けられる町づくり、また、気候変動に具体的な対処をといったような観点からも大事な取組になるかと思います。
 近年激甚化する自然災害に対処していくためには、強靱なインフラを整備していく必要があり、私も、この国土強靱化三か年緊急対策については来年度以降も延長すべきだというふうに考えます。
 しかしながら、それらの公共事業を担うのは技術職員でございます。市町村の技術職員というのは、今減少の一途をたどっています。総務省によりますと、その数、九六年度に約十二万五千人をピークとして、年々減少して、一八年度には約九万一千人に落ち込んでいます。
 兵庫の四十一市町におきましても、ほぼ全ての自治体で職員不足が深刻です。土木技術者においては、五人未満の町が三十三、八割を超えていまして、五つの市町では全くいないというところ、ございます。そして、兵庫には、まさに阪神・淡路大震災のときに県債というのを一兆三千億円というのを抱えて、そうした中で定員を削減しなければならなかったという特殊な事情というのもございます。
 そんな中で、総務省がこの度、豪雨や大地震といった大規模災害のときに、全国の都道府県から技術職員を被災市町村に中長期的に派遣し、平時には県内で技術職員が不足する市町村に派遣する、いわゆる応援部隊制度を創設しました。そして、これは来年度から運用されるものと承知します。是非、この制度を積極的に推進し、兵庫を始め必要とされる都道府県に職員を迅速に配置するようにしていただきたいですが、職員の規模感も含めて併せて御答弁をお願いします。
○政府参考人(大村慎一君)
お答えをいたします。
 近年、防災・減災、国土強靱化の推進や公共施設の老朽化を踏まえた適正管理が求められます中で、小規模町村を中心に、御指摘のように技術職員の不足が深刻化をいたしております。また、大規模災害時におきましても、専門知識と経験の観点から技術職員の中長期派遣を求める声が多いものの、恒常的に不足をしているという状況でございます。
 こうしたことから、都道府県などで技術職員を増員いたしまして、平時に技術職員不足の市町村を支援するとともに、南海トラフ地震や首都直下地震など今後の大規模災害に備えて、復旧復興に必要な中長期派遣の要員を確保するための新たな仕組みを令和二年度から創設をいたしたものでございます。
 具体的には、都道府県などが技術職員の増員を行った人数の範囲内で、まず市町村支援業務に従事する技術職員数、そして今後大規模災害が発生した場合に中長期派遣が可能な技術職員数、この双方を満たす人数、つまり、このいずれか小さい方の人数になりますが、この人件費について地方交付税措置を講ずることといたしております。
 これ、今回、新たな仕組みを創設いたしましたので、当面……
○委員長(水落敏栄君)
時間が過ぎておりますので、簡潔におまとめください。
○政府参考人(大村慎一君)
まず、数年程度を掛けまして、千人程度の中長期派遣要員を確保できるよう(兵庫への配置)に、地方公共団体と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
 以上です。
○高橋光男君
ありがとうございます。
 以上で終わります。

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