2020.07.09

国会議事録

令和2年7月9日 内閣委員会

○高橋光男君
公明党の高橋光男です。
 本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 初めに、私も、この度の豪雨によりお亡くなりになられた方々に衷心よりお悔やみ申し上げますとともに、連日の大雨により、熊本始め九州各県、岐阜、長野県を含む東海地方を始め、避難されている皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 まずは政府として、避難者に対する人命救助、救援、被害の拡大防止等に総力を挙げていただくことをお願い申し上げますとともに、公明党の一員として、被災者支援のため、また一日も早い復旧復興のために全力を尽くしてまいることをお約束申し上げ、質問に入らせていただきます。
 最初に、私も災害ボランティアについてお伺いしたいと思います。
 熊本県では、芦北町や八代市では既にボランティアセンターが設置され、人吉市でも明日設置予定と聞いており、募集が開始します。早速従事されているボランティアの皆様に敬意と感謝を申し上げます。
 一方、全国社会福祉協議会作成のガイドラインによれば、先ほども副大臣からございましたが、コロナ対策の観点から参加範囲が被災地近郊とされ、熊本の場合は県内に限定されているものと承知します。今回の災害の甚大性に鑑みれば、人吉市だけでも十万人規模の人手が必要とも言われていますが、十分なボランティアの方々に参加いただけるのか難しい側面もあるかと思います。もちろん、そのために、これから増員される自衛隊の方々、テックフォース、他の自治体職員の方々の、公務員の方々の存在も重要なわけでございますが、いずれにしましても、他県を含め今後設置されるボランティアセンターに対する物資面、財政面での手厚い支援がボランティアの方々が円滑に、また安心して活動できるようにするためにも重要と考えます。
 政府としてこの認識また及び今後の支援の方針についてお伺いします。
○副大臣(平将明君)
被災地でのボランティアの受入れにつきましては、全国社会福祉協議会が地域の社協に対して、新型コロナウイルス感染症も踏まえ、被災地住民等の意向を考慮し、感染症対策を含め自治体と十分協議をし、具体化していくように通知をしていると承知しております。先生の御指摘のとおりでございます。
 この通知の考え方を踏まえて、被災地におけるボランティアの募集については当該地域の社協において現在検討されているという承知をしており、募集範囲やボランティアの数等についても地元の意向を尊重しながら柔軟に対応していくと聞いております。
 いずれにしても、地域の住民の感情とか状況が最も重要だというふうに考えております。その上で、社協が発出されたガイドラインにも、QRコードによる受付システムの活用とか、また、コロナ対策チームでも接触確認アプリのリリースなどをしておりますので、そういったものの活用も必要があれば支援をしてまいりたいと思っております。
 災害ボランティアセンターに係る経費については、例えば、瓦れき等の障害物の除去のため市町村が災害救助費により購入したシャベル等の器具については、社会福祉協議会等を通じてボランティアへの貸出しにも活用できるように制度運用を行い、ボランティアセンターの運営に寄与をしているところでございます。
 さらに、ボランティア活動に必要となるマスク、消毒薬等の物資やボランティアの受付や輸送に必要となる費用等、自治体が新型コロナウイルス感染症へ対応するために要する経費については、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用が可能でございます。
 委員御指摘の災害ボランティアセンターの円滑な運営に対する政府の支援については、引き続き、関係省庁と連携をしながら検討していきたいと思っております。
○高橋光男君
ありがとうございます。是非よろしくお願い申し上げます。
 次に、復旧復興のための予算確保についてお伺いします。
 熊本県だけでも、道路、橋梁、通信、下水道処理施設等のライフラインや廃棄物処理等の復旧作業、また、なりわい再建のためにこれから必要となってきますグループ補助金等を始めとする被災者支援など、十分な予算の確保が必要だと考えます。今後被災地域の一層の拡大が見込まれる中、激甚災害の早期指定とともに、約四千三百億円の今年度当初予算予備費などを積極的かつ機動的に活用する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(角田隆君)
お答え申し上げます。
 今回の豪雨災害でございますけど、まだ現在進行形でございまして、全体も明らかになっていない段階でございますけれども、そうした状況をしっかり踏まえて把握した上でどういう対応を取っていくか、これから検討していくことになってくると思います。
 その際、予算面の対応につきましては、御指摘の予備費のことも含めまして、万全を期してまいる所存でございます。
○高橋光男君
ありがとうございます。是非しっかりとよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、高齢者施設における避難対策についてお伺いしたいと思います。
 熊本県球磨村千寿園におきましては、六日、十四人の方が心肺停止でお亡くなりになりました。お悔やみ申し上げたいと思います。
 豪雨などの自然災害においては、特養等の高齢者施設の入居者がこれまでも犠牲になった痛ましい事例があります。
 二〇一六年、岩手県岩泉町の高齢者グループホームへの河川浸水により九人全員が亡くなられたことを受け、翌年、水防法が改正され、浸水想定区域などにある全国の施設に避難計画の策定と訓練が義務付けられました。
 千寿園でも避難計画を作成し、年二回の避難訓練を実施していました。しかしながら、未明の中、地元有志の方々の御協力も得て、自力歩行もできない入居者の方々を二階に避難させようと四、五人で抱えて階段を上られたそうでありますけれども、間に合わなかったものと見られます。今回の事例は、避難訓練や計画作成だけでは対応し切れない側面があることを示していると考えます。
 そこで、お尋ねします。全国における水防法上の高齢者などの要支援者利用施設数のうち、避難計画を作成、また避難訓練を実施している施設の数、そしてまた、それらを総点検する必要があるのではないでしょうか。また、既存施設のうち、仮にエレベーター等の設備がなければ、円滑に垂直避難ができるようにするための設備の整備を促すとともに、必要な経費を一部なりとも補助することを検討する、また一方で、新規の施設建設についてはより安全な場所に絞るといった対策を講じるべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(塩見英之君)
お答え申し上げます。
 まず、水防法に基づきます避難確保計画の作成状況でございますけれども、本年一月一日時点の状況でございますけれども、水防法に基づく避難確保計画作成の対象となります要配慮者利用施設は七万七千九百六ございまして、このうち三万五千四十三施設で既に避難確保計画が作成されており、また、一万三千二百八十二施設で訓練が実施されているという状況でございます。
 国土交通省におきましては、施設を所管する関係省庁と連携をして、こうした計画の作成等が進むよう引き続き取り組んでまいりますが、この計画作成の有無ということではなく、その作成された計画の内容の妥当性ということにつきましては、作成された計画は市町村に提出をするということになっており、その市町村が計画の内容について必要な助言等を行うというようなことが想定されておるわけでございます。
 今回、計画を作成していた施設で甚大な被害が生じたということを踏まえまして、まずはこの施設が作成していた計画の内容等を確認をし、関係省庁とも連携しながら、今回の事案の検証、総括をきっちりやらせていただいた上で、今後の推進方策の在り方を検討させていただきたいと考えてございます。
○高橋光男君
ありがとうございます。
 まさに、被害が起きたこうした施設のみならず、そうして今まだ計画ができていないところも全国的に多いわけでございますから、しっかり計画の作成を促していく、それに基づく訓練も行っていく、国がしっかりとそれを全国規模でしっかり管理していく、そうした取組が必要だというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 新型インフルエンザ等対策特措法について、次、お伺いしていきたいと思います。
 西村担当大臣におかれましては、週末含め、連日の新型コロナ対策の御対応に敬意を表したいと思います。
 初めに、先日、政府は関連法の一括改正を検討しているやの報道がございました。第一波での対応で様々な課題が浮き彫りになったことを踏まえ、昨日の国会でも、西村大臣は政府内で論点整理を行っているやに御答弁されたと承知しますが、私は、自治体の方々やまた国民の皆様にとっても透明性のある検討が不可欠であるというふうに考えますが、政府としてどう進めていくお考えでしょうか。
○国務大臣(西村康稔君)
新型コロナウイルスの闘い、この感染症対策ですね、これしばらく続く中で、この対策、そして、より効果が出るような形でより進化をさせていかなきゃいけないというふうに思っております。そうした中で、この新型インフルエンザ等特措法ですね、この法律を担当させていただいて、この間、幾つか課題を感じたり、あるいは様々な方から、これは知事会も含めて御提案をいただいたりもしております。
 例えば、まず特措法の適用対象となるこの感染症の範囲、今回、新感染症ではなく指定感染症ということでありましたので、改正しないとこの対象になりませんでした。このことについてどう考えるのか、あるいは対策をより実効性のあるものとするために今の体系に加えて何が必要なのか。それから、医療提供体制も一時期は逼迫したわけであります。臨時の医療施設など、緊急事態宣言の下で消防法とか医療法の特例で造れるようになっておりますが、これをもう少し柔軟にできる、造れるようにした方がいいんではないかと、様々な御議論がございます。
 こうした論点をしっかりと整理をし、また改正のためには、当然立法事実というものが必要になってきます。どういった事実を踏まえて対応していくのか、こういったことを今、感染症対策、現場で当たりながらでありますけれども、論点の整理は並行的に行っていっているところであります。
 当然、この過程では、知事会からも要望も、改正の要望もいただいております。知事会など様々な御提案いただいているところと意見交換などを進めていかなきゃいけないと思っておりますし、また、仮に感染症法と一体的に何か改正する場合は、感染症法については厚生労働省において、の所管の法律でありますので、厚生労働省において、厚生科学審議会の感染症部会でも審議はなされるものというふうに思っております。
 御指摘のように、何か隠れたところでやるんではなくて、論点を整理し、それをまた多くの皆さんと議論をしながら、透明な形で進めていければというふうに考えているところであります。
○高橋光男君
ありがとうございます。是非、透明性のある検討をお願いしたいと思います。
 私自身、この改正を待たずとも、制度上なすべきこと、改善すべきことは果断に実行していくべきだというふうに考えております。未曽有の事態だけに、重要なことは、有識者の皆様の御知見もしっかり伺いながら進めていくことだと考えます。
 この点、専門家助言組織の改編もそうした文脈で捉えるべきであって、今般の新型コロナウイルス感染症対策分科会への発展的移行は、特措法に照らした整理をするために行ったものだと承知をいたします。
 前身の専門家会議は、元々、本年二月、公明党が立ち上げを提言した経緯がございます。感染拡大防止を図る上で大きな役割を果たされました。一方、法律上の位置付けや基本的対処方針等諮問委員会との関係などが不明瞭なままでありました。私自身、三月の特措法改正審議の際に、改正後の両会議体の関係についてお伺いしましたが、その関係の整理も含めて検討したいとの答弁のまま明らかにされていなかった経緯があるかというふうに思います。
 お配りした資料一を御覧ください。
 やはり、この専門家助言組織につきましては、会議体が乱立している印象は否めないかと思います。各分科会の役割分担や責任範囲、相互の関係などを明確にし、政策決定過程の透明性の確保に努めていくべきだと考えます。
 こうしたことにつき、政府として改めて明確に説明するとともに、国民の理解と協力が得られるよう、科学的知見に基づく分かりやすい発信を継続していくべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。
   〔委員長退席、理事上月良祐君着席〕
○国務大臣(西村康稔君)
御指摘の専門家会議は、クルーズ船への対応を始めとして、様々な場面で政府に対して御助言、そして御提言をいただき、それを踏まえて私ども対策を取ってまいりましたので、このことに対してまずもって感謝を申し上げたいというふうに思いますし、また、専門家の皆さん自ら会見もされて、丁寧に説明されたことで、国民の理解も、皆さんへの理解も深まったというふうに思います。
 他方、専門家の皆さんがそういう説明をされたことで、専門家御自身、皆さん御自身が少し前のめりになって、本来政府がやるべき役割を自分たちがやっているかのような印象を与えてしまったというようなこと、誤解を与えてしまったという総括ペーパーもございます。
 そうしたことも踏まえながら、そして、御指摘のように、法律上の位置付けも明確にする形で、今般、新型コロナウイルス感染症対策分科会というものを有識者会議の下に設置をしたところでございます。
 そして、専門家会議、言わば発展的に移行する形で分科会を設置したわけでありますし、厚労省においては、引き続きこの専門家の皆さんにはアドバイザリーボードとして、厚生労働省のまさに医療の現場とか感染症対策の現場のところを御助言いただくという、そういう整理で法律上も位置付けをさせていただいたところでございます。
 その上で、既に分科会は二つあり、また基本的対処方針等諮問委員会がございます。諮問委員会は、もう御案内のとおり、緊急事態宣言を発出したり、あるいは、基本的対処方針を変更するときに私どもから諮問をし、言わばそれに対する御意見をいただく、そういう役割を担っていただいております。
 そして、二つの分科会、既に設置をされております分科会は、いずれも新型インフルエンザに対応するものでございまして、医療・公衆衛生に関する分科会では、この抗インフルエンザ薬の備蓄あるいは検疫の体制、こういった新型インフルエンザが発生した場合の医療の提供体制の確保に係る事項について議論をしてきております。また、社会機能分科会、これはワクチンの接種ですね、特定接種の対象となる業種あるいは接種の順番、順位、こういった社会機能の維持に関する事項について議論を行ってきているところであります。
 ただ、今回の新型コロナウイルスはインフルエンザとは違いますので、どこに潜んでいるか分からない、そういった様々な特性がありますので、それを踏まえて、この新型コロナウイルス感染症対策分科会において、感染症対策の専門家は引き続き入っていただきながら、加えて知事や経済界やあるいは労働組合の代表も入っていただいて、幅広く知を結集して対策に当たる。しかも、諮問委員会とは違って、より自由に率直な議論ができる場にしたいと、専門家会議の良さはそのまま生かせればというふうに考えているところでございます。
 いずれにしましても、対外発信も含めて、今後、私一人で発信するよりは、あるいは専門家の皆さんだけで発信するよりは、一緒に発信、会見を行うなどの工夫もしながら、国民の皆さんの御理解もいただけるように努力していきたいというふうに考えております。
○高橋光男君
ありがとうございます。
 その第二波の到来というものが、今、東京を中心に感染が広がっている状態がその予兆なのか分からないところでございますが、いずれにしましても、政府として対策を的確かつ迅速に実施していくことが必要となります。
 その上で、自治体との共同の下に国民の理解と協力を得ながら対処していくことが不可欠であり、私は、そのためにも政府対策本部長である総理のリーダーシップと説明責任が極めて重要だと考えております。自治体との関係では、総理には、特措法上、まあ二十条でございますが、政府対策本部長として、都道府県対策本部長、知事でございますが、との間の総合調整の権限がございます。
 総理は、緊急事態宣言解除までは都道府県知事と計四回会議を持ちましたが、解除後は行われていないものと承知します。国民向けの記者会見についても六月十八日以来行われておりません。もちろん、特措法に基づく対策副本部長でございます西村大臣が総理の委任を受けて行われていることも承知をしておりますが、首都圏、関西圏などの広域的な連携を進めていく上でもトップの役割というものが極めて重要だと思います。
 つきましては、国と自治体の対策本部長間の対話と連携、総理による国民とのコミュニケーションが不可欠ではないかというふうに考えますが、担当大臣としての御見解をお伺いします。
○国務大臣(西村康稔君)
御指摘のように、安倍総理大臣のリーダーシップの下で、日々、私も状況報告をしながら様々な場面で御指示をいただき、その下で対策を進めてきているところでございます。
 私自身はこの法律の執行の責任者ということで日々その実務に当たり、また、できるだけ分かりやすく説明を国民の皆さんにもしなきゃいけないということで対応してきているところでありますけれども、総理自ら、御自身も、例えば、国、地方の協議の場に出席をする、そして、その場で各都道府県知事あるいは地方公共団体の代表の皆さんと連携を図っていくなど、まさに政府一体として対策を進めてきているところであります。そして、御指摘のように、節目節目で安倍総理が記者会見を開いて国民の皆様に様々な説明などを行ってきているところであります。
 引き続き、このような方針、全体の方針の下で、安倍総理の下、政府一体となって、そしてできる限り分かりやすく説明を、国民の皆さんに説明をし、そして御理解をいただきながら対策進めていきたいというふうに考えているところであります。
○高橋光男君
ありがとうございます。是非これからもよろしくお願いを申し上げます。
 続きまして、時間の関係上、質問を一問飛ばさせていただきます。NPO法人の事業継続の関連でお伺いしたいと思います。
 このコロナ禍におきましてNPOによる支援継続の必要性は高まる一方で、事業継続に困難を来す団体が数多くございます。私の地元兵庫には、市の委託事業が打ち切られ、クラウドファンディングを通じて資金調達をしているところもございます。
 公明党は、五月、NPO法人の実態を踏まえた持続化給付金の運用、指定寄附金制度の適用、休眠預金の積極的活用をすべきと担当の衛藤大臣に提言をさせていただきました。これらのうち後者の二つは実現しましたが、持続化給付金の運用改善の点が残されています。つきましては、内閣府として、売上げだけではなく寄附金等を含んで計算できるよう支給要件を緩和すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(海老原諭君)
お答えをいたします。
 新型コロナの影響を受けまして、社会的に脆弱な立場の方への支援の必要が増えているということはまさにそのとおりだと思っております。
 御質問にもありましたけれども、休眠預金等活用制度につきましては、一年間で最大五十億円の助成を可能にする緊急対応枠をつくっておりまして、現在手続が動いております。
 また、一定の寄附をした認定NPO法人に対する税制優遇でありますが、こちらも、指定寄附金につきまして、先般、財務大臣の指定をいただいたところでございます。
 あとは、残りのお尋ねの持続化給付金でございます。こちらにつきましては、現在もNPO法人、事業を中心として活動しているところは対象になっておりますが、要件である売上げが事業収益と会費で算定することとされております。一方、御質問にございましたが、NPO法人の中には寄附金を主な収入源とする法人もたくさんございます。こういったNPOならではの多様な収入構造を反映いたしまして、寄附金等も含めた要件にしてほしいとの要望を団体側からいただいております。
 このコロナ感染拡大という状況の中で、共助社会の重要な担い手でありますNPOが十分に活躍をいたしまして必要な支援を必要な方にできるだけ早く届けることができるように、内閣府としても引き続き真摯に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上であります。
○高橋光男君
よろしくお願いします。
 続きまして、新型コロナ感染症影響下における生活意識、行動の変化に関する調査を受けた具体的な取組についてお伺いします。
 この調査につきましては、まさに西村大臣が結果を記者会見等でお答えになられたものでございますけれども、この結果、就業者の三割以上はテレワークを実施し、テレワーク経験者の三人に二人は仕事より生活を重視したいといった国民の意識、行動の変化を表す非常に興味深い結果が出ました。
 今回の調査を受けて、私は、取り組むべき課題として、男性の家事、育児参加の更なる促進、また若者の地方への移住定着促進について、今日はお伺いしたいと思います。
 まず、この男性の育休、子育て促進についてでございますが、お配りした資料の二を御覧ください。この調査におきましては、この感染症の影響によってテレワークの利用などによる夫の働き方が変化したことに伴い、家事、育児に関して全体の半分以上において夫婦間の役割分担に変化があったとし、そのうちの半分が家事、育児での夫の役割が増加したと回答しました。その役割分担を更に工夫するようになったという方々は全体の三分の一、そして、今後もその工夫を継続すると思うと答えた方は全体の実に九五・三%にも及びました。
 日本の夫の家事、育児関連時間は一日当たり一時間程度と国際的に見ても極めて低水準です。そして、夫の家事、育児時間が長いほど妻の継続就業割合も高く、第二子以降の出生割合も高い傾向となることは周知の事実でございます。
   〔理事上月良祐君退席、委員長着席〕
 そこで、この日常的な仕事の育児両立を後押しするために、例えば、子育て世代の職員に対するリモートワーク推進企業の環境整備投資等に対し、両立支援等助成金などの既存の制度の拡充、あるいは新たな助成金を創設し、思い切った投入をすべきではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
 あわせて、政府はこの男性の育児休業の取得促進を進めているというふうに承知します。育休を取る上で主な障壁は、収入減少への懸念でございます。そのため、このコロナを機に一層若者世代の育休取得促進を進めるために、休業前賃金の月額六七%の給付金を少なくとも最初の一か月一〇〇%にまで広げ、引き上げることを提案させていただきたいと思いますが、これら二点について見解をお願いします。手短にお願いします。
○政府参考人(本多則惠君)
お答えいたします。
 まず、リモートワーク、テレワークについてでございますけれども、こちらは時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方ということで、御指摘のように、育児と仕事の両立にも資するものと考えております。厚生労働省といたしましては、御指摘の子育て世代も含めた労働者におきましてテレワークが一層活用されますよう、中小企業に対するテレワークの導入等に要した経費の助成等の支援を行っておりまして、引き続き推進を図ってまいりたいと考えております。
 また、育児休業給付金についてでございますが、既に諸外国と比較しても相当程度高い水準にございまして、更なる引上げにつきましては、その効果や財源の確保と併せて慎重な検討が必要であると考えております。
○高橋光男君
続いて、若者の地方移住定着支援につきましてですが、これは資料、次の三を御覧ください。
 とりわけ二十代の地方移住の関心が高まったわけでございまして、まさに私はこのコロナを機に若者による地方創生を、この地方創生を牽引する取組として推進していくことが重要であるというふうに思います。
 この点、まさに政府は、まち・ひと・しごと第二期創生戦略であったり、近く閣議決定されます基本方針二〇二〇などにおいても若者UIJターンを促進する就労、起業支援等を今後拡充する方針と伺っております。
 そこで、この取組の一つとして、経済団体や東京の大企業と連携した様々なテレワーク等の支援を行うものと承知しますが、中小企業等を含めたテレワークの定着を進めるには、数値目標に加えて達成時期を念頭に置いたロードマップを策定すべきではないでしょうか。また、新規にサテライトオフィスを開設するといったケースにおきましては、若者の受入れに取り組む自治体が公平に誘致に参加できるよう、経済団体とも連携しながら、企業と自治体をつなぐマッチングサイト等を立ち上げ、進捗をフォローしていくことも一案と考えますが、いかがでしょうか。端的にお願いします。
○政府参考人(高橋文昭君)
地方創生に資するテレワークの推進については、非常に重要だと認識しております。
 このため、令和元年十二月に閣議決定した第二期まち・ひと・しごと創生総合戦略におきまして、地方公共団体が誘致又は関与したサテライトオフィスの開設数を二〇二四年度までに八百累計するということを明記いたしまして、具体的な方策としてサテライトオフィスの誘致の取組、環境整備を支援するとしております。これに基づきまして、総務省におきましてお試しサテライトオフィス又はサテライトオフィス・マッチングの支援事業をオンラインも活用しながら行っているものと承知しております。
 加えて、今回の新型コロナの対策ということで、国民の意識、行動が大きく変容していますので、自治体、企業、従業員の三方よしとなる地方でのテレワークの実現に向けて、経済界、関係省庁、地方自治体、公共団体の連携を密にしていきます。
 今後、こうした連携の施策と併せまして目標達成に向けました方策の在り方につきましても不断の検討を進めまして、適切なPDCAサイクルの下でできる限り具体的な進捗や今後の進め方を示しながら、地方でのリモートワークの推進による地方創生を実現してまいりたいと考えてございます。
○高橋光男君
ありがとうございます。以上で終わります。

一覧へ戻る