2020.10.08

国会議事録

令和2年10月8日 内閣委員会

○高橋光男君
おはようございます。公明党の高橋光男です。
 本日も質問の機会をいただき、感謝申し上げます。また、政府には、日々新型コロナ対策に全力を挙げて取り組んでいただいていることに改めて敬意を申し上げます。本日は時間の許す限り多数の質問を希望しますので、簡潔かつ明確な御答弁に御協力のほどよろしくお願いします。では、早速質問に入らせていただきます。
 まず、NPO法人の事業継続支援について伺います。
 七月の本委員会において、持続化給付金の申請時の売上げの算定に際し寄附金等を含んで計算できるよう支給要件の緩和を要請しました。その後、政府として要望どおり要件緩和を行ったことに感謝を申し上げます。
 これを受け、先月二十九日から事前確認事務センターがオンラインでの書類申請の受付を開始しました。一方、今回の措置により給付対象となる法人は、全国約二万の寄附型NPO法人のうち一万法人とも言われています。つきましては、より多くの法人が受給できるように事前確認事務センターの一層の周知徹底をお願いします。
 そしてまた、売上げ減の対象期間が違うなど若干の要件が異なりますが、持続化給付金の対象法人は、基本的に家賃支援給付金の対象になると考えてよいでしょうか。対象となる場合、可能な限り寄附型法人にも給付されるよう、NPO法人を所管する内閣府及び両給付金を所管する経産省との間で連携すべきと考えますが、政府の見解及び今後の対応をお伺いします。
○政府参考人(海老原諭君)
お答えいたします。
 まず、事前確認事務センター、持続化給付金の事務センターにつきまして一層の周知を図るべきという点であります。
 今般の寄附金等の取扱いの変更につきましては、八月以降累次にわたりまして、特にNPO向けに周知を行っております。具体的には、内閣府のホームページにおきまして、八月七日に寄附金等を加算できるようにする旨を掲載しております。また、九月三日には趣旨や概要等をまとめたリーフレットを掲載しております。
 さらに、事前確認事務センターの受付開始に先んじまして、九月の十八日には手続の詳細とQアンドA形式での解説、フリーダイヤルで受け付けるお問合せ窓口の情報などを掲載したところであります。また、これらの情報につきましては、NPO法人に周知をいただけますように所轄庁に対して情報提供しております。また、例えば日本NPOセンターといった全国的にネットワークを持つような団体もございますので、そういった団体への周知の協力を依頼するなどやっておりまして、今後とも周知の徹底を図っていきたいと思っております。
 次に、家賃支援給付金に対する内閣府の考え方ということでございます。
 NPO制度を所管する内閣府といたしましては、寄附金等を主な収入源とするNPO法人が広く対象となるよう、御質問にありましたように持続化給付金制度の取扱いを変更したところでございます。
 家賃支援給付金を始めまして、新型コロナに対する各種の給付金につきましては、できるだけ多くのNPO法人が対象になることが望ましいと考えております。したがいまして、内閣府としましても、NPO法人の活動促進に向けましてしっかり取り組んでいきたいと思っております。
○政府参考人(村上敬亮君)
手短に。
 現在では、御指摘のケースはまだ対象になっておりませんが、今答弁ありましたとおり、内閣府とよく連携して対応を検討してまいりたいと思ってございます。
○高橋光男君
ありがとうございます。
 新型コロナの影響によって地域で生じている様々な社会課題に対応するNPOの役割は、大変重要でございます。内閣府と経産省が縦割りを排して連携を密にし、可能な限り多くの法人が受給できるよう何とぞ御対応のほどよろしくお願いします。
 次に、旅行観光業支援、またゴー・ツー・トラベル事業について幾つかお尋ねしてまいります。
 公明党は九月二十九日、観光業、旅館、ホテル業、航空、鉄道、海事業界の方々との要望懇談会を実施しました。全ての業界から、異口同音に雇用調整助成金の特例措置の延長を求める声が寄せられました。昨日の衆議院内閣委員会で、我が党の太田昌孝議員の質問に対し、政府は、失業者数が急増するなど雇用情勢が大きく悪化しない限り段階的に縮減していく方針なるも適切に対応していく旨の答弁があったと承知しています。この点、完全失業者数の増加、有効求人倍率の悪化など雇用情勢は確実に厳しさを増しています。
 現在、厚労省は各業界へのヒアリングを行っていると承知しますが、観光業、飲食業、アパレル業など中小事業者の事業回復は依然予断を許さない状況です。ついては、十二月末までの特例措置を是非来年三月までに延長をお願いします。
 また、執行額は九月末の時点で予算額の約一・五兆円に達しており、既に雇用勘定を流用して対応中と承知しますが、財源は、必要に応じ予備費の活用、補正予算の編成等も視野に入れて検討すべきと考えます。いかがでしょうか。
○政府参考人(達谷窟庸野君)
お答え申し上げます。
 雇用調整助成金の特例措置につきましては、御指摘のとおり、本年十二月末までの延長をしたところでございます。その上で、感染防止策と社会経済活動の両立の観点から、休業者数や失業者数が急増するなど雇用情勢が大きく悪化しない限り通常制度に向けて段階的に戻していくということとしているところでございます。
 一方で、これに併せて、ポストコロナを見据えた事業展開や、これに対応した人材の育成や確保等、全体としてバランスの取れた雇用対策を進め、雇用の安定を図っていくことが重要であると考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、雇用調整助成金の特例措置の取扱いにつきましては、今後、雇用情勢等を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えてございます。
 また、財源についてでございますが、休業の減少等も見込まれることなどから、当面は、第二次補正予算で確保している予算に加えまして、労働保険特別会計雇用勘定の中でのやりくりによって対応が可能だというふうに考えているところでございます。
 今後、執行状況をよく注視して、支給に滞りがないよう対応してまいりたいと考えてございます。
○高橋光男君
ありがとうございます。
 続きまして、旅行業登録に関してお伺いします。
 日本には、中小を始めとする全国約九千社の旅行業者の方がいらっしゃいます。この方、業者の皆様は、緊急融資等により事業回復に懸命に取り組まれている一方、多額の資金借入によって、財務の早急な改善は困難な状況です。
 つきましては、事業の維持存続のために、旅行業法に基づく旅行業登録の有効期間の延長、そしてまた、旅行業更新登録における財産的基礎の要件緩和、すなわち、直近ではなく新型コロナ前の事業年度の決算書の提出で認めるなど、柔軟な措置を講じるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(五十嵐徹人君)
旅行業法におきましては、旅行業務に関する取引の公正の維持、旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進を図る観点から、旅行業の登録を受けようとする者に対して、必要と認められる一定の財産的基礎を有することを求めております。この財産的基礎につきましては、企業活動に伴い日々変化しているものでありますから、登録時に審査をするだけではなく、定期的に確認することが必要であると考えておりまして、五年ごとに登録の更新をさせることとしております。
 今般、新型コロナウイルスによる影響が原因で登録の更新に必要な財産的基礎が満たされないと認められる場合につきまして、委員からただいま御指摘があったような前の事業年度の決算書類を基に財産的基礎を確認するなど、旅行業法の適用について弾力的な取扱いをしているところでございます。このような取扱いは令和三年三月まで実施することとしておりますが、今後の感染の状況や中小旅行業者からの御要望を踏まえ、本措置の延長など、中小旅行業者の事業の継続のために適切な措置を検討してまいります。
○高橋光男君
ありがとうございます。是非とも前向きな御検討をお願いします。
 続いて、ゴー・ツー・トラベル事業の被災地特別枠についてお伺いします。
 自然災害といえば、昨年の東日本台風から早くも一年がたちました。その後、本年は七月豪雨も発生し、コロナ禍の中、生活やなりわいの再建に日々奮闘される被災者の方々が一日も早く安心した暮らしを取り戻せるよう、政府には引き続き万全の対応をお願いします。
 さて、東日本台風の際は、翌十一月にはいわゆるふっこう割補助金が創設されました。今回、七月豪雨からは三か月、ゴー・ツー・トラベルは開始以来既に二か月半がたちます。もちろん、甚大な被害を受けた熊本県人吉市など、観光地としての復旧の見通しが難しい地域には中長期的な別途の手当てが必要と考えますが、一方で、長野県など、昨年来、台風のみならず、雪不足、コロナ、そして七月豪雨など試練が相次ぐ被災地もございます。ゴー・ツー・トラベル事業は、基本的には来年の一月末までの旅行が対象ですので、そう考えるとあと四か月もございません。
 ついては、国として被災地特別枠の具体的扱いを早期に示すとともに、自治体とも協力して必要な情報発信を行うなどして被災地に希望を持っていただけるようにすべきと考えます。仮にそれが難しいのであれば、来年度以降も利用できるよう、ゴー・ツー・トラベルの期間延長とそのための予算の積み増しを行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
○副大臣(岩井茂樹君)
高橋委員にお答えをいたします。
 今般の新型コロナウイルス感染症による影響に加えまして、委員御指摘のとおり、令和二年七月豪雨で被災された各地域の皆様方におかれましては大変厳しい状況が続いているということは十分認識をしております。
 国土交通省といたしましては、今般の豪雨によって被害を受けた宿泊旅行業者の方々への特別相談窓口を九州、北陸信越及び中部運輸局に設置するなど、被災事業者に寄り添った支援を行ってきているところであります。
 御指摘のゴー・ツー・トラベル事業につきましては、被災地においては現状直ちに御活用いただけない被災地域もあるところ、特段の配慮を行っていきたいとまずは考えております。
 そのため、七月三十日に決定されました被災地の生活となりわいの再建に向けた対策パッケージにまず基づきまして、ゴー・ツー・トラベル事業における被災地向け重点キャンペーン等の実施に向けて本事業内で被災地向けの特別枠、これを確保する検討を現在進めているところであります。早期に、その検討の結果まとまり次第早期にお示しできればとも考えております。また、観光庁のウエブサイトやSNS等を通じ、地域の御要望を踏まえて被災地域における観光地や交通機関の現状に関する正確な情報及び魅力の発信、これも併せて引き続き取り組んでまいりたいと思っております。
 そして、本事業の割引販売につきましては来年一月三十一日までの旅行商品を対象としておりますが、これはあくまで一つの目安でございまして、実際の販売、割引販売の終了時期につきましては予算の執行状況等を見ながら判断していくこととなっております。できるだけ息長く本事業を実施してまいりたいと考えております。
 国土交通省といたしましても、引き続き被災された方々に寄り添って御意見、そして御要望を丁寧に伺いながら、関係省庁とも連携をし、被災地の復興、需要回復に、それを強力に後押ししてまいりたいと考えております。
○高橋光男君
力強い御答弁ありがとうございました。是非、適時適切に決定し、明らかにしていただくよう重ねてお願いいたします。
 続きまして、団体旅行がほとんどないなどの理由で未曽有の経営危機にあるバス事業者を始めとする地域交通事業者への支援、これもまた大変急務でございます。私自身、地元のバス事業者から悲痛のお声を数々伺ってまいりました。この点、政府は第二次補正予算による感染拡大防止対策等への支援を行っており、感謝申し上げます。
 一方、来年度予算概算要求においては、危機に瀕する地域公共交通の持続可能な運行確保に向けた支援として、地域公共交通確保維持改善事業を含む三百三十六億円が計上されています。しかしながら、新型コロナ対応支援分は事項要求とされており、今後調整されるものと承知いたします。
 ゴー・ツー・トラベルのような間接的な支援に加え、事業者の事業継続に役立つように事業者単位で直接支援が届くような施策を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(金井昭彦君)
お答えいたします。
 地域の公共交通につきましては、人口減少等により厳しい状況にあったところ、新型コロナウイルス感染症の影響により一段と輸送需要が減少した一方、運行を維持しなければならないことから、非常に厳しい状況にございます。
 国土交通省では、令和二年度第二次補正予算におきまして地域公共交通の感染症拡大防止対策事業を創設しまして、密度を上げないよう配慮した運行への支援を行えるよう措置したところでありまして、大変強い御要望をいただいております。
 このため、令和三年度当初予算要求におきまして、地域公共交通確保維持改善事業として取り組んでいるバスの運行経費等に対する補助の大幅な増額要求に加えまして、地域公共交通の持続可能な運行確保に向けた支援につきまして事項要求を行っているところでございます。その内容や規模につきましては、今後の経済情勢や需要動向等を踏まえつつ、年末に向けて予算編成過程で財政当局と議論してまいりたいと考えております。
 いずれにしましても、地域公共交通の機能が今後もしっかり維持されるよう、議員の御指摘も踏まえながら全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○高橋光男君
ありがとうございます。
 続きまして、広域周遊観光促進のための支援事業に関してお伺いします。
 コロナ禍にあっても、来年の東京オリパラ等に見据え、我が国の豊かな観光資源を活用した質の高い新たなコンテンツの造成、付加価値の高い広域的な観光事業の展開を模索する取組も見られます。
 お配りした資料一を御覧ください。これは、地元兵庫、西村大臣の御地元でもございます淡路島において官民一体となった海事関係コンテンツを生かした観光推進に関する県内唯一の調査事業が進行しており、今年度中にはその内容が固まる予定です。
 一方で、コロナ禍による予算的制約等により、事業化のために基礎自治体や事業者限りでできることは限られるのは明白でございます。
 観光分野を始め、こうした苦しい中にあっても頑張る事業者の創意、発意による新たな取組を国として力強く後押しすることが重要と考えますが、御所見をお願いします。
○政府参考人(五十嵐徹人君)
委員御指摘のとおり、新型コロナウイルスによる深刻な影響を受けている観光地に観光客を取り戻していく上では、ゴー・ツー・トラベル事業に加えて、ただいま御紹介いただきました淡路島の取組のように、観光地の魅力を高める取組についてもしっかりと進めていくことが重要であると考えております。
 このため、観光庁では、観光地の課題を分析するための調査、地域ごとの観光資源を生かした魅力的な滞在コンテンツの造成、多言語表示の充実、バリアフリー化といった観光地の魅力アップのための支援を行っているところでございます。
 今後とも、地域の創意工夫を生かした取組を支援して、地域経済の再生をしっかりと実現させてまいりたいと考えております。
○高橋光男君
ありがとうございます。是非よろしくお願いします。
 続いて、西村大臣にお伺いしたいと思います。新型コロナ接触確認アプリCOCOAについてです。
 これも配付資料二を御覧ください。これ六月から導入されまして、ダウンロード数は昨日時点で一千八百十二万件に上ると承知しております。しかしながら、最近の増加ペースを見ると、やはり伸び悩んでいるのではないかというふうに見受けられます。導入から四か月がたとうとする中、その中で、陽性者へのPCR検査が行政検査となり無償化されたのは一歩前進と評価しますが、更なる利用促進を図る必要があります。
 そのため、現在は症状のある方又は感染者等との接触に関して心当たりがある方又は受診を希望する方には検査を受けていただく形になっていますが、これらの有無にかかわらず全員が検査を受けてもらうようにすること、また、陽性登録者数が限られていることから保健所が陽性者に対し登録への協力を一層求めること、さらには、デジタルインクルージョンの観点から外国人にも利用してもらえるように易しい日本語版を導入することを提案させていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(西村康稔君)
全く御指摘のとおりでございます。
 このCOCOAの利用促進、私どもも、例えば巨人軍の選手にお願いをしたり、あるいは楽天の三木谷さんであったり、いろんな影響力のある方にこのCOCOAの推奨をお願いしているところでありますけれども、こうした取組も含めて今一千八百万件を超えたところでありますが、このCOCOAから接触の可能性の通知を受けたことによって検査を受けて、そして陽性であるということが分かった事例も出てきておりますので、そういう意味で、これやっぱり効果があるということだと思いますので、しっかりと広報していきたいと思います。
 そうした中でお尋ねの点でありますが、COCOAで接触通知を受けた方については、症状の有無あるいは感染者等との接触の心当たりがあるかどうかにかかわらず全員に検査を受けていただけるようにしたところでありますし、また、ダイレクトに保健所を案内するよう、アプリ画面についても必要な改修を行ったところであります。また、感染拡大防止のための陽性登録については、厚生労働省は自治体とも連携して感染が確認された方に丁寧に御協力をお願いをしているところであります。こうしたことを更にしっかりと進めていきたいと思っております。また、外国人の利便性についても、現在、英語と中国語で対応しておりますけれども、易しい日本語でも表記できるよう、関係事業者とも密接に連携しながら対応していきたいというふうに考えております。
 いずれにしましても、関係省庁と連携して、幅広くこのCOCOA、インストールしていただけるように取り組んでいきたいというふうに考えております。
○高橋光男君
ありがとうございます。
 前向きな御答弁に感謝を申し上げます。是非この技術を活用して、まさにこのコロナ対策に役立つようにこれからも政府の御対応、よろしくお願いいたします。
 続きまして、在日外国人への支援についてお伺いします。
 先日、七月に東京四谷に設置をされました外国人在留支援センター、通称FRESCを視察させていただきました。この施設は、出入国在留関係、人権保護、査証、法律関係、労務管理、就職支援等、四省庁八官署が入った外国人支援のためのワンストップ型総合支援センターです。先月から、FRESCヘルプデスクという多言語の相談窓口も開設されました。コロナ禍の影響に国籍は関係ございません。この施設に相談に来た外国人が政府のコロナ関連支援を受けられるように一層活用されるべきです。また、多言語での情報発信のみならず様々な申請書類等も含め、易しい日本語版を提供すべきと考えます。
 この易しい日本語、今日繰り返し申し上げますが、そのニーズは、最近行われました、配付資料三にございますけれども、この文化庁の調査においても本当にその必要性が認められておりまして、しかしながら、一方で、その取組というのはほとんど、余り知られていない、約七割の方がやはり御存じでないという中でしっかりと進める必要があるというふうに思います。いずれにしましても、この施設が政府の外国人支援のハブ機能を発揮し、相談を必要とする方々に積極的に活用されるようになって、初めて我が国の多文化共生社会構築に寄与するものと考えます。
 ついては、センターやヘルプデスクの更なる周知を行うとともに、提供サービスの多言語化に加え、易しい日本語も活用していくこと、さらには、地方自治体のみならず地域の国際交流協会やNGO、駐日外国公館等との連携を強化していくこと、さらには、そうした機能を担うために中長期的な観点からセンターの体制を着実に強化していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(丸山秀治君)
お答え申し上げます。
 外国人が我が国におきまして安全、安心に暮らすためには、我が国の各種制度や慣習などの必要な情報が外国人に届くことが重要であります。そのため、出入国在留管理庁におきましては、生活・就労ガイドブックや外国人生活支援ポータルサイトにおきまして、多言語の情報提供を行っております。また、外国人が理解しやすい易しい日本語の普及、活用促進を図るため、先般、文化庁とともに、易しい日本語のガイドラインを作成し、自治体などの関係機関に周知したり、自治体職員に対する研修も行っているところでございます。
 今後、委員御指摘の関係機関、団体との連携、協力を更に進め、外国人に正確な情報が確実に届くよう、多言語化や易しい日本語を活用した情報提供に努めてまいります。また、外国人在留支援センターにつきましても、利用者など関係者の皆様からの御意見、御要望を踏まえながら、必要な体制、機能向上の整備に努め、同センターが名実共に外国人の在留支援の拠点となることを目指してまいります。
○高橋光男君
ありがとうございます。是非よろしくお願いします。
 続きまして、新型コロナワクチンの共同購入のための国際的枠組みであるCOVAXファシリティーについてお伺いします。
 先日、公明党の強い働きかけにより、政府は本枠組みへの参加を決め、予備費から百七十二億円の拠出を決定しました。これにより、国内人口の二〇%向けのワクチンの購入が可能となり、幅広くワクチンの確保の手だてが得ることができたと評価いたします。
 同時に、この枠組みはドナー国の拠出金で途上国へのワクチン供給を行うCOVAXAMCという仕組みも含まれます。その仕組みには、本年二十億ドル、来年には新たに五十億ドル程度の資金が必要とされています。ついては、我が国としてGaviワクチンアライアンス等を経由した早期にふさわしい額の拠出を表明する必要があると考えます。
 ある分析によれば、先進国のみにワクチンが配分された場合、そうしない場合と比べて死者が二倍になるとも言われています。十分なワクチンを確保し、途上国を含めた公平な配分が必要なことを踏まえると、我が国として、来月のG20サミットなどにおいて新興国も巻き込んで本枠組みの重要性、資金的貢献の必要性を確認すること、特に、米国によるCOVAXAMCへの資金協力を働きかけるべきところ、来月の大統領選挙の結果にかかわらず、日本政府として、次期政権に対し、ハイレベルで、COVAXを始め多国間協調の枠組みに米国が参加し、貢献することを求めていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(高杉優弘君)
お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の収束のためには、途上国を含め世界全体におけるワクチンの公平なアクセスが不可欠でございます。その観点から、我が国はGavi等を通じてワクチン供給を支援していく考えでございます。
 我が国として、既に本年六月にGaviに対して当面三億ドル規模の拠出を行う旨表明しておりますけれども、その中におきまして、委員御指摘のCOVAXファシリティーの途上国向け枠組みでございますワクチン事前買取り制度、AMCに対しましても、しかるべく拠出を行う考えでございます。
 それから、各国への働きかけにつきましても、我が国はこれまでこの枠組みが成果を上げるよう、ガバナンスを含め、仕組みづくりの議論に貢献してまいりましたが、それとともに、米国を含む各国に対して様々な機会におきまして本枠組みの重要性を提起し、協力を働きかけてまいりました。
 今後とも、引き続き国際社会による本枠組みへの関与を働きかけてまいりたいと考えております。
○高橋光男君
ありがとうございます。
 そうしましたら、最後になりますが、男性の育休促進についてお伺いしたいと思います。
 九月二十九日、労働政策審議会分科会において男性の育休促進について議論が始まったと承知しております。この男性育休促進、まさに非常に大事な取組であり、私も先日、この委員会で質問もさせていただいたところでございます。
 その中で、育休取得の主たる制約要因の一つとして職場の取りづらさがございます。したがって、この現行制度においては社員の希望を認めるとするというふうになっているんですが、すなわちこれは、従業員側の意思に対し会社が受け身で対応する形になっていますけれども、そうした形ではなくて、会社側に取得の推奨を義務付けることや男女共に柔軟に取得できるよう分割取得を認めること、こうしたことは改善の方向性として私は妥当だというふうに考えます。
 いずれにしましても、検討を急ぎ、法改正を待たずとも取り得る実効的な対策を講じるべきと考えますが、いかがでしょうか、端的にお願いします。
○政府参考人(岸本武史君)
お答えいたします。
 男性の育児休業取得率は令和元年度で七・四八%となってございまして、十年前の平成二十二年度の一・三八%と比べると上昇はしておりますが、依然として低い水準にとどまっております。
 育児を目的とした休暇、休業を利用しなかった理由につきましては、やはり取得しづらい雰囲気など職場環境の要因を挙げられることが多うございまして、また一方で、職場で制度周知がある場合には、ない場合と比べて育児休業取得割合が高いといったことも指摘をされているところでございます。
 こういった状況を踏まえまして、先日、労働政策審議会の雇用環境・均等分科会におきまして、男性育児休業取得促進策につきまして、子の出生直後の休業の取得を促す仕組みや育児休業の分割取得などの論点について議論を開始したところでございます。今後、具体的な方策の検討を進めてまいりたいと考えております。
○高橋光男君
是非、先般提案させていただいた出産後一か月間の育児休業給付率を実質一〇〇%に引き上げることも含めて御検討をお願い申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

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