2022.03.04

議院運営委員会

令和4年3月4日 議院運営委員会(同意人事)

○高橋光男君 公明党の高橋光男です。よろしくお願いいたします。

私も、昨年、川本総裁に質問させていただいた事項のフォローアップも兼ねて、国家公務員の人材流出、これをいかに改善していくのか、また、超勤のお話、るるこれまでもなされていますけれども、これをいかに改善していくのか、また、さらには、男性国家公務員の育休の推進等についてお伺いしてまいりたいと思います。

まず最初に、この人材流出の改善のお話でございますが、これもやはり昨年と比してもなお受験者数は減少しております。また、離職者数も増加している。この傾向というのは一向に改善されていないところでございます。

特に、受験者数に関しましては、総合職の試験の申込者数というのは、昨年比、実は八五・四%と、自然、その少子化の流れの中での減少に比してももう一四・六%も希望者数が減っているということは、これはもうゆゆしき状況だというふうに思っております。
 そういう中で、いかにこれを改善していくのかという中で、先ほど所信の方でも述べられました長時間勤務の改善等、やはりこの国家公務員に付きまとうイメージをいかに改善していくのか、これ大変重要なことでございます。

今、コロナの対応のために特に恒常的な超過勤務というものが強いられている状況でございますが、昨年も例えばこれ内閣官房のコロナ室の平均超勤時間というのは一月百二十二時間と、最も長い職員で三百九十一時間、一月という、そういった実態もあったわけでございまして、大きく今も変わっていない状況なのではないかというふうに思います。

その中で、まず超勤につきましては、こうした突発的な、ある意味大規模な災害といいますか、こうした事態になった場合に、私、昨年指摘させていただいたんですけれども、こうした特例業務に対する手当というものを恒久化していく必要があるのではないかということを指摘させていただきました。今、特殊勤務手当というのは、実際このコロナ関係でもございますけれども、実のところ、検疫とか防疫の対応であったり、刑務所の職員が感染者対応する際にそうした手当てがなされていますけれども、非常に限定的でございます。こうしたところについてどのようにお考えになるのかが一点と。

あと、さらに、この人材確保に当たっては大変処遇が大事だという中で、様々今人事院がなされている対策の中で私はやはり欠落しているのではないかと思うのがこの給与の改善の点でございまして、特に技術系の職員につきましては、高齢になるほどキャリアパスが限られて、また給与の待遇も民間に比べて低いというふうに承知しております。

是非、こういう技術畑でこれまでキャリアを重ねてこられた伊藤参考人の御経験に照らして、どのような改善を図るべきかについてお伺いしたいと思います。

○参考人(伊藤かつら君) まず、限られた要員の下で新型コロナウイルス感染症対応などにより業務合理化に取り組んでも、なお恒常的に長時間の超勤、超過勤務を命じざるを得ない職場もあるというふうに承知しております。終わりが見えない状況下で長時間の超過勤務が続くと職員の健康確保が難しくなることから、業務量に応じた人員を確保するために各府省内あるいは政府全体でめり張りの利いた人員配置を行っていく必要があると考えます。

特殊勤務手当は、著しく危険な勤務や著しく特殊な勤務に対して特殊性に応じて支給されるものでございます。著しく危険な、例えば著しく危険と申しますのは、東日本大震災に対処した職員等には特例を設けて手当額の増額を行っております。新型コロナウイルス感染対策等の従事した職員にも、特例を設けて手当額の増額を行っているというふうに承知しております。

今後とも、緊急事態への対応等を行っている職員に対しては、その御尽力に報いることができるような適切な処理が行えるよう、給与制度としても適時迅速に対応する必要があると考えます。また、そのような職員については、処遇面に加えて健康面にもしっかりと目配りをする、メンタルヘルスへの配慮など健康管理に十分な配慮をすることも重要であるというふうに考えます。

また、技術系人材ですけれども、災害対応、インフラ整備、デジタル化など、いわゆる理系人材は、質の高い行政サービスの提供のため従来にも増してそのニーズが高まっており、国においても技術系職員の積極的採用は重要な課題というふうに認識しております。

そして、このエリアは、特に官民問わず人材獲得競争というのが激しくなっております。例えばデジタルの世界で申しますと、実はデジタルの世界では、二十五年ぐらい前までは技術専門職が上の職位になるということが大変難しゅうございました。ですので、デジタルの専門家であっても、いつからか、まあ営業的なような仕事に変わっていかないと管理職になれないといった前例がございましたが、産業界全体あるいはデジタル、こういったものが成熟していくことで大企業を中心に、そのデジタルの職、スキルを持ちながら処遇が上がっていくというふうな仕組みができております。

引き続き、時代に応じた制度というのがあるかどうかというのは、引き続き検討していくことが重要であろうと考えます。

○高橋光男君 ありがとうございます。

○委員長(福岡資麿君) 指名を受けて。

○高橋光男君 ありがとうございました。

まさに、給与面につきましては、特定のその専門行政職とか研究職でない限り給与体系が行政職であっても技術職であっても一緒だという実態がありますので、今、伊藤参考人おっしゃられたように、技術系のその専門職の方の処遇が一定程度もっと幅広く改善されていくような何かしらの仕組みを導入するなどで改革をしていくことも一つの方向性ではないかというふうに思いますので、是非御念頭に置いて職務を当たっていただければというふうに思います。

次に、男性国家公務員の育休についてお伺いします。 

実は、この育休は、令和二年度育休取得率というのは、国家公務員につきましては、五一・四%と過去最高を記録しました。第五次男女共同参画基本計画においては二〇二五年に三〇%というふうに定めておりますので、この目標も大きく上回ったことは高く評価いたしたいと思います。また、今年の一月から国は出生サポート休暇として、不妊治療のための休暇、これ原則年五日の有給休暇を取れる、こうした制度を民間に先駆けて実施をしております。 これは人事官にこれからなられる方にお聞きすべき話ではないかもしれませんけれども、こうした取組を民間にもどう波及、浸透させていけるのか。これは、官が主導して民を引っ張っていくような、そうした視点も是非重要視していただきたいですし、また、これまでの民間での御経験に照らしまして、国の方で更に妊娠、出産、育児等と仕事の両立支援に関して講じていくべき措置はないかにつきまして御所見をお伺いしたいと思います。

○参考人(伊藤かつら君) 男性による育児を推進することは、男性の人生を豊かにする観点のみならず、女性の活躍促進のためにも重要と考えます。

男性国家公務員の育児休業取得率が大きく上昇して男女共同参画計画の目標を大きく上回っておりますけれども、これは、育児休業対象職員の上司に対して、職員の意向を踏まえながら育児休業取得計画書を作成させるようにした取組などが功を奏したものというふうに認識しております。

しかしながら、実は女性職員と比較しますと、依然として低い水準にあります。また、休業時間が短いということから、女性職員、女性の育児の負担が重いままであるという実態はあるのではないかと感じております。育児取得率ももちろんですし、その内容を見ていくことも重要だと考えます。

また、今後、男性職員が育児休業を取りやすくするためには、男性職員が育児休業を取得することに関する職場の意識改革が重要であると考えます。特に組織の管理者は、部下の男性職員が育児休業を気兼ねなく申し出られる雰囲気を醸成するとともに、休業中の業務のバックアップ体制を整備する必要があると考えております。

○高橋光男君 以上で終わります。

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