2022.03.23

国会議事録

令和4年3月23日 地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会

○高橋光男君 公明党の高橋光男です。本日も質問の機会いただきまして、ありがとうございます。
 野田大臣に、所信に対する質問ということで、まず女性デジタル人材育成についてお伺いしてまいりたいと思います。
 我が党は、昨年の衆院選の公約で、女性デジタル人材育成十万人プランというものを掲げ、これまで推進してきております。
 本日は、具体的な私の地元の事例を御紹介させていただきながら、様々な課題について大臣の御所見いただきたいと思います。
 お配りした資料一を御覧ください。これは地元兵庫県豊岡市での取組でございまして、昨年三月にジェンダーギャップ解消戦略というものを地域創生戦略として全国で初めて作成をしまして、僅かこれ八万人弱ぐらいの町なんですけれども、本当に様々な先進的な取組をもう三年ぐらい前から行っております。
 例えば、この左下に、女性も男性も働きやすく働きがいのある事業所が増えているという取組に関しましては、地元商工会、商工会女性部の方々の御協力も得ながら、演劇の町であることも生かして、劇団員の方の参画も得て、男性が女性部下、また女性が男性管理職を演じる中で気付きを与えるようなワークショップ、こうしたものを行うなど、特徴的な取組を行っております。
 こうした取組の一環として、次にございます資料二にございますように、地方創生推進交付金を活用した、一旦離職された子育て中の方などを対象とした女性のデジタルエンパワーメント事業というものが今行われております。今回、この現場の関係者の方々から様々貴重な御示唆をいただきました。
 国が来月にも取りまとめるとお伺いしております女性デジタル人材育成プランに是非反映していただきたい課題について、順にお伺いしてまいりたいと思います。
 まず一つ目、入口に関する問題でして、すなわち、いかにデジタルを学んでみようと思ってくれる女性を見付け出すかが大きな課題だと考えます。デジタルというとどうしても敷居が高いというふうに感じられてしまう。したがいまして、単なる行政からの発信だけでは不十分でございまして、ふだんからの交流の場において情報を提供し、参加を促していく努力、大変重要だというふうに思います。
 そういう意味で、豊岡市では、今お配りした資料にございます、資料三にございますが、今週二十七日に、駅前の商業施設ビルの中に地方創生拠点整備交付金を活用して整備された子育て支援総合拠点、WACCU TOYOOKAというものが新たにオープンし、ここでも関心のある方が気軽に参加できるようにしていきます。実際、子供も預けながら参加できるなど、利点もございます。
 こうした取組を是非国としても横展開していくことが重要と考えますが、どのようにお取り組みになるかについて御所見をお願いします。
○国務大臣(野田聖子君) 失礼しました。感心してずっと眺め入っておりました。
まず、女性デジタル人材育成プラン、これについては、本年春、取りまとめに向けて、関係大臣と連携し、具体策の検討に入っています。
御指摘のとおり、女性デジタル、その人材の裾野を広げていくことというのは極めて重要で、高いところではなく非常に身近にやっていくことが、女性はIT苦手であるという、そのアンコンシャスバイアスの影響があるんだと思います。デジタル分野を敷居が高いと感じる女性が多いというふうに思われるので、気軽に参加できるようにしていくという点には、御指摘のとおり、留意していく必要があります。
プランの取りまとめに当たりまして、基礎的なデジタルリテラシー獲得、リテラシーというとまた難しい点なんですけど、そもそも、その道具の電源の入れ方から消去の仕方からとか、そんなようなところの支援など、デジタル人材の育成の間口を広く取って女性の参入を促進していきます。あわせて、ここに御紹介ありました子育て中の方を含めて、時間的制約があっても働きやすいといったデジタル就労の特徴をしっかり発信してまいります。
こうした取組を通じて、多くの女性にデジタルのスキルアップの機会を提供してまいります。
○高橋光男君 ありがとうございます。
 続いてなんですけれども、デジタル技術を学んだ方々の出口戦略、これも極めて、今大臣が述べられたように重要な課題だというふうに思います。
 豊岡におきましては、事業参加者の半分以上が実は起業を目指しておりまして、一方において、地域の中小企業の経営者の方にデジタル化の必要性、優位性をいかに理解してもらい雇用につなげていくか、こうした観点も併せて大変重要でございます。
 地域内で育成した女性デジタル人材を地域の事業者に雇用されていく、こうした流れを生み出すことが大変大事だと思います。この点、東京の仕事を地方でできるようになれば東京一極集中は改善されるかもしれませんけれども、私は本当の意味で、それで地方は活性しないというふうに考えております。
 そのためにも、本当に企業経営者、この地域の経営者の方々への啓発、また実際に雇用につながるマッチング事業、こうしたものを効果的に支援していく必要があるというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 女性デジタル人材の育成に当たっては、今御指摘のとおり、地域の雇用の視点から取り組むことが極めて重要だと思っています。
 実は、二月十五日の男女共同参画会議の計画実行・監視専門調査会、こういうのがございまして、そこでも、地域の現場で女性デジタル人材育成を取り組む自治体から、実は、取組に当たって女性活躍に前向きな企業の協力が不可欠である一方、地方では女性デジタル人材が活躍できる場が限定的という意見があったところです。
 ですから、政府としては、地方自治体、企業、国が連携した地域における女性デジタル人材の雇用創出のための考え方、これを分かりやすく提示するとともに、企業、自治体における優良事例を取りまとめて、全国各地域へと横展開していくことが一つの鍵になると考えています。
 こういう考え方の下、女性のデジタルスキル向上だけではなくて、地域での就労へと着実につながるプランとなるように検討を進めてまいります。
○高橋光男君 本当にまさに、大変これは難しい課題だというふうに思います。私も、豊岡のみならず他の地元兵庫県の自治体の現場の方からも、その就労につなげていくところというのは一番難しいんだというお声もいただいておりますので、是非よろしくお願いいたします。
 続きまして、豊岡市のこの取組におきましては、デジタルマーケティング力というものを付けて個人事業の更なる展開を図っていく、また新たな就業先を見付けられるようにするなど、個人のキャリア形成に向けて親身に相談に乗ってもらえる方、そうした方の存在があるということを特徴であるというふうに思っておりまして、実際、これまで長年キャリアを積み上げてこられた女性の方がカウンセリングを行われているそうでして、受講生も、長らくやはり社会から離れていたことによって失った自信を、そのカウンセリングを通じて取り戻していらっしゃるそうなんですね。そうした、何でも相談できるカウンセラーのような人材も配置されていくようにしていくことも必要ではないかというふうに思います。
 また、更に特徴的なのが、講習が終わった後も、実際それを受けた受講者の方が新たに後輩をつくっていくという流れも行っておりまして、実はこの点、豊岡市におきましてはデジタル寺子屋制度というふうに名付けて、地元で子育てをされている女性の方がデジタルマーケティングを学んで、その女性が次の人材を育成できるような、そうした仲間づくりのシステムをこれから新たに行っていくという、こういう方法のようなんですね。
 こうした形での人材育成、また学びの継続を、まさにそうしたものに役立つ取組も国として是非後押ししていただきたいというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 女性がデジタル分野に進まない背景の一つに、やはり今お話があった身近なロールモデルがいない、存在しないということで、気軽に相談できる方を配置するという今の豊岡市の事例というのは大変効果的な取組であると考えました。また、教えを受けた人が次の人を育成する立場になるという点も、持続性のある仕組みで非常に有用だと認識しました。プランの取りまとめや、取りまとめ後の普及啓発に当たって、是非参考にしたいと考えています。
 内閣府の地域女性活躍推進交付金の活用を通じても、各地域の実情に応じた女性デジタル人材育成への取組を後押ししていますので、それらについてもしっかり周知し、全国各地へ横展開を図っていきます。
○高橋光男君 ありがとうございます。
続きまして、まさに今大臣が言及された地域女性活躍推進交付金と、また地方創生推進交付金、この連携について具体的にまたお伺いしてまいりたいと思います。
 これは、本当に私自身、この課題というものは、ジェンダー平等を推進していく、これは我が国においてやはり一番今遅れている、このSDGsにおいても、このゴール五、ジェンダー平等の実現がそうした課題であるからでございます。
 実際、私、昨年四月、決算委員会におきまして、質疑に対して当時坂本大臣からは、地方創生臨時交付金、当時はこれは臨時交付金であったんですが、地域女性活躍推進交付金などとの併用は可能ですという、そうした答弁をいただきました。それは地方創生推進交付金であっても同じだと私は考えております。
 しかしながら、実際両者の連携というのはなかなか取られていないのが実態だと思うんですね。その背景には、やはり地方創生部局と男女共同参画部局との間の縦割りがやっぱり問題になっている部分もあろうかというふうに思っております。
 女性活躍推進交付金につきましては、今年度約八億円の予算がございますが、やはり限られておりまして、新規事業の採択というものが優先されております。継続案件というのはなかなか採択されていない実態があります。
 一方で、この年間予算が一千億円もある地方創生推進交付金でも同様の支援が可能であるにもかかわらず、なかなかそうした周知がなされていないという実態がございます。
 是非ここは、内閣府が所管するそうした様々な予算を、是非、内閣府の主導で有機的に活用していくような仕組み、そうしたものを、実例を様々国の側から是非自治体側に誘導していく、そうしたきめ細やかな対応が必要ではないかというふうに考えます。
 一方で、この地方創生推進交付金も、実は問題ないというふうには言えないんですね。と申しますのも、実は様々な厳格な要件がございまして、実はこの中に先導性の要件というものがございますが、大臣も御存じかというふうに、今の反応、そういうふうに思いましたけれども、この中で自立性という要件が、八つぐらいある要件のうちの一つ、これはどのタイプであっても必須とされるものなんですけれども、この自立性を求める中に、実はこの収益性を求めたり、また稼ぐ仕組みを求めたりしている、そうした背景があるんですね。なかなか、でも、その女性活躍の関連でそうした案件を組成していくことって難しいというふうに実際自治体のお声もいただいておりまして、是非ともこの要件については改善していただきたいと思います。
 いずれにしましても、このジェンダー平等や女性のエンパワーメントに資する案件が自治体において息長く持続可能な形で継続していただけるようにしていく必要があるというふうに思います。その中で、是非、内閣府として、まずは内閣府が持っている関連予算を有機的に連携させて支援していただくとともに、他省庁の関連予算も総動員して、政府一丸となって自治体の取組を支援していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(野田聖子君) もう御指摘のことばかりでございまして、まず、地域女性活躍推進交付金、これは、そもそもの男女共同参画の政策が他の政策に比べてはるかに遅れて始まった結果、ささやかな今予算しか持てず、やはりどうしても幅広に皆さんに周知するために、新規、新規となったことは否めないと思いますが、その分、関係部局、つまり地方創生推進事務局とはしっかり連携して、地方公共団体が女性活躍の推進のために活躍可能な支援策について説明はしているところですが、まだまだ、その会議とかホームページなどで紹介していますけれども、今御指摘のように、足りていないようでございますので、一層丁寧な説明に努めてまいります。また、地方公共団体から個別の相談があった場合は、またしっかりと対応してまいります。
 地方創生推進交付金については、法に基づく交付金として、今お話があったように、地方公共団体の自主的、主体的で先導的な取組を幅広く支援してきております。稼ぐ力ということで、すごく制限が掛かるということなんですが、すぐに稼げということでは、将来的に自立できるようにやっていこうということでありますので、幅広く使えるんではないかと受け止めています。
 例えば、地域における女性活躍に資する取組もこの交付金が活用されており、今後とも、地方公共団体の相談に丁寧に対応するとともに、使い勝手の良いものになるよう運用の改善はしっかり図ってまいります。
 地域における女性活躍に資する取組の支援やジェンダーギャップ解消に向けた交付金の活用などにより、地方公共団体におけるジェンダー平等や女性のエンパワーメントの推進が図られるよう、今御指摘のように、男女共同参画と地方創生、私、両方担当しておりますので、しっかりとこれを使って、自治体の現場の声を受け止めて、関係部局に連携するよう取り計らってまいります。
 今、豊岡のその地方創生推進交付金事業で非常に印象的だったのが、事業概要の中で、長らく続いた社会的、経済的に女性に期待しない町の有様にあったのではないかと反省し、職場や家庭、地域で広く意識改革を行うという豊岡市の本当に率直な事業概要を承りまして、こういうことをやっぱりどんどん地方公共団体の皆さんが取り組んでいただければいいなというふうに感じた次第です。
○高橋光男君 ありがとうございます。
 まさに豊岡市の取組は、そういう、若い方たちがやはり地元から出ていって、男性のやっぱり半分しか女性が帰ってこないという実態がある中で、やっぱり気付いたらすうっと若い女性が消えてしまったというところに気付いて、こうした取組をもう三年前から、まさに地域創生戦略のど真ん中に据えてやっていただいております。
 もし、是非、大臣、機会がございましたら豊岡市にもお越しいただければ、私やまた同僚の伊藤孝江議員と御案内をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 済みません。続きまして、これは厚労省の方にお伺いしたいと思いますけれども、自治体現場からは、ジェンダーギャップというものは、都市部と地方部というよりも、特に大企業と中小企業における格差がますます広がるリスクがあると、その格差によって首都圏への女性、若い女性の集中が進むといったお声もいただいているところでございます。
 この点に関しましては、女性活躍推進法が四月から改正されますけれども、大多数の中小・小規模事業者など労働者百人以下の企業には引き続き義務化されないんですね。是非、そうした事業者に対しても、男女の賃金格差の背景となる管理職比率や平均勤続年数など女性活躍を阻害する課題解決に自主的に取り組む企業に対しては、国の支援が幅広く行き届くようにしていく必要があるというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 女性活躍推進法につきましては、御指摘のとおり、行動計画策定義務に関しまして、労働者数、従来三百一人以上でありますところ、百一人以上の企業まで拡大するなどの内容を盛り込んだ改正がこの四月から施行されるところでございますが、労働者数百人以下の企業につきましては、御指摘のとおり、四月以降も努力義務にとどまるという形となっております。
 こうした労働者数百人以下の企業も含めました全ての中小企業を対象といたしまして、女性活躍のための状況、課題分析、行動計画の策定、認定取得に関する電話相談、メール相談、個別訪問などを行いまして、きめ細かい支援を現在行っているところでございます。また、来年度は、今申し上げた取組に加えまして、相談対応の結果、女性活躍の状況が改善した企業の事例集を作成、周知をいたしまして、ほかの企業への取組を促してまいりたいというふうに考えております。
 いずれにしましても、厚労省としましては、この従業員数百人以下の企業も含めた中小企業の女性活躍の推進についてしっかり支援してまいりたいと考えております。
○高橋光男君 是非しっかりとよろしくお願いいたします。
 続きまして、国連持続可能な開発目標、SDGsに関して、政府の推進体制に関してお伺いしたいと思います。
 政府は、平成二十八年五月、閣議決定に基づき、総理を本部長、全閣僚を本部員とするSDGs推進本部を立ち上げたと承知しております。この本部の庶務は内閣官房において処理すると規定され、実際、年一回の閣僚会合や幹事会の開催に係る事務、これは内閣官房が行っているものと承知しますが、実際の動きは、SDGs推進本部事務局である外務省地球規模課題総括課が担当しております。
 明年はSDGsの折り返しの年でもございまして、今政府におかれましても様々な取組を進めていただいておりますが、中でも、実施指針に基づくアクションプラン等、この内容も大変充実化しているところなんですけれども、実際、その主たる、そこで掲げられている問題も、今日、これまで取り上げているジェンダーの課題であったり気候変動対策であったり、分野横断的、省庁横断的な国内施策が中心なんです。
 そうしたものの進捗管理を行っていく観点からも、私は、この外務省が事務局機能を担い続けていくというのは限界があるというふうに考えております。実際、市民社会からも同様のお声をいただいております。
 この内閣府には、実際、SDGsを専任して仕事をされている職員、十六人いらっしゃるというふうに聞きましたが、外務省は今四、五人しかいないんですね。三分の一の規模です。私は、そうした観点から、内閣府が本来は中心になって事務運営を行って、外務省は、国際的な取組、我が国の取組であったり、また他国における様々な先進事例、そうしたものを踏まえてより国内の施策を良くしていく、そうしたような役割分担をしていくべきではないかというふうに考えます。
 大臣は所信でもSDGsの推進について表明されましたけれども、是非更なる推進につきまして野田大臣の指導力に期待を申し上げたいと思いますが、御所見と御決意をお願いいたします。
○国務大臣(野田聖子君) 御期待いただき、ありがとうございます。
 現在、政府では、御承知と思いますが、SDGsの達成に向けて、今お話がありましたように、総理を本部長、全閣僚、私含めて構成員とするSDGs推進本部、これを設置しています。とともに、SDGs達成に向けた中長期的な国家戦略として、SDGs実施指針、これを策定し、そこの指針に基づいて関係府省庁が一体となって取組を進めています。さらに、同実施指針に基づいてSDGsアクションプランを毎年策定して、政府全体が行う具体的な施策やその予算額を整理しているところです。
 こうした施策の実施に向けては、関係行政機関相互の機動的な連携を図るため、内閣官房副長官補を議長とした、その他関係府省庁の局長級を構成員とする幹事会を開催するなど、内閣官房が総合調整を行いつつ政府全体で取り組んでいるところです。
 二〇二三年はまさに御指摘のとおりSDGsの折り返し年。政府としては、同年に日本でG7議長国を務めて、国連でSDGsサミットやユニバーサル・ヘルス・カバレッジハイレベル会合等のSDGsに関する大きな節目の会合が開催されることも念頭に、SDGsの達成に向けて国内実施、国際協力を一層加速するという決意、その下で、昨年末にはSDGsアクションプラン二〇二二を決定したところです。
 内閣府におきましては、男女共同参画、そして地方創生等の観点から、それぞれSDGsの達成に向けて、いろんな政策、鋭意取り組んでいるところで、今後、更なる推進に向けてしっかり強力に施策を進めてまいります。
○高橋光男君 是非とも体制の強化を考えていただきたいと思います。
 これは、外務省だけでその取りまとめをするというのはやはり大変難しい問題だと思います。今日ちょっと時間の関係で扱いませんが、PDCAサイクルの話も、これも今改善してきているところでして、実際、進捗管理・モニタリング分科会という、そうした分科会も実はこの推進本部の下に立ち上がりまして、この外務省の先ほどの地球規模課題総括課長さんが中心となって、そういう市民社会の方々のお声もいただきながら、様々な目標の進捗をきちっと管理していく、そうした取組がなされているわけなんですけれども、やはり外務省がそうしたことを、国内施策についての是非を判断したりとか、いいものだとか、そういうことはやはり他省庁、国内官庁が本来担うべきですし、そうした取りまとめの今省庁として私は内閣府が最適なところなのではないかというふうに思いますので、是非お考えいただければというふうに思います。
 続いて、グリーンライフポイント制度につきましてお伺いしてまいりたいと思います。
 公明党の推進で実現したこの制度がいよいよ来月から開始をいたします。最近、党青年委員会主催のユーストークミーティングという若者との対話の場におきまして、この関連で幾つかお声をいただきました。例えば、脱炭素社会実現に向けて、一人当たり何をどのぐらいすることが期待されているのかを明確にするなど正しい情報を提供すべきではないかといったものや、プラごみの削減、重要であるけれども、マイボトルが売れ残っているなど、必要の量以上に生産すると新たな問題を起こすことがあると、生産過程での生じる無駄をなくしていくべきではないかといったようなお声でございます。
 政府には、こうしたお声も踏まえ、今後事業を実施していただくに当たっては、ポイント消費喚起の側面のみならず、是非、個人の行動によってCO2削減効果につながるものなのかどうかとか、またさらには、国全体として、どのような効果、これは正の側面のみならず負の側面も含めて、是非デジタル技術も活用しながら、可視化していき、検証していき、発信していくことが重要だというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(中川康洋君) ありがとうございます。
 お答え申し上げます。
 高橋委員からは、グリーンライフポイントに関して、その効果、さらにはデジタル技術を活用した検証についての御質問をいただきました。
 御指摘のグリーンライフポイント事業につきましては、環境配慮製品、さらにはサービスの選択等といった消費者の環境配慮行動に対し、新たにポイントを発行するというものでございます。そして、今月中をめどに公募を開始し、企業や自治体等により環境配慮ポイント発行の取組を一気に拡大することにより、消費者の環境配慮行動の促進を図るものでございます。
 具体的には、ポイント発行の対象となる環境配慮行動としては、例えば、地産地消の作物の購入や、また、販売期限間際の食品の購入、これ食ロスの削減の観点でございます。さらには、ワンウエープラスチックスプーンの辞退等を想定しておりますが、今委員御指摘のように、例えばプラごみ削減に伴うマイボトルの生産過剰など、この環境配慮行動に伴って副次的に発生する負の影響、これを最小化できるように審査の際にしっかりと確認をしてまいりたいと考えております。
 また、事業の効果の検証に当たりましては、補助対象の事業者から国民によるどのような環境配慮行動に対してどれだけポイントを発行したか、それにより、CO2や廃棄物の削減等、どのような環境保全効果があったか等につきまして、デジタル技術を活用しながら客観的に把握し、データを提出をいただく予定でございます。
 環境省といたしましても、そうしたデータを基に、この本事業により、どのような環境配慮行動が実践され、全体としてどれだけの環境保全効果が得られているか等の評価、検証、これを的確に実施するのとともに、まさしくライフスタイルの転換につながるような、いただいた御提案を踏まえまして、分かりやすい形で図示する等、示してまいりたい、さらには可視化してまいりたい、このように考えております。
 本事業に対する引き続きの御指導をどうぞよろしくお願い申し上げます。
○高橋光男君 ありがとうございます。
 最後になろうかと思いますので、かなり端的に御指摘をさせていただきたいと思います。
 森林吸収源対策に関しまして、地元におきましては、最近、全国最大規模の実はこのJ―クレジットの制度というものが導入されましたが、実は今全国では五十一件しかなくて、CO2削減、排出削減量の貢献も非常に限られております。是非全国の普及をお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。この点だけお伺いしたいと思います。
○政府参考人(森重樹君) お答えいたします。
 J―クレジット制度を活用しまして森林による温室効果ガスの吸収に関する取組を後押ししていくことは非常に重要であると考えてございます。
 林野庁におきましては、森林プロジェクト関係者へのヒアリング等を進めてございまして、この中で、制度の周知が十分でないことや、実施者が行う申請手続またモニタリング作業が複雑であるなどの声を頂戴しているところでございます。このため、私どもとしましては、林業関係者への説明会や意見交換会等を開催をいたして普及を図るとともに、昨年八月には、従来は森林内で現地調査を行っていたCO2吸収量を把握するためのモニタリングについて、航空機やドローン等による航空レーザー計測の活用が可能となるような運用の改善なども進めてございます。
 引き続き、現場の声を踏まえ、関係省庁と連携し、分かりやすい制度の周知や運用改善に努めてまいります。
○高橋光男君 時間参りましたので、以上で終わります。ありがとうございました。

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