2022.04.13

国会議事録

令和4年4月13日 地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会

○高橋光男君 公明党の高橋光男です。本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 まず、本日は地方分権一括化法の審議でございますので、その関連につきましてお伺いしたいと思います。このうちの一つに、難病患者に対する医療等に関する法律、また、児童福祉法に関するこの変更といいますか、制度の改正がございます。この点につきまして、まずお伺いします。
 これまでは、都道府県においてこの特定医療費の支給認定を行う際には、指定医療機関を定めて、その医療機関の個別の名称を記載しないといけないというものが、これ、患者さんにとっても、またそれを発給する都道府県においても非常に負担になっていたという中におきまして、今回、この指定医療機関の包括的な記載を可能とするという改正が行われるものと承知します。その意味におきまして、今回の見直しは、都道府県並びに患者の負担軽減につながるものとして評価したいと思います。
 一方で、この医療受給証、お聞きしましたところ、更新というのは一年に一回行われるものというふうにお聞きしております。したがいまして、中には今現時点においては更新時期にない方もいらっしゃるかというふうに思いますけれども、そうした方々に対してもどのような配慮がなされるのかにつきまして、まず国の御対応をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘の難病の医療費助成制度に関する見直しの部分でございます。
 これまで自治体は、支給認定を行う際に、難病患者の皆様に対しまして指定医療機関の個別の名称等を記載した受給者証を交付しておりましたが、今回の見直しによりまして、受給者証に記載する指定医療機関の名称の包括的な記載、例えば兵庫県の指定医療機関というような形での包括的な記載が可能となるということでございますが、この受給者証は、先ほど御紹介ございましたように一年に一度更新することになっておりまして、更新時期は自治体ごとに異なっているという状況でございます。施行日以降に、最初の更新の際にこの指定医療機関の名称の記載方法を変更するということが今我々としては想定をしているところでございますので、例えばお住まいの自治体で記載方法を変更すると決定した場合であっても、更新までの間はお手元の各受給者証の記載が変更されないという可能性がございます。
 これに対しましては、この医療受給者証の更新までの間に記載がない指定医療機関を受診した場合でも指定難病に関する医療費の支給を受けることができるということにつきまして、各自治体に対して難病患者の方々への周知を徹底するように依頼をするほか、厚生労働省からも患者団体等に対しましてこうした取扱いを周知する予定でいるところでございます。また、お住まいの自治体における更新時期よりも前に自分、御自身の医療受給者証の記載内容の変更を希望するというような場合には個別に変更手続を行うことができることについても併せて周知をしてまいりたいと考えているところでございます。
○高橋光男君 大変重要な御答弁だったと思います。ただ、今現在において、そのような変更が行われることについてはまだ当事者の皆様よく御存じでない方もいらっしゃるのではないかというふうに思いますので、是非とも国として、自治体ともよく連携して、そうした情報の周知徹底をよろしくお願いいたします。
 続きまして、私立博物館への支援というテーマについてお伺いしてまいりたいと思います。
 この本件に関しましては、実は先日、参議院でも、八日に改正博物館法というものが成立しました。これによりまして、今後、登録博物館の要件が緩和されることになります。同時に、私は、現場に対して国による必要な支援が幅広く行き届く体制づくりというのは非常に重要だというふうに考えています。
 先日、私は、地元兵庫県姫路市にございます日本玩具博物館を視察させていただきました。この日本という名を冠しているんですけれども、実はここは私立博物館でございまして、館長個人が長年にわたって個人で収集されてこられた全国の郷土玩具であったり、また海外の玩具など、九万点にも及ぶコレクションが展示されております。二〇一六年にはフランスの旅行ガイドブックであるミシュラン・グリーンガイドの文化施設として二つ星を獲得されるなど、国際的にも高い評価を得ています。しかしながら、昨今の博物館離れとともに、この二年間、特にコロナ禍の影響におきまして来館者数が激減し、大変厳しい経営状況に追いやられています。にもかかわらず、公的支援に乏しく、これまで独立採算で何とか運営をされている状況でございます。
 今回の博物館法改正を受けても、登録博物館として認められるためにはこの法人化というものが要件となるんですけれども、こうした私立博物館は、個人の施設ということもございましてなかなか法人化というのは難しいところもあります。しかしながら、やはり地方創生を考えたときに、こうした個性のある博物館にもやはり光を当てて、この地域の風土や歴史等を体現する施設として、地域住民の方々を含めて、改めてその魅力や価値が注目されて町づくりに生かされていく努力が行政に求められているのではないかというふうに考えます。
 そこでまず、国の支援に当たって、博物館が地域で果たしてきた役割や国際的評価なども含めて十分に配慮がなされているのか、また、地方創生の観点から、博物館が果たす役割を改めて評価し、必要な支援が行き届くようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(中原裕彦君) 先般成立いたしました博物館法の一部を改正する法律におきましては、地域の様々な主体と連携協力しながら、文化観光その他の活動の推進を図ることなどにより地域の活力の向上に寄与することを規定しております。
 このため、文化庁におきましては、令和四年度予算に新たに盛り込んだ博物館機能強化推進事業におきまして、文化観光や町づくり、国際交流など、これからの博物館に求められる社会的、地域的な課題に対応しようとする先進的な取組、各地域や同じ館種の博物館同士がネットワークを形成することにより、単独の博物館では対応できない地域や社会の課題解決に対して、より広域的、効果的に取り組む事業などを支援していく予定でございまして、この事業におきましては、私立の博物館に対しても支援を行うということとしております。
 文化庁としましては、本改正を契機としまして、各地の博物館が創意工夫をした取組を行うことにより、観光や町づくり、国際交流などを通じた地方創生にその機能を十分に発揮していくということを積極的に支援してまいります。
○高橋光男君 御答弁ありがとうございます。
 今、新しいそうした事業を通じて、私立博物館も含めてしっかりと国として支援をなされるという今御答弁でございましたけれども、やはりそうした私立博物館に対しては、やはり単独ではなかなかそういった効率的な経営であったり、また、観光に生かすといっても地域の方々がなかなかその博物館の価値をよく御存じでなくて、例えば、観光のそのツアーを組まれるに当たっても、よくその博物館のことを御存じでない中でそういう紹介がなされてその十分に魅力が伝わらないというようなこともございますので、やはりしっかりと寄り添った支援というものが大事だというふうに考えております。
 そうした中で、特に、私が申し上げたような日本玩具博物館のように危機的な状況にある私立博物館に対しては、外部から必要な助言を行うこと、また、それを通じて質を更に高めて社会的役割が向上するような、第三者機関的な存在も、外部からですね、外部機関的な存在も大変重要な要素というか側面があろうかというふうに思いますけれども、この点につきまして国の御見解を伺います。
○政府参考人(中原裕彦君) 先般成立しました博物館法の一部を改正する法律におきましては、地方公共団体や一般社団法人、一般財団法人等に限定されている登録の対象につきまして、法人類型にかかわらず博物館として登録できるよう改正を行うことと、改正がされたところでございます。
 そして、これまでの博物館法の見直しについて検討してきた文化審議会におきましては、御指摘の第三者委員会も含め様々な角度から審議され、昨年末に答申をいただきました登録の審査についてはこれまでと同様に都道府県等の教育委員会が行うこととされたところでありまして、今回成立した改正法もそれを踏まえた内容となっております。
 一方、様々な事情により登録に至らない施設に対しましても、御指摘のようにできる限り登録博物館となっていただけるよう、関係団体や専門家等によるアドバイスを通じて、それぞれの博物館の特性や地域の実情に応じ、きめ細かな対応をすることも重要であると存じます。
 このため、文化庁におきましては、令和四年度予算におきまして、新たに博物館機能強化推進事業を盛り込みまして、関係団体や専門家と協力し、博物館の運営に関するきめ細かな相談体制の整備等を行っていく予定でございます。
○高橋光男君 ありがとうございます。
 登録博物館を目指されないような私立博物館に対してどのような支援ができるのか。登録を目指されるところは、今御答弁ありましたように、都道府県等の教育委員会が様々相談を受けて助言もなされるんだと思うんですけれども、必ずしもそうでない博物館に対しては、今私が申し上げたような外部の、やはり別途の機関がしっかりと寄り添ってそのお声を受けて、どのような改善が図られるのか、そうした支援が大変重要になろうかというふうに思いますので、国におかれましては、この博物館機能強化推進事業を行うに当たっては、十分そうした点を留意して御対応いただきたいというふうに思います。
 続きまして、地方創生を進めていく上で、社会の基盤となるこのインフラを守るための体制整備として、地方自治体への技術職員派遣についてお伺いしてまいりたいと思います。
 この点に関しましては、実は私、二年前の三月に内閣委員会におきまして質疑をさせていただきまして、総務省より、ちょうどその翌月、すなわち令和二年度、四月からですね、新たな制度が導入されました。復旧・復興支援技術職員派遣制度というものでございます。
 そこで、お配りした資料の一の一を御覧いただきたいというふうに思います。
 これは、平時における技術職員不足を、この市町村においてですね、そうしたところを補う支援、そして中長期の派遣要員の確保、この二本立てとなっております。
 まずお伺いしますが、この後者の中長期派遣要員の確保につきまして、制度創設から現在まで二年間の実績、並びに私が質疑させていただいた際には数年程度で千人程度のその要員を確保するという目標を掲げられていたかというふうに思いますが、その達成見込みについてお伺いします。
○政府参考人(山越伸子君) お答えいたします。
 復旧・復興支援技術職員派遣制度において、中長期派遣対応の技術職員として登録されている人数は、令和二年四月一日時点では百八十八名であったものが令和三年四月一日現在では二百七名でございまして、そのうち二十六名は令和二年七月豪雨の被災地に派遣されております。
 総務省では、この制度で大規模災害時の中長期派遣に対応できる技術職員を当面、数年を掛けて千人程度確保できるよう取り組んでいるところでございます。具体的には、地方交付税措置を講じながら、都道府県などに対しまして積極的に技術職員の増員を図っていただき、中長期派遣要員として登録いただくよう、大臣書簡なども発出して依頼しているところでございます。
 しかしながら、地方公共団体においては、大量採用世代が退職する一方で、人口減少や民間との競合によります採用難等により、技術職員の確保に課題のある団体が多い状況にございます。
 このような中、目標の達成時期について現時点でお示しできる状況にはございませんが、関係省庁や地方三団体などとも連携をし、対応策を検討し、復旧復興支援のための技術職員を一人でも多く確保できるよう取り組んでまいります。
○高橋光男君 今御答弁いただいたように、二年たって今二百人程度という状況、また今年度に入って新たに調査をされますので最新の数というのは分かりませんけれども、今のペースでやっていればこれは数年掛けて千人なんというのは到底実現できません。二年で二百人、普通考えれば千人に到達するには十年掛かってしまう。その中で、やはり今深刻な市町村を始めとする現場のこの技術職員不足をどのように補っていくのか、これは大変私は知恵が求められているところだというふうに考えております。
 その中で、特に、もう一つのこの平時の技術職員不足、これも大変深刻な状況でして、例えば私の地元兵庫でも四十一の市町があるんですが、土木技術職員でいいますと、この五人未満の自治体というのが実はもう三十以上ございます。複数の町においては全く配置されていないというようなところもございます。
 そして、もう一つ、資料の一の二を御覧いただければと思いますが、技術職員全般で見ますと、今この土木技師、建築技師、農林水産技師の配置状況というようにございますけれども、この三種の職種の方がいずれか未配置のところにつきましては、何ともうこれ千二百市町村にも上るという状況で、全体の七割近くを占めているわけでございます。
 その中で、国は別途、今、国土強靱化加速化五か年計画という中で、例えば老朽インフラの改修整備、こうしたようなことも広範に今進めようとしているわけですけれども、やはりそうした事業を進めていく上において、この自治体側の技術職員の不足というものが、私、ある意味でこれボトルネックになっているのではないかというふうに考えます。
 その中において、こちらの今の制度に立ち返ってみますと、今この都道府県庁から市町村への平時の技術職員派遣についても対応していますけれども、これについてもこれまでの実績及び今後の達成目標についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(山越伸子君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、技術職員を配置できていない市町村が多く見られるなど、小規模市町村を中心に技術職員の確保に課題がある状況でございます。したがいまして、技術職員が担う業務につきまして、業務の簡素化を行うほか、国、都道府県、民間など様々な関係機関との連携などを視野に入れながら対応策を模索する必要があると考えております。中でも、都道府県に配置した技術職員を平時の市町村の業務に支援に、市町村の業務支援に充てる、この方法が有効であると考えているところでございます。
 この総務省の技術職員派遣制度の運用として実際に行われております都道府県職員による市町村支援業務といたしましては、市町村管理の橋梁の点検や修繕の受託であるとか、工法選定や検査手法などに関する技術的助言、また、技術職員を一年から二年間という期間にわたり市町村職員として業務に従事させる事例など、地域の実情に応じて様々な取組が行われていると承知をしております。
 当該市町村支援業務に従事する職員数でございますが、令和三年四月一日時点で二百九十一名把握をしております。総務省の制度外のものを含めた市町村支援の実績は網羅的に把握をしておりませんで、その目標も設定をしているところではございません。
 今後、復旧・復興支援技術職員派遣制度を充実するに当たりましても、平時の市町村支援業務の拡大は重要と考えておりますので、総務省といたしましても、実際の取組事例の周知徹底などを通じて都道府県の取組を支援してまいります。
○高橋光男君 今の御答弁では、やはりほかの省庁における取組も含まれているので、網羅的には数を把握していないとか目標を立てていないというような趣旨の御答弁でしたけれども、果たしてそれでいいのでしょうかと私は思います。
 やはりこれは平時の際のこの人員確保ということも大変重要なわけでございまして、この両制度、両方これ合わさって初めて一つの制度でございますので、しっかりとしたこの対策を取っていかないといけないというふうに思います。
 もちろん、この要員を確保したくても、民間との取り合いとか、まあそうした側面もあり、また少子化の傾向というようなことも今御説明いただいたとおりと思いますので、なかなか確保できない状況にあるのも確かだというふうに思います。
 その点、例えば、ある一部府県におきましては、一定程度のこの人材をプールして市町村に紹介しているようなところもあるようなんですけれども、なかなかこれもまだ全国的には普及しておりません。
 また、国交省さん、今日もお越しいただいていますが、防災エキスパートという制度がございますけれども、これも実は、地方整備局のOBの方々がボランタリーベースで貢献していただいている、そうした制度になっております。
 その中で、私、一つ改善策として提案させていただきたいのが、公明党の主導で普及した気象防災アドバイザーのスキームでございます。これは、気象台のOB、OGを気象庁が委嘱したアドバイザーでございまして、平時及び有事と、その専門性を生かして地域防災に貢献をしていただいておりまして、導入後、もう既に八十六人の方が委嘱されておりまして、私の地元神戸市においては常勤でもう一名任用されております。
 つきましては、このスキームと同様に、国として、例えばこの技術職員のOB、OGをもっと積極的に活用していく、そうした方々を対象に、平時においても助言等をいただいて、有事にも応援業務に担っていただくような委嘱制度を是非国交省と総務省連携の下で構築していただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。総務省、国交省、それぞれ御答弁をお願いします。
○政府参考人(山越伸子君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、地方公共団体の技術職員の人材確保に課題がありますことから、技術職員OB、OGを活用することも有効な手段と考えております。
 技術職員OBを活用した都道府県独自の取組といたしましては、都道府県の技術職員のOBの情報を登録をいたしまして、市町村等の平常時の業務であるとか大規模災害時の復旧事業などにおける専門的な行政ニーズに対しまして、都道府県から市町村などに対し人材を紹介を行うなどの取組事例もあると承知をしております。
 一方、委員からも御紹介ありましたが、国土交通省には地方整備局等のOBを活用した防災エキスパートなどの取組もあるとお聞きをしているところでございます。
 御指摘の気象防災アドバイザー制度、これも参考にしつつ、両省で連携をいたしまして、技術職員OBの活用も含め、技術職員の不足する地方公共団体への支援制度の仕組みの更なる充実を検討していきたいと考えております。
○政府参考人(廣瀬昌由君) お答えいたします。
 委員から御紹介いただきましたように、国土交通省の地方整備局等では技術職員のOB、OGから成る防災エキスパート制度を有しており、災害時にいわゆるテックフォースに同行し、被災箇所の迅速な状況把握等の支援を行うことに加えまして、平時においても訓練や施設点検あるいは講習会等の支援を実施していただいているところでございます。
 しかしながら、国土交通省から委嘱等の措置がなされていない場合もあり、また、委員御指摘のとおりボランティアで行われていることから、経費の一部が個人負担であることや、OG、OBが所属する企業で休暇取得をする必要があるということで活動が制限されるというような課題も生じているところでございます。
 昨今の激甚化する、頻発化する自然災害に対応していくためにも技術職員のOB、OGの活用は有効な方策であるというふうに認識しており、総務省と連携して、技術職員のOB、OGの活用を含めた地方公共団体の技術的支援方策の更なる充実強化に向けて検討してまいります。
○高橋光男君 ありがとうございました。
 残りの時間、消防飛行艇に関してお伺いしてまいりたいというふうに思います。
 この点、資料もお配りをさせていただいておりますが、実は今日御出席いただいている野田大臣は、五年前の総務大臣のときにも総務委員会におきまして、我が党の秋野公造議員の質疑に対しまして、空中消火は火災現場に地上から接近できない場合に迅速に到着して消火活動を行える優位性があるというようなことも述べられて、消防庁で幅広く研究や検討を重ねているということで、しっかり情報収集して必要な対応、検討を行うよう指示をなされるという御答弁もいただいたこともあるお話でございまして、それからのアップデートになりますけれども、昨年二月の足利におきます林野火災におきまして、翌三月のこの参院の予算委員会におきまして我が党同僚の伊藤孝江議員が、海上自衛隊の救難飛行艇US2、改造して消防飛行艇として活用することを提案する旨の質問を行いました。
 それを受けまして、国は昨年五月、林野火災の消火に関する検討会を立ち上げたと承知しますが、この検討会の取りまとめ、最終報告、いつなされるのか、まず御答弁をお願いします。
○政府参考人(荻澤滋君) お答え申し上げます。
 令和三年二月に発生いたしました栃木県足利市の林野火災、その当時の消火活動について検証を行い、より効果的な消火活動の在り方を検討するため、学識経験者、消防機関、関係省庁職員等を委員とする、より効果的な林野火災の消火に関する検討会、これを昨年五月に設置いたしまして、現在まで計四回の検討会を開催しているところでございます。
 この検討会では、地元消防に加えまして応援による活動体制の増強、また指揮体制の早期確立、地上と空中消火の連携等の在り方を検討するとともに、今ほどございました、仮に飛行艇を活用した場合にどういった運用が可能なのか、その効果も含めてシミュレーションにも取り組み、御議論いただいているところでございます。
 できる限り早期に検討会、検討結果を取りまとめてまいりたいと思います。
○高橋光男君 そして、お配りした資料の二の一を御覧いただければと思うんですが、これ、実はその消防飛行艇を活用していればどうなっていたかを示したものでございまして、散水量も実は二倍程度になり、またさらには、実は、次のページにもございますように、この飛行艇というものは河川や湖などで取水ができますので、非常に効率的にその火災現場との行き来ができると。そうした中で、よりこの倍のスピードでこの散水等ができるという結果でございまして、この延焼範囲が広がる前に鎮火ができるという特性があります。
 その中において、実は、ちょっともう時間がございませんので次のこの資料の方にまた進みますけれども、二の三の方を御覧いただければと思いますが、これ、全世界で今見ますと、実はこのカナダ産のCLシリーズという飛行艇があるんですけど、これ非常に老朽化が進んでおりまして、今更新時期にございます。そんな中において、実は中国がこのAG600というものを、次のこのページにございますように、ほぼ実用化もう間近なところに来ているところなんですね。この消防飛行艇というUS2のもの、まだ世の中に一機も存在しません。
 その中において、是非とも私御検討いただきたいのが、しっかりとこの防衛省が、まずこうしたものを災害能力、対応能力向上のための装備品ということで、関心の持っている米国等に対してそういう供与していく。今回、新たに企画室というものを立ち上げていただいたかというふうに思います。その中でしっかりやっていただきたいですし、さらには、消防庁におきましても、この検討を進めていく中でこの消防飛行艇の有用性をしっかりと認めていただきたいですし、さらには、これ外務省的にはですね、例えば今クアッドという枠組みがございます。豪州、インド、そして米国ですね。こうした国々はやはり森林火災で苦しんでいる国でございまして、そうした国々に例えば一緒になって供与していく、連携していく、それらの国々のみならず、例えば東南アジアの国々に対してしっかりと援助をしていく、そうした対応をお願いしたいというふうに思うんですが、これ、ちょっともう今日は御答弁の時間がないのでまた次の機会に臨みたいと思いますが。
 最後に一言、是非、これまで総務大臣、御経験もある野田大臣におかれましても、この消防飛行艇の普及について是非、担当外だというふうに思いますが、一言だけ是非御答弁をお願いできればと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 質問通告をいただいておりませんし、所管外ということで公的なコメントはできませんが、防災部長が今お話をしてくれたとおり、大概大臣が替わると検討が消えてしまうことが間々ある中、今日まで着実に前へ進んできたことを評価しますし、早く結果を出していただけるよう注視してまいりたいと思います。
○高橋光男君 時間が参りましたので、ちょっと詳細について質問させていただく時間がなく、御準備いただいた各省庁においては大変申し訳ございませんが、また次回に譲りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 本日はありがとうございました。

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