2022.04.18
国会議事録
令和4年4月18日 決算委員会
○高橋光男君 公明党の高橋光男です。
本日は、参議院の伝統のこの決算委員会の場で質問の機会をいただきまして、感謝を申し上げます。
本日は、この令和二年度決算検査報告に関する質疑が中心となるはずでございますけれども、その点につきましては、この後、同僚の安江伸夫議員に譲ることとして、早速ですが、林外務大臣にお伺いしてまいりたいと思います。
昨年四月の決算委員会におきまして、私は、我が国ODA、政府開発援助について、経済インフラ分野と基礎生活分野の割合について取り上げました。
お配りの資料一を御覧いただければと思います。
こちらは、この十年間の二国間ODAの実績でございます。二国間といっても、いわゆるJICAなどのバイの支援のみならず、コア拠出を除いた国際機関による支援も含まれます。こちらにございますように、二〇一二年以降、経済インフラ分野が保健分野や人道分野を含む基礎生活分野を逆転して以来、特に二〇一六年以降はその格差が広がりました。最新の二〇二〇年、すなわち令和二年は、新型コロナへの対応もあってのことだと思いますけれども、保健分野が狭義においても六・六%と、前年の二・五%を大きく上回り増加しました。それ自体は良いことだというふうに考えますが、まだまだ絶対額では限られています。
そこで、昨年、私は、保健分野のODAを五年間で倍増することを提案し、当時の茂木外務大臣からも充実していきたいと力強い御答弁を得たところでございます。
ちなみに、保健分野のODA倍増につきましては、現在公明党が行っております国際保健推進委員会というところのヒアリングにおきましても、市民社会や民間企業の有志経営者からも同様の御要望をいただいているところでございます。
そこでお尋ねします。まず、令和二年度決算におけるODA総額とその中に占める保健分野の援助総額を明らかにしていただきたいと思います。そして、その後、今日に至るまでの同分野における動向を踏まえて、政府として、これからその分野においてODAを増額していくに当たっての課題をどのように認識し、取り組まれていく御決意かについてお答え願います。
○国務大臣(林芳正君) 我が国のODAによる支援でございますが、二国間支援と国際機関への拠出を通じた支援から成るわけでございますが、DACの統計では、二国間支援及び国際機関を通じる事業のうちで実施対象国・地域をイヤマークした事業を合わせたものが二国間ODA実績として整理をされております、釈迦に説法であると思いますけれども。二〇二〇年の我が国二国間ODAの実績は百六十八億ドルと、前年に比して二十二億ドルの増額となっております。このうち保健分野における二〇二〇年度、二〇二〇年実績額は十一億ドルで、前年より七億ドルの増というふうになっております。
新型コロナの世界的な感染拡大によりまして、保健分野のODAの重要性、これを改めて確認をされたところでございます。また、各国が新型コロナへの喫緊の対応に迫られる中で、三大感染症、また母子保健や保健システム強化などコロナ発生以前からの保健課題への取組に少し停滞が見られておりまして、保健分野における貢献の重要性というのは依然として高いままであると申し上げなければならないと思います。
こうした中、我が国としては、人間の安全保障の考えの下で、引き続き、国際保健、これを外交の柱として、の一つとして捉え、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成に向けて取り組んでいきたいと考えております。
同時に、開発途上国は経済インフラから保健分野や人道支援を始めとする基礎生活分野まで様々な課題を抱えておりまして、これらに応えていくためにも、ODAを戦略的に活用していく必要があると考えております。
本年はTICAD8を開催をいたします。来年には我が国がG7の議長国となります。こうしたことを見据えて、政府として、保健分野でのODAの積極的活用、これを図って、関係省庁及び官民で緊密に連携し、引き続き保健分野の国際貢献の推進を努めていきたいと考えております。
○高橋光男君 改めて力強い御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
続いて、人道分野の方についてもお尋ねしていきたいと思います。
こちら、資料にございますように、一番下の方にございます、二〇二〇年は二・七%と、これ、前年と比べて若干ではございますが減少しています。しかしながら、特に、昨今でいえば、ロシアのウクライナ侵略を受けて人道支援ニーズというのは急増しています。
そこで、是非強調したいのは、保健分野の支援額が増えても、そのあおりを受けて人道支援が減ることのないようにしていただきたいということでございます。そのためには、保健・人道分野、あるいは、現在は食料安全保障というものも重要と考えますが、是非、それらを合わせた基礎生活分野のODAを抜本的に拡充していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 我が国のODAによる人道支援でございますが、二国間支援と国際機関への拠出を通じた支援から成りますが、DACの統計で、二国間支援及び国際機関を通じる事業のうち実施対象国・地域をイヤマークした事業を合わせたものが二国間ODAの実績として整理されております。
したがって、我が国のODAによる人道支援の実績は、実際には二国間ODA実績としてDACに報告されているものよりも多いわけでございます。二〇二〇年の人道支援分野における二国間ODA実績は四・五億ドルでありまして、前年より〇・四億ドル減少しております。この減少に明確な要因があるというわけでもないわけでございますが、我が国は、二〇二〇年における主な人道危機であるアフリカのサバクトビバッタ被害ですとか中米のハリケーン被害、またエチオピアの武力衝突による人道危機に対しての食糧支援や避難者支援と、こういうものを機動的に進めてまいったところでございます。
二〇二〇年以降、新型コロナの拡大、またミャンマー、アフガニスタン、ウクライナ危機を始めとする国際情勢の悪化、こうしたことがございまして、各国による保健分野と人道分野、さらに、今御指摘のありました食料安全保障を含むこの基礎的な生活分野でのニーズが高まっているわけでございます。こうした現実を踏まえて、引き続き基礎的生活分野での支援にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○高橋光男君 ありがとうございます。
やはり、私も当然、開発途上国のニーズに応じて支援をしていく、また日本として、経済インフラの支援というのもまさに我が国の技術等を活用できる分野でございまして、そうしたものに対するニーズも大変高いという中において、これトレードオフの関係ではないということだと思います。どちらも重要だというふうに思いますが、やはり途上国の支援に応じていくためには、ODAの予算を増やしていくことが何より大事だというふうに考えますので、是非大臣のリーダーシップに御期待申し上げます。
続きまして、この現在のウクライナ危機でございますが、それによって国際協力によるコロナ対応への注目が少し薄れているのではないかということを懸念しています。しかしながら、私は、ウクライナ危機も保健分野のリスクをはらんでいる点を指摘したいと思います。特に、ウクライナは、余り知られていませんが、薬剤耐性結核の高蔓延国でございます。国内では地下への避難によって密になる、あるいは、国外避難者が急増する中で周辺国への感染拡大が懸念されます。
そこで、コロナ対策に加えて、我が国としても、JICAによる二国間、また国際機関による多国間協力において、是非、結核などの感染症への対策に必要な治療薬やワクチンなどの提供を始めとする医療物資の支援、また人々が安価な医療サービスを受けられるようにするための支援、こうしたものが重要と考えますが、政府の対応ぶりについてお答え願います。
○国務大臣(林芳正君) 今委員から大変大事な御指摘がございまして、実はワルシャワで現地の国際機関と意見交換をしたときも、今のようなお話、たしかWHOだったと思いますが、お話がありました。さらには、ツベルクリン等の予防接種についてもこの時期が少しずつずれていると、こういうようなお話もあったところでございまして、そういった意味で、このウクライナ避難民に対する緊急人道支援において、国際機関を通じてこのウクライナ及び周辺国において結核を含む感染症対策というのを実施してきておりますが、しっかりとこれに、こういうことに対応していかなければならないと思っております。
具体的に、日本から合計二億ドルほど今回緊急人道支援の拠出を行っておりますが、これを使って、国際移住機関、IOMや、国際赤十字・新月社連盟、IFRCですね、それからウクライナ及び周辺国において結核患者のスクリーニングや結核治療薬を使った治療、これを実施するほか、ユニセフがウクライナ及びポーランドにおいてBCGを含む乳幼児定期予防接種を実施しております。また、新型コロナについても、IOMやIFRC等の機関が、ウクライナや周辺国においてワクチン接種、コロナ検査、個人用防護服、防護具ですね、の提供等を行っております。
これに加えまして、モルドバでございますが、ウクライナ周辺国の中でも最も規模が小さく、そこに多くの避難民が流入して非常に厳しい状況にあるということで、三月十九日でございますが、JICAが人道支援・保健医療分野協力でのニーズ調査団というのを派遣いたしまして、現地でまずニーズを把握すると、それに加えて、WHOと連携した形で、避難民への国際医療支援の総合調整や医療データ管理等に貢献をさせていただいているところでございます。
今後、この調査の結果を踏まえて、も踏まえて、モルドバ支援グループ、これはG7が主導して立ち上げたグループでございますが、また四月五日に立ち上げられたモルドバ支援プラットフォーム、こうしたところと連携しながら、実施中のこの二億ドルの緊急人道支援に加えて、モルドバのニーズに応える形で、こちらは二国間支援、これを実施できるように具体的な内容を詰めていきたいと考えております。
今後も、ウクライナ及び周辺国に対する緊急人道支援や、モルドバに対する二国間及び国際機関を通じた支援において、感染症対策等も念頭に置いた保健医療分野での支援を実施していきたいと考えております。
○高橋光男君 詳細に御説明いただきまして、ありがとうございました。
まさに、ウクライナ危機も保健と密接に関連した人間の安全保障にも関わる重要な課題であるということが明らかになったかというふうに思います。是非、政府としても引き続きしかるべく対応していただくとともに、先ほど大臣も言及されました、来年、我が国はG7の議長国でございまして、そうした点につきましても是非国際場裏で主張し、国際社会をリードしていただくことをお願い申し上げます。
続きまして、そのウクライナ避難民の関連でございますが、我が国における支援と、また他の避難民の方々との平等な扱いについてお尋ねしてまいりたいと思います。
お配りした資料の二を御覧ください。これは、両者を私なりに比較をし、扱いの違いを示したものでございます。
まず、一番上段、在留資格について。ウクライナ避難民については、政府は短期滞在から早期に特定活動に変更対応するとしていますが、例えばアフガニスタン避難民につきましては、昨年八月の政変が発生してから約半年後の今年の二月にそのような決定がなされました。
次に、国の財政的支援につきましても、国は、昨年度補正予算五・二億円で身寄りのないウクライナ避難民に対し生活費、宿泊費などを支援するとともに、もう一つの資料もございますが、地元兵庫県は、県内に身寄りのあるウクライナ避難民についても一世帯当たり最大二百十四万円給付します。そのほか、医療費や日本語教育においてもアジア福祉教育財団が提供することになっているものと承知します。
もちろん、かつてない人道危機とも言えるウクライナ避難民の方々に対しこうした手厚い支援がなされることに私自身全く異論はございません。しかしながら、この表の右側を御覧いただければお分かりになると思いますが、アフガニスタンなどの他の避難民に対する支援はほぼ何もございません。私は、この状況はゆゆしきことだと考えます。なぜならば、戦禍によって日本に逃れてきた避難民という意味では皆同じであり、ゆえに人道上平等に扱うべきと考えるからです。
その意味で、できるならば、これらを統合的に提供し、避難民が利用可能なサービス、例えば公営住宅や医療費、日本語教育などは公平にアクセスできるようにすべきではないかと考えます。そのためにも、是非国として自治体に対し、今支援を表明されている自治体及び企業というのは千をもう超えているというふうに承知していますけれども、例えば、身元保証人、このアフガニスタンの方々の身元保証人などからの申出の下に、可能な限り他の避難民の方々もアクセスできるよう通知を出していただきたいというふうに考えますが、御答弁をお願いします。
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
ウクライナ避難民に対する現在の我が国の対応につきましては、まさにウクライナが瀕する危機的状況を踏まえた緊急措置として、避難される方々にまずもって安心できる避難生活の場を提供すべく政府全体として取り組んでいるものでございます。そのため、現在のウクライナの方々への対応とそれ以外の方々への対応とを一概に比較して論じることは困難ではございますが、本国における情勢不安を理由として就労可能な特定活動の在留資格への変更を認める対応につきましては、これまでも本国情勢を理由に我が国での在留を希望するアフガニスタンやミャンマーの方々などにも認めてきたところでございます。
また、アフガニスタン等から避難されてきた方々につきましても、特定活動への在留資格変更することで、今回のウクライナ避難民が享受できるような国民健康保険への加入といった各種住民サービスを受けることは可能となってございます。
今後も、困難に直面する方々に寄り添った支援を速やかに実施できるよう、政府全体としてしっかりと対応してまいりたいと存じます。
○高橋光男君 ただいま御答弁いただいた特定活動になれば、確かに健康保険、これ加入できるんですけど、それまでの時間が掛かっているんです。昨年の八月に政変が起きて、そして今年の二月になって初めてその特定活動への移行が認められたわけです。その間のまさに医療保険、これは身元保証人の方々が実質負担されているんですね。
私は実際、地元神戸で、アフガニスタンの元留学生三名の方を受け入れられている身元保証人の方から様々お話を伺いました。そのことを基に私は、今この表、右側を書かせていただいているんですけれども、例えばその方は御自身でお持ちの会社の社宅を個人で賃貸契約をして住居を提供されています。また、さらには渡航費や医療保険、先ほど申し上げました、全て負担されています。
しかしながら、本来そうした個人の善意に全てを委ねるようなことはしてはならないはずです。国による役割が本当は大事であって、国だからこそその自治体や財団等に働きかけることができるわけでございますので、是非こうした公平な扱いが確保されるように、国が指導力を発揮していただきたいということを強調させていただきたいと思います。
あわせまして、アフガニスタン避難民の方々が実は既にもう直面している様々な課題というものがございまして、私は、その経験に学びながら、ウクライナ避難民の方々が同様の事態に直面しないようにしていく必要があるというふうにも考えます。
実は、この点、アフガニスタン退避者受け入れコンソーシアムという団体が最近実施した概況調査というものがございまして、これに照らしながら幾つか個別具体的にお尋ねしてまいります。
ここで指摘されている生活の課題として最も多く挙げられているのが日本語習得なんですね。この点、ウクライナ避難民も同様のニーズがあると考えます。そこで、生活に役立つポケトーク等の翻訳機材やグーグル翻訳を使うための例えばWiFi機器などの無償提供、また、日本語教育の観点からは、NGO、NPOや、特に長引く水際対策のために経営が困難な状況にあることを踏まえて、日本語学校、こうしたところに対してしっかり助成をする中で支援をしていく。このウクライナの避難民の方々に日本語教育をしっかりお届けしていく、そうしたことが重要と考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
困難に直面するウクライナ避難民の方々が本邦での生活に困らないようにするため、関係省庁と密接に連携しながら、ニーズを的確に把握し、必要な支援を検討、実施していくことが重要であると認識しております。
具体的には、一時滞在施設では、在京ウクライナ大使館の協力の下、一世帯当たり一台の翻訳機を支給するほか、希望者に業務委託先を通じまして携帯電話を無償貸与しているところでございます。また、必要に応じて通訳を手配した上で、生活・行政手続相談、カウンセリング等の支援を実施しており、今後は、カウンセリング、日本語教育、就労支援等、受入れ後の各場面に応じた具体的な支援策を実施していくこととしております。
引き続き、政府全体として、我が国に避難してこられた方への必要な支援等に速やかに対応できるよう、自治体等とも緊密に連携の上、早急に検討、実施に努めてまいりたいと存じます。
○高橋光男君 是非、国としてしっかりと対応していただくことをお願いします。
続きまして、避難民の方々の心に寄り添った支援という意味におきましては、精神的なケア、これも大事でございます。また、就労を希望される方々への情報提供、また支援、お子さんにつきましては、学校に通えるようになった際には言語的なサポート、また日本食に慣れないことを想定しての給食の配慮、また差別的扱いを受けないようにするための細やかな配慮など、国から現場に対し適切な助言と必要な支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。法務省、文科省、それぞれにお伺いします。
○政府参考人(丸山秀治君) まずは、入管庁の方から御説明させていただきます。
支援に当たりましては、避難民の方々のニーズを聞き取った上で必要な就労支援や教育支援を実施していくほか、必要に応じて生活相談員やカウンセラーを手配し、母親や子供にも配慮した心のケアに努めております。
文化や風習の異なる我が国での生活に少なからず不安を抱えていらっしゃる避難民の方々に寄り添った支援を実施できるよう、関係省庁と連携してしっかりと対応していきたいと存じます。
○政府参考人(小林万里子君) お答え申し上げます。
ウクライナからの避難民への日本語教育支援につきましては、出入国在留管理庁が行う支援の中で、日本語教育の実績を有する団体等の協力も得ながら、避難民の方々のニーズを踏まえた日本語教育を提供することとしております。
また、文化庁におきましては、入国前の外国人留学生のオンラインの日本語教育を目的としたウイズコロナにおけるオンライン日本語教育実証事業におきまして、多くの日本語教育機関が行う授業の中でウクライナ避難民の方も参加していただくなど、既存予算を工夫した運用を図ってまいります。
また、学校での受入れに当たりましては、自治体における日本語指導補助者等の外部人材の配置などに対する補助事業や、安心して学校生活を送るための環境づくりに必要な情報等をまとめた外国人児童生徒受入れの手引の作成、周知等を行うなど、これまでも行っているところでございます。
また、特に給食への配慮につきましては、学校給食実施基準におきまして個々の児童生徒等への配慮をするものと定めており、各学校現場で適切な対応をしていただいているところでございます。
さらに、ウクライナ避難民につきましても、文部科学省から関係機関に対して、ウクライナ避難民の子供に対する必要なきめ細かい配慮をしていただけるよう、指導上の留意事項や指導に活用できる参考情報を周知して、自治体の支援に努めてまいります。
○高橋光男君 続きまして、在留資格に関してなんですけど、先ほど特定活動の話をさせていただきましたが、是非、早期にそういう切替えがウクライナの避難民の方々にしていただくことが必要だと思います。
家庭、家族の呼び寄せを希望される場合にどのように対応されるのか、このことも大変柔軟に認めていただくこと大事でございまして、実務上も、たとえ渡航書類の不備があっても迅速に渡航証明書などを付与していただくとともに、到着後は適切な在留資格を提供していただきたいと思います。
そして、これらの扱いについては、他の避難民に対しても平等に対応すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。
ウクライナから我が国に避難してきた方々につきましては、人道的な観点から、幅広くかつ柔軟に受け入れ、安心できる避難生活の場を提供すべく取り組んでいるところでございます。
具体的には、ウクライナから我が国に避難してきた方々には、その希望等に応じ、特定活動一年での在留を認め、ウクライナ情勢が改善していないと認められる間は、申請があれば在留期間の更新を認めることとしております。ウクライナ等にいらっしゃる御家族を避難させるために呼び寄せたい方に対しましては、外国人在留支援センターにおきまして適切な情報提供に努めているところでございます。また、日本に渡航するために査証申請を行う方が自己の責任に帰さない理由により有効な旅券を所持されていない場合には、在外公館において渡航証明書を発行することが可能と承知しております。
ウクライナ以外の国から避難してきた方々につきましては、ウクライナの方々への対応と一概に比較することは困難な面はございますが、本国情勢等を踏まえ、個々の置かれた状況等にも配慮しながら、政府全体として適宜適切に対応してまいりたいと存じます。
○高橋光男君 一概に比較できないという御指摘ですけれども、状況というのは大変厳しいものがあることは同じなんですね。
例えばアフガニスタンについても、今、実質的にやっぱり現地の政府に対し、例えば渡航に必要な旅券発給をしていただけないという状況の中で、例えば第三国において渡航証明書を出していただけるような対応、こうしたものも大変大事だというふうに思いますので、是非ウクライナ避難民の方々と同等の扱いを他の避難民の方々にもしていただきたいということをお願いいたします。
そろそろ時間が参りましたので、最後、要望にとどめたいと思いますけれども、これから様々ニーズというものが出てくるかと思います。ウクライナ避難民の方は女性や子供が多いという、そうした特性がございます。そうしたニーズにしっかりとお応えしていかないといけない。どのような課題があるのかということを是非国としてフォローしていただきたいと思うんですね。
国は身寄りのない方々に対する支援というのが中心です。そして、自治体は身寄りのある方々にも支援をしている。ほかにも企業、団体に御協力いただいているところでございますから、しっかりそうしたものを全体的に掌握をして、そして、もし現場において必要な更なる支援があるならば是非国としても支援を更にしていただく、こうしたことが重要であるということを強調したいと思います。
そして、私ども公明党は、先週、ウクライナ避難民支援対策本部を立ち上げました。これからも国と地方のネットワーク力を発揮して、避難民の方々に寄り添ったきめ細やかな支援が実現するよう全力を尽くしてまいることをお約束して、私の質疑を終わります。
ありがとうございました。