2022.05.17

国会議事録

令和4年5月17日 外交防衛委員会

○高橋光男君 おはようございます。公明党の高橋光男です。よろしくお願いします。
 質問順を変えまして、本日は改めて水際対策について磯崎官房副長官にお伺いいたします。お忙しいところ、ありがとうございます。
 本件につきましては、約一か月前に質問をさせていただきました。その後、さきの総理外遊の際に、六月には他のG7諸国並みに水際対策を更に緩和していく旨表明されたと承知します。我が国としてどのように緩和していく方針か、最新の検討状況とともに御答弁お願いします。
○内閣官房副長官(磯崎仁彦君) お答えさせていただきたいと思います。
 水際対策につきましては、感染拡大の防止、これと、社会経済活動のバランス、これを取りながら、これまでも対象者あるいはその入国総数の上限、こういったものについて段階的に緩和を進めてきているところでございます。
 お尋ねの六月以降の水際対策の具体的な在り方についてでございますけれども、対象者であるとかあるいはその検査の在り方であるとか、こういったことを含めまして引き続き検討中ではございますけれども、今委員から御指摘ありましたように、総理が英国にて述べましたとおり、連休後の感染状況をしっかりと見極めた上で、G7諸国並みに円滑な入国が可能となるように、今、水際措置を見直していく考え方でございます。
 引き続き、検疫の体制あるいはその防疫措置の実施状況等を勘案をしながら、新型コロナの内外の感染状況あるいは主要国の水際対策の状況等を踏まえながら適切に判断をさせていただきたいというふうに考えております。
○高橋光男君 国内の感染状況、検疫体制、防疫措置の実施状況、また主要国の水際対策の状況などを踏まえて適切に判断される方針については理解いたします。
 私は、先月十九日の質疑で、国際カップルの外国人パートナーの入国緩和を求めました。これに対し政府は、人道上配慮すべき事情があると認められる外国人が円滑に入国することができるよう丁寧に対応するとして、適切な周知、広報も行うと答弁されました。その後、具体的にどう対応されてきたのか、お答えください。
○内閣官房副長官(磯崎仁彦君) 政府といたしましては、この特別の事情があるということを判断をするその一つとして、委員御指摘がございました人道上の配慮の必要がある場合、これを判断をしているわけでございますけれども、このコロナ禍での水際対策の下におきましても、個別の事案ごとに配慮すべき事情を丁寧に酌み取りながら、今申し上げました人道上配慮すべき事情がある方につきましては新規の入国を認めてきたところでございます。
 委員御指摘のような事例も含めまして、やはり個別的な対応というのが必要でございますので、個別の問合せがあった際には入国が認められる例あるいはその手続、必要書類等につきまして丁寧に説明を行っているところでございます。
 個別の事案ごとの判断というふうになりますので、一般化をしまして、例えばホームページ上にこういう場合には認められるということをお示しするのはなかなか難しい面がございまして、今後とも個別の問合せに対してしっかりと説明することを通じまして関係者に周知、広報されるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○高橋光男君 個別の事情に合わせて丁寧に対応される、もちろんそれはそれで大変重要なことだと思いますし、引き続きやっていただきたいと思いますが、私が昨日確認したところ、政府全体で適切に周知、広報を行うという面につきましては、先月の質疑以降、何も実は更新されてもいませんし、公表もされていないというのが実態でございまして、そうした状況の中で、引き続き大変不安に思われている方々がたくさんいらっしゃるということを是非お知りおきいただきたいと思います。
 今日お配りした資料一を御覧いただければと思います。これ、G7諸国の水際対策をまとめたものでございます。小さい字で恐縮でございますが、既に英国は全ての水際対策を撤廃、他国もワクチン接種をしていれば入国理由や事情を問われることはございません。一方、我が国は、記載のように、特段の事情の有無を前提とした極めて厳しい措置を続けています。
 そこで、G7諸国並みというのであれば、本日は是非、親族、知人に関して明確にさせていただきたいことがあります。六月以降、観光客を受け入れるのであれば、親族に加え、国際カップルのような知人の入国も審査や制限をすべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
○内閣官房副長官(磯崎仁彦君) お答えをさせていただきたいと思います。
 先ほども申し上げましたように、今の我が国の水際対策、これは基本的には外国人の入国につきましては禁止をしていくという、これがベースに立っております。ただ、その中で、やはり特段の事情がある者につきましては入国を認めていく、こういう仕組みでございまして、三月からはこの特段の事由ということに、事情ということにつきまして広く拡大をして、例えばビジネスの客の方であるとか、あるいは留学生等々につきましては、いわゆるERFS、ここに受入れ責任者、こういったものを登録をするということによってかなり対象者を拡大をしてきたというのがこれまでの経緯、これはもう御承知のとおりかと思います。その中で、その他人道上の配慮が必要である場合につきましても、先ほど申し上げましたように、個別の判断をさせていただいて入国を認める、こういったところになっているわけでございます。
 先ほど来申し上げておりますとおり、やはりこの水際対策につきましては、感染拡大の防止、これと社会経済活動のバランスを取ること、これがやはり必要だということで、繰り返しになりますけれども、段階的な緩和を進めてきているということでございますので、今後とも、個別の事案ごとに配慮する事情、これを丁寧に酌み取りながら、人道上配慮すべき事情がある者につきましては適切に新規入国を認めていく、そういう判断をしてまいりたいというふうに考えております。
○高橋光男君 私が親族、知人への制約を撤廃すべきと申し上げるのは、具体的な根拠があるんです。
 資料二を御覧ください。
 現状、一日当たりの平均入国者数というものは一万人でございますけれども、これ上限に達していません。特に平日などは余裕がございます。
 続きまして、コロナ前の水準に仮に戻ったとしても、この上限内に十分吸収できる規模であるということです。確認しましたところ、コロナ前の二〇一九年の親族訪問による短期滞在者は、一日当たり平均約千五百人でした。現在の入国者数は上限措置によってピーク時の十分の一程度でございますから、それに照らせば一日百五十人程度となります。今後、仮に上限が二万人となるのであれば微々たる割合であります。
 さらに、既に二年以上も入国できていない方々もいるという人道的な背景を無視して観光客の方が優先されるようなことになれば、当事者に更なる失望を招くだけでなくて、我が国の評価を一層低下させかねないことを深く懸念いたします。
 こうした理由から、親族、知人に対して現在のような特段の事情、例えば国際カップルについては本邦で婚姻手続を行うことなど、事情を厳格に問う審査を続ける必要性はないと言わざるを得ないと私は考えます。むしろ、親族や知人、そして国際カップルは同性のカップルも含めて原則として入国を認めていくべきではありませんか。お答え願います。
○内閣官房副長官(磯崎仁彦君) 委員から御指摘がございました。これにつきましては、これまでも、今申し上げましたとおり、この人道上の配慮の必要がある場合という、これに該当するかどうかという判断をさせていただいておりましたので、これまでの状況を踏まえて適切に判断をさせていただきたいというふうに考えております。
○高橋光男君 いずれにしましても、現状のこの水際対策は、審査や検査を伴う当局の負担も大変なんですね。長期間待機を求められる空港検疫も入国者には大変な負担となっており、持続可能ではないと考えます。
 外務省を始め関係当局の職員や航空会社職員など、御協力いただいている方々の現場の御尽力に改めて感謝を申し上げたいと思いますが、私、前回質問以降、関係省庁の皆さんにお聞きしました。水際対策の緩和に反対ですかというふうにお聞きしました。どこも反対していないんですね。つまり、これは、私は政治の判断次第だというふうに考えます。
 そして、この政治というのは、私は苦しむ方々に寄り添う責任があると考えています。十分な説明もなくて愛する相手の間を引き裂かれていた方々、これはもう日本人の方々の問題でございまして、だからこそ政府には今こそ柔軟な対応を示して説明責任を果たしていただきたいと思います。
 現在、メディアは観光客の再開しか注目していません。それ自体大変大事なことではございますけれども、そうした議論をするのであれば、まずは国際カップルを含む親族、知人の入国もきちんと整理をして緩和をしていくべきではないでしょうか。そうした方々が、現在入国が認められている留学生、ビジネス関係者等と公平、公正な形で円滑な入国を認めていくべきことは我が国の未来に関わる一大事であるということを強く申し上げまして、私の質疑を終わりたいと思います。
 本日はありがとうございました。

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