2022.11.15

国会議事録

令和4年11月15日 国土交通委員会

○高橋光男君 おはようございます。公明党の高橋光男です。
 離島振興法改正法に関して質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 本法、法案は昭和二十八年制定から十年ごとに改正されてきた議員立法です。法案提出者である衆議院の諸先生方の御尽力に改めまして敬意を表したいと思います。
 本日は、今後十年の運用の観点から国交省に対し質問をさせていただきます。
 公明党は、これまで一貫して、離島住民の声に耳を傾け離島振興を推進してまいりました。例えば、前回の改正時には、定住促進や産業活性化に活用できる離島活性化交付金や規制緩和などの特例を設ける離島特区の創設を実現しました。その後も国会議員と地方議員が連携をして、離島の実情把握と課題対応に努めてまいりました。
 私も党の離島振興対策本部に所属し、昨年十一月には地元兵庫の家島諸島を訪問、その結果も踏まえ、今年二月には、離島の魅力を生かし、多岐にわたる課題克服に向けた具体策を示す新たな離島振興ビジョン二〇二二、こちらにございますけれども、これを策定し、国に提出をさせていただきました。今回の改正法案は我々のビジョンを踏まえた内容となっており、賛成であり、その実現に向けて全力で取り組んでまいる所存でございます。
 そこで、まず斉藤大臣にお伺いします。
 今回の改正案では、医師の確保など医療の充実を始めとする新たな特別な配慮規定が設けられるとともに、都道府県による離島市町村の支援の努力義務が盛り込まれました。本改正法案に基づく施策の実施には、離島関係自治体への財政的支援が不可欠と考えます。
 その中で、我が党ビジョンでも求めましたとおり、国交省が一括計上しています離島に係る関係省庁の公共事業予算や離島活性化交付金等を十分確保することが不可欠と考えますが、国としてどう取り組む考えか、御所見をお伺いします。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 離島振興関係の公共事業は国土交通省において一括計上しており、令和五年度概算要求においては、治山治水、道路、港湾、空港、農林水産基盤の整備等に対し、老朽化対策などに必要な予算として約四百四十一億円を要求しております。また、定住促進等に向けた支援である離島活性化交付金については、今回の法改正も見据えながら、遠隔医療や遠隔教育、企業誘致の促進、小規模離島の支援などにも対応できるようメニューの拡充を検討しているところです。
 国土交通省としましては、各自治体の御要望や進捗状況を十分に踏まえ、関係省庁とも連携して、離島振興に必要な予算の確保や支援の拡充に努めてまいります。
○高橋光男君 是非、多様な課題がございますので、予算の着実な増額をお願い申し上げます。
 同時に、御指摘の公共事業に関しましては、我が党のビジョンにおきましても、施設整備における基準単価と実勢価格との乖離の解消、また、特に離島に配慮した単価設定を求めさせていただいています。
 とりわけ昨今の資材高騰等を直撃しているのは私は離島だというふうに思っておりまして、国としてその実態を把握するとともに、関係自治体に対し適切な助言を行うとともに、必要に応じて是正措置を講じていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(木村実君) お答えいたします。
 国土交通省では、離島を有する団体も含めまして、全ての地方公共団体に対して、最新の実勢を適切に反映した単価設定、地域の実情と乖離がある場合の対応について要請をしております。
 また、昨今の資材価格の変動を踏まえまして、地方公共団体における単価設定についてその更新状況等の実態の把握を行っているところです。
 今後、実態把握の状況等を踏まえまして、適正な予定価格の設定が図られるよう、地方公共団体に対してしっかりと働きかけてまいりたいと考えております。
○高橋光男君 是非、地域の実情、離島における実情を丁寧に自治体に確認するとともに、そうした乖離がある場合には適正に対応していただくように、国からの働きかけ、大変重要だというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 恐らく最後の質問になるかもしれませんが、ジェットフォイルの関連支援につきまして最後お伺いしてまいりたいと思います。
 ジェットフォイルというのは、聞き慣れない言葉だと思いますけれども、高速度で安定的に航行することができる船舶のことをいいます。
 お配りした資料一を御覧ください。
 これ、現在国内に十八隻ございますけれども、平均船齢は三十三歳と老朽化が進んでおり、その支援は喫緊の課題です。
 公明党としましても、先般、秋野公造議員、現財務副大臣が対馬を訪問した際に、ジェットフォイルによる航路維持を希望している実例を挙げまして、公明党として政府関係者と協議をした結果、今回、この改正法案の交通の確保等と定める第十二条というのがあるんですけれども、ここの規定が改定されまして、新たに特別の配慮をすべき事項として、離島航路に供される船舶であって高速度で安定的に航行することができるものその他の船舶の新造及び更新に対する支援が盛り込まれました。
 この点、支援制度としましては、資料二にございますように、船舶共有建造制度というものがございますけれども、これは御覧のとおり、あくまで貸付けであり、融資でございます。一隻当たりこれ五十億円以上掛かるものでございますけれども、その三割といっても、事業者や自治体にとっては大きな負担となります。
 ジェットフォイルの寿命は四十年と言われておりまして、今平均が三十三年でございますので、いつ使えなくなってもおかしくないものもございます。国内唯一のメーカーからは、一年で最大一隻しか建造はできませんということ、また、製造計画の見通しもない中で、技術者やサプライヤーの維持には限界があるというようなお声もいただいているところでございますので、計画的に更新できるようにしなければ十年後にはほとんどなくなってしまうことを強く懸念いたします。
 ジェットフォイルは、離島住民や観光客にとっての利便性のみならず、災害避難や医療など緊急時における重要な役割がございます。是非、こうした緊急性や必要性を踏まえて、国として主体的に事業者、自治体、メーカーとも緊密に連携をしていただき、本法改正期間である十年で計画的、積極的な支援を行い、ジェットフォイルの新造や更新を通じて離島振興の新たな可能性を広げていくために貢献すべきと考えますが、御答弁をお願いします。
○政府参考人(高橋一郎君) お答えを申し上げます。
 委員御指摘のとおり、ジェットフォイルは高速性や乗り心地、就航率に優れ、住民の生活や地域経済の活性化に大変重要な役割を果たしております。また、御指摘のとおり、現在国内で就航するジェットフォイルの平均年齢は三十年を超えておりまして、リプレースの必要性が高まっていると認識してございます。
 国土交通省といたしましては、長期低利融資のみならず、計画段階から共有期間満了まで十五年間の長期にわたり、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が事業者とともに船主となり責任を持って技術サポートを行う船舶共有建造制度により建造資金の支援を行っておるところでございますが、今回の離島振興法改正案の御趣旨を踏まえまして、今後のジェットフォイルの新造や代替につきましては、新型コロナウイルスの影響等により厳しい経営状況にあります旅客船事業者の現状を常に丁寧に把握、あっ、確認しつつ、御指摘のように、当該事業者や関係自治体の意向を積極的に把握しますとともに、製造事業者とも緊密に連携をいたしまして、全体として円滑かつ効率的にジェットフォイルの新造、代替が進むよう努めてまいりたいと存じております。
○高橋光男君 ありがとうございます。
 是非、国が主体的に関与していくこと、そして積極的に支援していくことは大変重要だというふうに思います。
 この点、航空機等につきましては、離島につきましてはこの購入費補助というものがございまして、実は、四五%の費用をこれ支援する、そうした仕組みがございます。一方で、船舶にはない、ジェットフォイルにはそうした補助制度はございません。
 しかしながら、この十年の緊急性を考えたときに、是非国として今の制度のままでいいのかということを真剣に考えていただき、必要な支援を継続していただきますよう心からお願い申し上げまして、私の質疑とさせていただきます。
 本日はありがとうございました。

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