2024.12.24

本会議

令和6年12月24日 本会議

○高橋光男君 公明党の高橋光男です。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました政治資金に関する三法案に対し、賛成の立場から討論を行います。
 民主主義の土台は政治への信頼です。政治への信頼なくして、いかなる政策も国民の支持を得ることはできません。そのためには、腐敗と敢然と闘う清潔な政党の存在が不可欠です。
 結党六十年を迎えた公明党は、その綱領において、「腐敗政治と戦って、公明なる議会制民主政治を確立することを誓う」とうたい、政界浄化を結成時からの旗印としてまいりました。これまで、国会、地方議会において汚職や不祥事の一掃へ総力を挙げ、政界浄化の公明党の役割を果たしてまいりました。
 昨年、自民党派閥の政治資金問題をきっかけに政治不信を招いて以来、公明党は、国民の皆様の政治への信頼を取り戻せるよう果敢に挑戦してまいりました。今年一月には、再発防止に向け、どの政党よりも早く公明党政治改革ビジョンを発表。さきの通常国会では、公民権停止に結び付くいわゆる連座制の強化や、政治資金パーティー券購入者公開基準額の五万円超への引下げについて、岸田前総理の決断を促して結論を導くなど、政治改革ビジョンの内容を全面的に反映する形で政治資金規正法の改正を実現いたしました。
 もとより、政治改革に与党も野党もございません。衆議院において、各党各会派の立場が大きく隔たりがあった中で、真摯な協議を通じ、従来の与党、野党という概念にとらわれない形で合意形成がなされたことに敬意を表します。
 その中で、国民民主党、公明党によって共同提出したのが政治資金監視委員会等設置法案です。通常国会閉会後、公明党は、改正政治資金規正法の実施推進プロジェクトチームを立ち上げ、第三者機関設置に向けた党内議論を加速。有識者の皆様からのヒアリングも精力的に実施し、十月四日には中間取りまとめを公表、そして、十一月十五日には法案の要綱として取りまとめてまいりました。
 当初、公明党の案では、総務省に設置されている政治資金適正化委員会を改組して、独立性の高い三条委員会として行政に第三者機関を置くこととしておりましたが、国民民主党との共同提出の本法案では国会に置くこととしました。
 この点について、本院特別委員会の審議において、第三者機関を行政ではなく国会に置く場合は行政の政治介入をできる限り避けられるというメリットがあること、一方で、国会に置いた場合には立入調査などの権限を行わせることは困難とのデメリットについても、衆議院予算委員会において、我が党議員の質問に対し石破総理が、調査は国会の下に置いても可能であり、その淵源は国政調査権と考えている旨の答弁があったことから、第三者機関を国会に置く場合も、公明党が求めていた調査、是正、公表の機能を持たせることができることが確認されました。
 他方、本法案はプログラム法であり、政治資金監視委員会の権限に加え、委員の構成や人選の仕方などについて詳細な制度設計を行う必要があります。この第三者機関の設置は一連の政治改革の急所であり、今後早期に政治資金監視委員会設置法を成立させなければなりません。公明党は、各党各会派との協議を重ねながら、より精緻で具体的な検討を行った上で、次期通常国会での成立に向けて尽力してまいります。
 次に、自由民主党提出の政治資金規正法等の一部を改正する法律案については、公明党も、政治改革ビジョンにおいて、その必要性を提案してきた収支報告書のオンライン提出の義務化や検索も可能とするデータベースの構築が明記されています。公明党は、政治資金の更なる透明性の確保のため、例えば領収書を電子化して生成AIに監視させるなど、デジタル化による情報公開を求めていく考えです。
 そして、野党六会派によって共同提出された政策活動費の廃止法案については、九月三十日の自公連立政権合意の場で我が党から自民党に対して提案してきたものです。さきの衆院選の重点政策にも掲げ、そして、十一月十五日に我が党が発表した政治資金規正法改正案の要綱案で示した内容とも合致をしているため、賛成すべきものと考えます。
 これら三法案の成立をもって、本年六月の政治資金規正法改正と併せて政治改革の土台がしっかりと築かれることになります。建設工事に例えるならば、基礎工事を終える段階になると言えます。明年以降は、この土台の上に、議員の責任、罰則強化のための具体的な制度設計、政治資金監視委員会の設置、収支報告書に係るデータベースの構築など、建築物が造られていくこととなります。
 一度失われた信頼を取り戻すことは容易ではありません。ゆえに、これら三法案が可決、成立を見たならば、立法府の一人一人が決められたルールを守っていくことが何より重要です。政治改革は政治家改革から進めていかなければなりません。我々公明党は、引き続き、清潔な政治の再建、そして不正を絶対に許さない政治の実現に向けて、これからも不断に挑戦をしてまいります。そして、生活者の側に立った温かい政治の実現を目指し、必ずや国民の皆様にお応えすることをお約束し、私の賛成討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。

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