2025.04.07
国会議事録
令和7年4月7日 決算委員会
○高橋光男君 公明党の高橋光男です。
決算委員会での質疑の機会をいただき、ありがとうございます。
本日は、まず、命の源、食の観点から物価高対策を数点お伺いしてまいりたいと思います。
まず、私が農水政務官時代に提案をさせていただき、政府に実現していただきました政府備蓄米の活用に関しまして、二度の入札が終わりました。今月から全国で販売が本格化しています。しかし、地元ではまだまだ備蓄米が出回っている感じがしない、既に米が品切れになっている店舗もあると聞いております。今起きていることを御説明したいと思います。
パネル一を御覧ください。(資料提示)
これは、農水省が今回行った米の在庫調査でございます。左側を御覧ください。生産者から集荷業者に提供されるべきお米が対前年比で三十一万トンも減っています。一方で、集荷業者以外に販売されている量が四十四万トンも増加しています。この相当量が従来の流通ルートに乗っていない、すなわち目詰まりしていることが分かりました。
では、価格はどうでしょうか。その動向は予断はできませんけれども、今後備蓄米が一気に販売に回れば、早々に売り切れになり、夏にかけて品薄、価格高騰を招くことが懸念されます。
その中で、少なくとも、私は、この図にもございますように、集荷業者が集荷できなかった不足分、すなわち三十一万トンから今まで備蓄米として提供した二十一万トンを差し引いた十万トン規模以上は、私は直ちに追加で放出していただいて早くこの目詰まりを解消すべきと考えますが、江藤大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) お答えをさせていただきます。
大変早い段階から備蓄米について御見識をいただきまして、ありがとうございます。
まずは、この二十一万トンを出しましたが、これは一月三十一日の状況に対応したものでありまして、この三十一万トンと書いてあるのは、これは三月三十一日の状況でありますので、状況は更に変化しているということであります。
おっしゃるとおり、この十万トンを出すということも一つの考え方かもしれません。しかし、大事なことは、備蓄米だけが集荷業者から卸から小売にわたって、それだけが売れて、結局流通のところでスタックしている部分、それはそのまま残ってしまうということでは全体の流通が改善したということにはなりません。
そして、備蓄米の本来の趣旨、やはり、国民が、凶作であったり連続する不作であったり、そういったときに米の供給が途絶えないようにする、その趣旨も忘れてはいけない。ですから、基本的には備蓄米を出すということについては自制的であるべきだと思いますが、しかし必要であればやらなければならないと思っております。
今後は、売渡先には隔週ごとに報告今求めています。価格まで報告を求めています。その報告の結果をしっかり分析しなければなりません。ですから、今後は、この流通がスタックしている、それが直っていない、そして、スタックに加えて、やはり市場というものは、数字だけではなくて、いわゆるその心理、市場の価格形成に関わっている人たちの心理状況によって変わりますので、どのような姿勢を示せばこの人たちが、今度、出来秋までに出さないと古米になっちゃうわけですから、それまでに出そうという気持ちになっていただくにはどうすればいいのか、ちゃんと考えていきたいと思っております。
○高橋光男君 私も、夏の端境期に品切れにしないようにする、このことが非常に大事だというふうに思います。それが昨年起きたあの米騒動を避けることになりますので、是非政府には一日も早く国民生活のための米の供給と価格の安定を図っていただくようお願いします。
続きまして、総理にお尋ねしたいと思います。
備蓄米の活用は、あくまで私は、一時しのぎの対策でしかなく、備蓄も備蓄としてやはり重要であります。したがいまして、来年に向けた主食用米の増産が不可欠だと考えます。東日本を中心に十九の道県が今年産の作付面積を増やす意向を示されておりますけれども、私は、例えば、改めてJA、全農等とも連携をした増産キャラバン、また、あるいは大規模な生産法人にも御協力をいただいて、是非増産に向けて御協力を仰ぐべきだというふうに思います。
また、飼料用米、また加工用米から主食用米への転換も鍵になると思います。取組面積、これ柔軟に見直しのできるようにしていただきましたけれども、やはり転作するには不安は付きまといます。価格を見通せないと農家は動けません。そこで、安心して作付けに踏み切れるように、概算金が提示される夏までに、今国会で審議予定のこの適正な価格形成に関する法案成立と併せて、政府として、先般予算委員会で私提案させていただきましたように、持続可能な価格の基準、価格の在り方というものを示していくべきではないかというふうに考えます。
こうした取組によりまして、国が先頭に立って、私は五十万トン規模の増産を図って米の安定供給を図るべきと考えますが、総理の見解をお伺いします。
○内閣総理大臣(石破茂君) 御提案を踏まえて、政府部内でよく検討し、実行に移してまいりたいと思っております。
これは私、森内閣で農林水産副大臣をやっておったときからずっと考えておることなのですけれども、今回の、令和の米騒動と仮に言うとするならば、それ、やはり米が足りないということも可能性として考えられるのではないかということでございます、あくまで可能性というふうに申し上げますが。
世界の中で、これは委員の方がはるかに御案内かと思いますが、農地を減らして農業生産を減らしている、主に特に穀物、これは世界広しといえども日本ぐらいのものであって、これは本当にこれから先もいいのだろうか。もちろん農業団体の御理解、生産者の御理解は必要ですが、米の生産を増やしていくということはもっと積極的に、消費の拡大とセットでございますが、考えてみるべきではないか。そこにおいて、生産性を上げるあるいは輸出をするということは自給率にプラスに働くわけでございますから、輸出をするあるいは生産性を上げるという努力をされた農業者の方々については価格下落分についての支援を行うということもそれは考えてしかるべきではないか。
どういう方々の再生産を可能にするのか。なべて生産者の皆様方の再生産可能ということになりますと、それは産業政策としていかがなものかという議論はございます。努力された方々に対して国民の税金というものをどうやって使うことが最も国益に資するか。やはり、自給率三八%というのはかなり危機的だという認識は私はもっと強く持つべきだと思っております。
そういう観点から、委員の御指摘を踏まえて、農水省あるいは政府全体として考えてまいりますので、よろしくお願いを申し上げます。
○高橋光男君 ありがとうございます。是非、真摯な検討をお願いします。
一方で、米が買えない、食べたくても手が届かない、そうした方々への支援も重要であります。特に、一人親家庭など、フードバンクを頼る方が増えております。
昨年、私も政務官として、北海道、また地元兵庫県の関係者のお声を届け、備蓄米の提供を決めていただきました。子育て世帯は進学、進級時に一番お金がかさむんです、だから春休みに間に合って本当に有り難いと現場から喜びの声もいただいております。関係者の御尽力に心から敬意を表します。
しかし、あくまでこれ昨年度の措置として行ったものでございまして、一度きりでは困ると、これが現場の声であります。そこで、私は制度として恒久化すべきだと考えます。
今回の千トンという枠の検証も含めて、今後の国の対応につきまして、大臣の見解をお伺いします。
○国務大臣(江藤拓君) 今御指摘のとおり、令和六年から、子供食堂、宅食に加えまして、フードバンクに出すようにいたしました。六年度分としては、本年三月に八百二十三トンの交付決定をいたしまして、今、順次配送を行っております。
今後、年間の数量交付、それまでについてやっぱりしっかり、もう初年度、六年から始まっておりますので、様子をしっかり、状況を確認したいと思っております。一度出して次から切れるというのは非常にこれよくないと私自身は思っておりますので、状況をしっかり確認した上で検討を重ねてまいります。
○高橋光男君 ありがとうございます。
もう一つ、食の問題、この物価高に苦しんでいる現場が介護の現場であります。
光熱水費に加えまして、地元の施設では、給食を委託している業者からこう言われたそうです、四月から月百二十万、年間千五百万円上げさせてほしいと。とても応じられません。しかし、断れば食事の提供が滞るかもしれない。そうした板挟み状態に多くの施設が陥っています。もちろん、施設側に価格転嫁ができなければ、コスト増分は給食事業者が負担しなければなりません。
厚労大臣、こうした事態を把握されておりますでしょうか。早急に対策を打っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 昨今の物価高騰の状況を踏まえますと、介護事業者は大変厳しい経営状況にあるというふうに考えておりまして、介護事業者に対する支援は喫緊かつ重要な課題だというふうに認識をしております。
介護施設等への食材費用への支援につきましては、先般の補正予算で積み増しました重点支援地方交付金により行ってございまして、自治体に対しまして支援を確実に実施するよう依頼してございます。
○高橋光男君 今おっしゃったこの重点支援交付金なんですけれども、これ、令和五年度の補正の支援平均額、たかだか一人一日当たり二十三円しかありません。この場合、先ほど私が申し上げた施設では、年間で受けられる支援というのは三百万円しかなくて、千五百万円上げさせてほしいということですから、結局、千二百万円以上が赤字になってしまうわけですね。物価が更に上昇する可能性もございます。既に、現場では栄養士の方々が御尽力で相当の工夫をしていただいておりますけれども、限界に迫っております。このままでは利用者の健康維持にも関わります。
そこで、現行一日一人当たりの食費の基準費用額、これ今、千四百四十五円なんですけれども、これ、次期報酬改定を待たずに早急に三百円以上引き上げること、加えて、将来に向けては、賃金や物価の上昇に応じて見直せるスライド制の導入を検討すべきと考えます。福岡大臣、これらの現場の要望に是非前向きに検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 御指摘は重く受け止めさせていただきます。
重点支援地方交付金について申し上げましたが、まず、これが着実に各地域において行われるように働きかけていくということが大切だというふうに考えております。
その上で、関係団体等を通じて物価高騰の実態把握をしっかり進めますとともに、介護保険施設などにおける食費を含めた経営状況を把握するため、来月から介護事業者経営概況調査を行いまして、令和五年度及び令和六年度の状況を子細に把握した上で、秋頃に調査結果を取りまとめることとしてございまして、この結果も踏まえまして必要な対応を行っていきたいと思います。
○高橋光男君 是非スピード感持ってお願いいたします。
続いて、総理にお伺いします。
お弁当や社員食堂を通じた食事補助、これは今や多くの企業が取り組まれております。お弁当の場合、例えば一食四百円のお弁当に、半額以上ですね、すなわち従業員が例えば二百一円、会社側が百九十九円を負担すると。すると、大体、月に十七回まで、上限三千五百円が非課税扱いになる仕組みがございます。
しかしながら、この上限額なんですけれども、実は四十年間変わっていないままなんですね。一九八四年からでございます。これは、お弁当の値段、当然、今上がっております。補助回数は減ってしまって、結局、この支援の価値が実質的に下がっております。
食事で従業員の方々は生き生きと仕事ができる。企業にとっても、福利厚生、また生産性の向上への投資だと思っております。給食業者にとっても大事な需要だと思います。こうした現実を踏まえ、早急に限度額の引上げを行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 一九八四年というと、昭和五十九年のことですね。私、サラリーマンだったような記憶があります。社員食堂でした。よく覚えています。
だから、これ、四十年以上引き上げられていないということをどう考えるかということでございまして、議員の御提案を実現するとなると、当然、税収減ということに相なるわけでございますが、やっぱりおいしい社食で食べられるってすごくうれしいことなので、やっぱり幸福度というのがアップするということがございます。あるいは、今、社員食堂って外食産業がやっていらっしゃるのが多いので、外食産業の振興にも貢献するということになりますので、その点は積極的に考えていくべきだと思いますが、一方において、食事の手当がお金で出るところは給与課税ということになります。そういう方々もいらっしゃいます。
また、社員食堂のある企業というのは、どこでもあるわけではございません。私、当時、都市銀行と言っておりましたが、某銀行に勤めておりましたが、ちっちゃな支店というのは社員食堂がなかったというところもございまして、そういうところにおいて不公平が生じないか、現金で、金銭で手当が支給されている方々の不公平というものをどう解消するかという点も併せまして、済みません、少し検討させていただきたいと思います。御指摘ありがとうございます。
○高橋光男君 ありがとうございます。
これ、もし三千五百円が五千円になるとか、そんな一気に上がらなくても、それによって、例えば食事手当をやられているところもこちらの方の支援に変えようという、そういった企業も出てくるかもしれませんから、そうした意味合いもあると思いますし、今や社員食堂というのは、大企業のみならず、中小企業でも取り組まれているところもございますので、是非、公平性の観点大事だと思いますけれども、御検討よろしくお願いいたします。
続きまして、女性が輝く社会に向けたジェンダーギャップの解消の推進につきましてお伺いしてまいります。
誰もが自分らしく働き、生きられる社会へ、その鍵を握るのが女性の活躍だと思います。私の地元兵庫県豊岡市では、今朝も総理から言及いただきましたけれども、先進的な取組が進んでおります。私はちょうど四年前の決算委員会でこの取組を取り上げさせていただきまして、国として関心を持って注視していただくという御答弁をいただきまして、その後、全国の優良事例集にも掲載をしていただきました。本日はその成果を御紹介したいと思います。
パネルを御覧ください。
まず、豊岡では、女性のデジタル人材、これ直近四年間で三十三人誕生しております。四十六人が創業もしております。また、市独自の取組、ワークイノベーション会議というものでございますが、性別にとらわれない人材育成や人材の配置、また女性のエンパワーメントに取り組む事業所が、当初の十六から今や何と百二十二の事業所にまで拡大しております。ほかにも様々な取組が行われておりますけれども、成功の理由は、地域や商工会、そして学校などの関係者のトップ、特に男性のトップがコミットして、いわゆるコレクティブ、すなわち集合的、一体的なインパクトを生んでいるということが挙げられます。
こうした小さくともきらりと光る自治体の挑戦を国が後押しし、全国に広げていく、そのために、私は、是非、現場で伺ったお声につきまして三原大臣にお伺いしたいと思います。
まず、豊岡では、新たに起業をしようとする女性には独自の補助金も市単独でつくっていただいております。しかしながら、新地方創生推進交付金でも支援可能なんですね。しかしながら、豊岡では実績ゼロなんですね。連携ができておりません。したがいまして、是非、この起業に必要な経費の補助、また士業の方々、すなわち税理士、行政書士、中小企業診断士、社労士などの専門家による相談支援、そして子育てや介護などケアをしながら起業できるような支援を拡充していただきたいと思います。
第二に、豊岡では、まずはこの市内の女性起業者のネットワーク、これをまずつくっていくというお考えなんですけれども、私は、これからは自治体を超えて全国にそうした女性のネットワークをつくっていくことが大変大事だというふうに考えております。国として、男女共同参画機構、これつくられますけれども、是非それができるまでも霞が関のリソースをもう総動員していただいて後押しをしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(三原じゅん子君) 豊岡市のように積極的にジェンダーギャップ解消に向けて取り組んでいただくこと、大変有り難く思っております。
御指摘の女性活躍交付金では、起業のためのネットワーク構築や創業コーディネーターによる相談支援、起業セミナー、それらの取組と併せた託児スペースの設置など、自治体の取組を支援しておりまして、その先の地域課題に関する起業経費については新地方創生交付金の支援対象として、政府として各段階で自治体が行う起業・創業支援に係る取組を後押ししているところでございます。
また、女性活躍交付金は市町村単位の事業として実施可能であること、そしてまた、新地方創生交付金の創業支援事業につきましては都道府県単位で実施されているということを承知しております。この両交付金を相互に補完的に連携させる観点からは市町村単位での事業として実施することも重要であり、今後、新地方創生交付金につきましては市町村も対象とする方向で検討されるものと承知をしております。
加えて、委員の御指摘も踏まえまして、今後は、各交付金を所管する部局が連携して地方公共団体向けの説明会など開催するとともに、地域での事業者向けの周知、こうしたPRなどにおいても県と市などが連携してしっかり取り組むことを推進してまいりたいと考えております。
そして、御指摘いただきましたネットワークづくり、これ大変重要であると考えております。私自身も今各地に足を運びまして、地域で輝く女性起業家サロン、今各地で開催してネットワークづくり取り組んでおりますが、これは経済産業省におきましても、わたしの起業応援団というのを地域ブロック別に拡充をいたしまして、女性起業家の事業計画に対する助言ですとか、あるいは支援者とのマッチングに向けたプログラム等を実施していると承知をしております。
男女共同参画機構、これ設立するまでの間も、委員おっしゃるとおり、関係省庁と連携して、この女性起業家等のネットワーク形成、より一層進むように、しっかり内閣府としても取り組んでまいりたいと思っております。
○高橋光男君 ありがとうございます。
ちょっと時間がないので、これはもう要望にとどめますが、総理には、是非、御地元と近いこの豊岡の取組、もう御注目いただいているかというふうに思います。しかしながら、なかなか継続していくことというのは、これすぐには結果が出ないものですから難しいというお声もいただいておりまして、交付金がなくなってしまうとやめざるを得ないということですので、是非継続事業であっても支援をしていただきたいですし、また、女性活躍推進交付金は十億円しかありません。一方で、新地方創生推進交付金は当初、補正合わせたら三千億もございますから、しっかりこれ連携をさせて、よりインパクトのあるこの女性活躍推進の支援というものを、是非国が一体となって支援をしていただくことをよろしくお願いいたします。
続きまして、今朝もございましたトランプ関税の関係、また、我が国としてどのように外交を進めていくのかということにつきまして、私も質問させていただきたいと思います。
本当に社会に今深刻な不安を招いております。今朝も総理からありましたように、万全の国内対策を講じていただくよう重ねてお願いをいたします。
同時に、私は、グローバルな視点に立った対応が重要だと考えております。保護主義や自国第一主義の動きが今世界各地で勢いを増している中だからこそ、日本の立ち位置が問われていると考えます。今年は戦後八十年でもございます。私は、国内の課題への対応と責任ある平和国家としての世界への貢献、この両者を両立させていくことが日本の未来にとって不可欠だと考えております。
その必要性を示すために本日資料を用意しました。パネルを御覧いただければと思います。
これは、我が国のODA、そして国際協力の効果を示したものでございます。こちらにございますように、国連安保理での非常任理事国選挙、核兵器廃絶決議案などで加盟国全体の約三割を占めるアフリカ諸国からも多くの支持を得てきました。その背景には我が国の国際協力があったと考えております。
こうした政治的効果のみならず、我が国の協力は、例えばASEAN諸国との貿易額の増大、日本企業の海外展開にも着実につながっております。これらの経済的効果によりまして日・ASEAN間の自由貿易の促進につながっているわけでございますから、今のアメリカの保護主義に対しても大きな意義があると考えております。
総理、私は、今こそこのグローバルサウスを中心に、そういった地域への投資ともいうべき国際協力を拡大すべきときではないかというふうに考えております。一方で、物価高で苦しむ国民の皆様の理解がなければ、納得と共感の下での持続的な取組にはならないと考えております。したがいまして、決算検査報告書に記載されたような指摘案件については、是非繰り返さないように防止をしていただきたい。
一方で、夏にはTICAD9、第九回アフリカ開発会議も開催されます。私は、是非総理にお願いをさせていただきたいのが、人材育成、また学生・学術交流などの質の高い人的交流の促進であります。私は、是非、日・アフリカ間の中心的な協力として進めるべきと考えております。是非、総理自身が先頭に立って国内対策と国際協力、両立の必要性を国民に訴え続けて、我が国が国際社会の平和と繁栄の旗手として貢献していくべきと考えておりますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 今年開催されますTICAD9、これの重要性は御指摘のとおりでございます。横浜で開催されるわけでございますが、これはもう外務省のみならず、政府を挙げてこの成功に向けて努力をしたいと思っておりますので、是非とも外交経験の豊かな委員のお力、お知恵を借りたいというふうに考えております。
アフリカの国々、全部一緒だとは申しませんが、いろんな支援をしますときに、やっぱり旧宗主国というのに対して独特の思いがある、その全部がネガティブなものではありませんが。あるいは金融資本主義というのはいかがなものかと、国家資本主義というのはいかがなものかという意識がございます。
そのときに、日本の支援というものに対して、本当にポジティブに評価をしてもらえるという国が多いと承知をいたしております。これをこれから先もっと増やしていきたいと考えておりまして、なかなかまだアフリカに対する理解、私も含めてでございますが、理解が十分ではない。どの国に対して何をすれば一番効果的なのかということをよくよく検討して、よく言われます、魚をあげるんじゃなくて魚の捕り方を教えてあげるのが大事なんだということを言われますが、いかにしてそこの国の産業が自立的にこれから先回っていくかということに対しまして、日本として日本ならではの支援というものをしていきたいし、それはもう午前中の質疑で申し上げましたが、日本だって海外のいろんな支援で今日があるわけで、自分の国が成長し、成熟をしてきたら、もう後のことは知らぬわみたいなことがあってはならないと思っております。
そういうような考え方から、外務省を中心にODAというものを積極的に活用してまいりますし、TICAD9の成功に向けて政府として力を尽くしてまいりたいと思っております。
○高橋光男君 ありがとうございます。
アフリカの諸国も、今回のトランプ関税で一律一〇%掛けられているような国がたくさんございます。やはりそうした中で、更に経済状況が厳しくなっていく、そうした中で日本が何ができるのか、これがまさに私はTICADで問われるテーマだというふうに思いますので、是非日本らしい支援の展開をよろしくお願いいたします。
最後になると思いますが、地雷対策についてお伺いしたいと思います。
人道支援も、平和国家として我が国が果たさなければならない貢献だと考えます。その中で、悪魔の兵器と呼ばれる地雷、紛争の後も長く人の命と暮らしを奪い続けます。私も前職の外交官として最初に赴任させていただいたのはアフリカのアンゴラ、内戦二十七年間もやった国でありまして、まだ地雷が一千万個近く埋められている、そうした非人道性を目の当たりにしてきました。
是非、地雷のない世界の実現は人間の安全保障の観点から国際社会が一致して取り組むべき古くて新しい課題だと考えます。今年秋には日本でウクライナ地雷対策会議も主催をいたします。その後、対人地雷禁止条約締約国会議の議長国も務めます。
是非、日本には他の地雷汚染国の関係者も招いて、特に日本の探知、除去の技術や経験を共有する機会を提供することを提案をさせていただきたいと考えます。
また、ウクライナに対しては、義肢、義足支援、カウンターパート方式ということで、我が地元兵庫県も一生懸命取り組んでおります。是非、国としてもこうした自治体とも連携して対応していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) 委員は外務省御出身で、当時はODAを担当しておられたと承知をしております。ポルトガル語のエキスパートで、アンゴラでの経験もお話しいただきましたが、今後ともその御経験に基づく御指摘、御助言をよろしくお願いしたいと思います。
お尋ねのこのウクライナの地雷対策でございますが、完全停戦、そして公正で永続的な平和がまず実現されなければなりませんが、復旧復興のフェーズに入りますと、当然その支援の妨げとなる地雷を取り除いていかなければなりません。ここは、我が国がその知見を十分に発揮できる、強みを生かせる分野だと思っておりまして、御指摘のように、この秋にウクライナ地雷対策会議を我が国が主催をいたします。この会議での成果も踏まえて、我が国が議長を務める十二月の対人地雷禁止条約第二十二回締約国会議において地雷対策に関する国際的な機運を更に高めていきたいと思っております。
ウクライナに対しては、これまで地雷探知機、それから地雷除去機の供与ですとか、カンボジアとの三国間協力による使用訓練の実施といった支援を行ってきております。本年の一連の国際会議を通じても、こういった地雷対策を各国に共有して、我が国による取組の意義に関する理解を深めていきたいと思いますし、お地元の兵庫県の取組も大変意義のあるお取組だと思います。
様々、情報共有を行うなどして、対ウクライナ支援に当たっての連携を深めていきたいと考えております。
○委員長(片山さつき君) お時間が来ております。
○高橋光男君 終わります。ありがとうございました。