2026.04.01

政府開発援助及び国際協力・人道支援等に関する特別委員会

令和8年4月1日 ODA・国際協力等特別委員会

○高橋光男君 おはようございます。公明党の高橋光男でございます。
 本日は、政府開発援助、ODAの来年度予算の委嘱審査について質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 さて、平和国家日本の国際協力は、国内課題への対応とも両立させていかなければなりません。そして同時に、ODAには国民の理解と納得が不可欠であることを、私も国会の場で様々な機会を通じて申し上げてまいりました。実際に現場で実務に携わらせていただいた一人として、本日は、我が国を取り巻く今の国際情勢の下での外交方針並びにODAの意義、役割についてお尋ねしてまいります。
 まず最初に、法の支配を軸にした一貫性のある外交の重要性について大臣にお伺いいたします。
 今般の米国及びイスラエルによるイラン攻撃をめぐっては、力による現状変更をどう見るのかという点で日本外交の一貫性が厳しく問われていると思います。我が国はこれまで、法の支配に基づく国際秩序を重視し、自由で開かれたインド太平洋、いわゆるFOIPもその文脈で進めてまいりました。今日の委員会でも累次御指摘があったところです。
 にもかかわらず、主権国家に対する一方的な武力行使という、国際法違反が強く疑われる、およそ法の支配とは相入れない行為が米国、イスラエルによって断行されました。その一方で、先日の日米首脳会談では、この点が私は個人的には曖昧にされたまま、FOIPの下での協力推進が両首脳の間で確認されました。
 法の支配に基づくFOIPは、他の同志国とも共有する取組でございます。したがいまして、今回の対応はダブルスタンダードではないかというふうに受け止められかねないと思っております。
 そこで、大臣にお伺いいたします。我が国として、日米同盟は私は基軸として大事だと思いますけれども、この力による一方的な現状変更は許されないという立場を堅持しつつ、どのように一貫性のある外交を進めていくお考えなのかについて、御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(茂木敏充君) 我が国は、戦後一貫して平和国家としての道を歩み、国際社会の平和と安定、そして繁栄に取り組んでまいりました。また、従来から、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値、また原則というのを重視をしてきました。委員も外務省出身であられて、日本外交、安全保障の基軸が日米同盟にあるということはよくお分かりだと思います。
 そういった中で、同盟国であっても、完全に全てのところで最初から意見が合っているわけではなくて、そのすり合わせの中で方向性を一致させていくということは極めて重要だと思っておりまして、今回、発表から十年たちました自由で開かれたインド太平洋、これに対する両国のコミットメントを確認をしたということはやっぱり大きな私は成果だったと考えておりまして、決してダブルスタンダードということではなくて、それぞれの国がそれぞれの立場というのもある中で、その意見を調整しながら同じ方向を向いていく、これが現実的な外交ではないかなと私は考えております。
○高橋光男君 御答弁いただきました。
 ただ、その法の支配というのは本当に全ての私は基本だというふうに考えております。我が国外交の土台でもあり、平和を支える基本原則だというふうに考えておりますので、やはり相手によって使い分けるような、そうしたものであれば、やはり国際社会からも信頼を得られませんし、そして国民に対しても理解を得られないというようなことがあろうかというふうに思いますので、その辺りはやはり原則を曲げずに毅然たる外交を貫いていただきたいというふうに考えますので、よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、物価高が続く中でのこの国際協力を着実に進めるためには、国民の理解と納得が欠かせません。大臣、今日の所信でも、ODAのこの意義や成果につきまして国民の納得と共感を得られるようにこれまで以上に力を入れると述べられました。大切なのは、私は、この発信の量を増やしていくとかそういったことではなくて、やはり誰に何がどこまで伝わっているのかということをしっかりと確かめて次の改善につなげていくことだというふうに思います。
 政府として、どの層に何を重点的に伝えるのか、そういう件数ではなくて、この理解の広がりについてどのように把握をして改善していくお考えなのかについてお答え願います。
○国務大臣(茂木敏充君) 誰も答えないようなので、私の方から。
 公的資金を原資といたしますODAには国民の理解というものが不可欠だと、これは冒頭お話をしたとおりであります。ODAの意義であったりとか成果について、より多くの国民の皆さんの納得と共感を得られるように、これから、いろんな広報の仕方もあるんですが、SNS等を活用した幅広い広報、情報発信により一層丁寧に取り組んでいく必要がある、こんなふうに考えております。
 私自身も、年初の外国訪問の際には、フィリピンであったりとかインドのODAの現場、これを視察をして、それもSNSに、実際にこういったことをやって、現地の人と一緒にこういった事業をしながら、向こうからも感謝をされている、こういう映像も発信をさせていただきました。
 また、パレスチナの国づくりの支援の現場であります難民キャンプ、これについても、その難民キャンプ訪問したときは向こうの関係者だけだったんですけれど、その施設を見まして下に降りてきたら、付近の子供たちもう百人以上、これが取り囲んで日本の援助に感謝している、こういうシーンがありまして、それも急遽SNSに載せていただきましたら、一日で百万件以上ですよ。
 何というか、量より質とおっしゃられるかもしれませんけど、百万人の方が関心を持っていただけると、恐らく若い方も多いんだと思います。こういった方々にも関心を持ってもらうということは極めて重要なんじゃないかなと私は考えているところであります。
 そして、ODAの広報におきましては、ODAの目的、すなわちODAを通じて国際社会の平和と繁栄に貢献するということが資源の安定供給の確保にも直結をして、ひいては我が国の平和や安定、更なる発展といった国益につながることや、ODAを戦略的かつ効果的に活用して経済安全保障等の重要課題の解決にも資する、こういったこと、決してこのODAというのは他国だけのためにやるんではなくて、それは日本にもきちんといろんな意味で長期的には返ってくるものなんだ、日本にとっても必要なことなんだ、利益をもたらすことなんだ、こういったことをきちんと御理解いただけるような発信に更に努めていきたいと、こんなふうに思っています。
○高橋光男君 大臣御自身の言葉での答弁、ありがとうございます。しっかりリーダーシップを発揮していただいて、継続していただくことをお願いいたします。
 外務省が今年度、外交に関する国内世論調査というのを行いました。このODAのメリットとして何を挙げられたのか。それを見ると、資源や食料の安定的供給の確保、これ答えた方が五割を超えて最も多くなっております。
 では、実際にそうした支援をどう進めているのかということが問われるかというふうに思います。とりわけ、今回の中東情勢を受けて、原油等の資源を大きくその地域に依存する我が国にとって、今回の事態は国内の暮らし、また経済に大きな影響が及びます。したがいまして、この地域の国際協力は、この日本の暮らしと経済を守るという観点からも、より戦略的に進める必要があると思います。
 例えばイエメンでは、アデン港を始め主たる港で無償資金協力による港湾機能改善プロジェクトというものが行われておりまして、資材供与や職員研修などを通じて税関機能が向上し、船舶の安全な航行確保にも役立っていると承知いたします。
 そこでお伺いします。この日本の知見を生かしながら、是非この港湾などのインフラ、またソフト面での人材育成といったような戦略的な協力や投資を通じて、是非この我が国への資源の安定供給を一層図っていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○副大臣(国光あやの君) 高橋委員のお尋ねにお答えさせていただきます。
 委員御指摘のとおり、我が国は非常に今、資源安定供給、非常に重要な局面でもございます。中東においても、我が国では、原油輸入の九割以上を中東地域に依存しておりまして、中東地域からのエネルギーの安定供給は非常に我が国の経済活動の重要な点でございます。
 そのために、我が国といたしましては、かねてから中東地域には様々なODA等を活用しつつ取組を進めておりました。例えばイランのバスラ製油所、こちらはちょっと老朽化が指摘されていたところ、その製油所やまた関連の港の整備や改良も日本の高い技術を使ってODAで支援をさせていただきまして、また同地域からのエネルギーの安定供給につながるような支援も実施しております。
 さらに、産油国やまた産ガス国は所得水準が高い国も多うございますので、ODA以外の民間ベースの交流、ビジネスや人材育成も含めて長年実施されているように、外務省としても支援をしてまいっておったところであります。
 加えて、シーレーンの安定確保の観点からも、インド太平洋諸国に対していろんな取組しております。先ほどアデン湾の話もございましたが、例えばジブチにおいては海上の保安能力の向上や、また、カンボジアのシアヌークビルの港湾の整備というものも実施をしております。
 いずれにしましても、委員の御指摘、非常に重要だと受け止めておりまして、日本らしい顔が見える開発協力で各国と信頼関係を醸成し、エネルギーの、資源の安定供給、セキュリティーに努めてまいりたいと思っております。
○高橋光男君 ありがとうございます。
 特に私は、そうした経済的な支援もさることながらですが、このイランにつきましては、やはり、いずれ事態が鎮静化するということを見据えて、やはりその先の復旧復興支援についても我が国として積極的に貢献していくべきだと思います。
 先ほど大臣の所信でも、パレスチナにつきまして、この国づくりに貢献していくという御答弁がございました。是非、伝統的な友好国であるイランにつきまして、我が国に対する大きな期待もあろうかというふうに思いますので、この事態が鎮静することがまず第一でありますけれども、その先の復旧復興支援にも注力していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(今福孝男君) お答え申し上げます。
 今、国光副大臣からも御答弁ありましたとおり、中東の平和と安定、これは我が国のエネルギー安全保障の観点からも極めて重要でございます。一方、中東地域におきましては、目下のイラン情勢やパレスチナ情勢等、依然として大きな課題も存在しています。
 そのような中で、我が国はこれまで、中東各国との長年にわたる信頼関係、これを築くとともに、国際社会の責任ある一員として、ODAによる人道支援や復旧復興支援、人材育成などを通じて、中東地域の平和と安定のために様々な支援を実施してきております。
 我が国といたしましては、引き続き現地の状況や相手国のニーズを踏まえ、我が国の支援について検討していく考えでございます。その上で、今御指摘ありましたイランへの復旧復興支援につきましては、現在事態進行中でございますので、現時点で予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきますが、情勢を見極めつつ地域の安定に貢献したいと考えております。
○高橋光男君 ありがとうございます。
 続きまして、ウクライナ支援についてお伺いいたしたいと思います。
 特に地雷関係なんですけれども、昨年、ウクライナの地雷対策会議というものが我が国主導で開催がなされました。やはりこの地雷除去というのはあらゆる開発の前提となります。そうした中で、やはり民間の力もお借りしながら、また、私、地元兵庫では、自治体レベル、先方の州と、例えば義肢、義足の支援、またメンタルヘルスの支援、こうしたようなことも取り組んでおります。
 是非、こうした地雷除去を進めるとともに、併せてですが、このウクライナの基幹産業であるこの農業分野での支援、こうしたものも極めて重要だというふうに考えております。
 そこで、地雷対策支援の進捗と今後の具体策、あわせて、この農業分野における中長期的な支援の必要性につきまして、どのようにして進めていくのかについて外務省及び農水省からお答えいただければと思います。
○副大臣(国光あやの君) 御指摘のとおり、ウクライナの国土は、地雷が国土の四分の一、二五%が汚染を地雷によりされているということで、非常に、委員御指摘のとおり、ウクライナの復旧復興に向けては、地雷の除去、非常に重要でございます。
 そうした観点で、御指摘のように、我が国、昨年の十月にウクライナの地雷対策会議を主催をいたしまして、そのときにウクライナ地雷対策支援イニシアティブを表明をさせていただきました。これには三つの大きな柱がございます。一つは、人材育成と技術の強化です。二つ目に、地雷除去からの復旧や復興への円滑な移行です。三つ目に、第三国、これはカンボジアなど地雷除去の経験がある国などを含めた第三国や、また国際機関等とのパートナーシップの多角化、強化でございます。この三つの柱、しっかりと進めていく予定でございます。
 さらに、昨年十二月には、そのイニシアティブを踏まえまして、新たな無償資金協力、これは地雷除去の機械であるとか、またリハビリ用の医療機器などでございますが、そのような日本の技術を活用した資機材を供与することが決まりまして、今後渡す予定でございます。
 引き続き、しっかりと復旧復興、G7等々、国際社会と連携しまして取り組んでいく予定でございます。
○政府参考人(笹路健君) ウクライナの農業についてお答え申し上げます。
 ウクライナは、御承知のとおり、小麦やトウモロコシなどの穀物、あるいは食用油用のヒマワリ、こういったものの大産地でございます。食料・農業分野は今ウクライナのGDPの二割近くを占めておりまして、輸出、ウクライナからの輸出につきましても五割を超えているなど、委員御指摘のとおり、ウクライナにとって非常に食料・農業分野は基幹分野でありますし、極めて重要でございます。
 日本の農水省としましては、ウクライナの農業ですとか食産業の活性化に向けまして、我が国の民間企業による食あるいは農業復興に係る取組への参画を促進しております。
 具体的に申し上げますと、施設園芸ですとか食品加工などの分野で、ウクライナのビジネス展開に向けた民間企業、日本の民間企業のフィージビリティー調査を延べ十四件支援してございます。また、昨年の十月には、農水省の主催によりまして、民間企業七社をメンバーとしまして、官民ミッションを現地ウクライナに派遣しております、訪問しております。その折には、ウクライナ側の省庁あるいは企業との関係の強化を進めてきております。
 今後とも、しっかりこの分野進めていきたいと思いますし、関係者の横の連携を深めていきたいと思います。
 あと、今年の六月にはまた再度ミッションも派遣する予定でございまして、しっかりとウクライナの農業分野での復興に取り組んでまいりたいと思っております。
○高橋光男君 是非、官民一体となった取組が大事だということは先ほど大臣の所信でも述べられたところでございますので、政府一体となってそうした取組を進めていただくようにお願いしたいと思います。
 そして、最後の質問になろうかと思いますが、TICAD9を受けたこの支援の在り方についてお伺いしたいと思います。
 昨年のTICAD9に向けて、私も国会の場で、この人材育成とか、また学生・学術交流、こうしたものを日・アフリカ協力の中心に据えるべきだということを訴えさせていただきました。
 TICAD9では、今後三年間で三十万人の人材育成が表明されました。また、アフリカ拠点大学ネットワークといったような新しい取組も立ち上がりまして、三年間で十五万人の高度人材育成を目指していきます。
 しかし、大切なのは、人数だけではないと思っております。若者や学生、研究者、行政官、医療人材などが現地でどのような力となって自立につながっていくのかまで見なければならないというふうに思っております。これ、TICADの大きなオーナーシップといった理念ですね、この自立的な開発ということを進めていく必要があろうかというふうに思っております。
 一方で、昨年、残念なことに、TICAD9の後に、アフリカ・ホームタウン構想ということをめぐって一連の騒動がございました。日・アフリカ間のこの人的交流や人材育成への国民の信頼とか理解を回復し、深めていく中で進めていく必要があろうかというふうに思っております。
 是非、このTICAD9の成果文書である横浜宣言も踏まえまして、人づくりを中心にしながら、人間の安全保障の理念の下で、保健、教育、水、衛生などの基礎生活分野への支援も各国の自立につなげていく形で進めていくべきかというふうに考えます。
 こうした課題にどのように取り組んでいくかについて、外務省及びJICAの御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(茂木敏充君) アフリカ、我々の先祖でありますホモサピエンスの発生の地でもありますが、一方で非常に若い大陸であるということでありまして、若者や女性を含めました未来の成長の担い手となる人づくり、これはアフリカの持続的な経済成長を支援する観点から極めて重要であると考えております。
 こうした考えの下、委員の方からも御指摘いただきましたが、我が国は昨年八月のTICAD9におきまして、産業、健康、医療、そして教育、農業、司法、行政等の幅広い分野で、今後三年間で三十万人の人材育成、これを行っていく旨表明をいたしました。
 人材育成を行う、これはやっぱりそれらによってトレーニングを受けた人たちが、今度は自分でオーナーシップを持ってその国の様々な重要な役職において活躍して成長を牽引する、また国民生活の改善の中心になっていただくということが極めて重要なんだと、そんなふうに今考えております。
 また、基礎生活分野における支援というのもまだまだ重要だと考えておりまして、例えば保健分野において、日本の技術や知見を活用しながら、母子手帳の普及であったりとか感染症対策等の取組を後押ししてきているところであります。
 世界全体がコロナ経験したわけでありますけれど、こういった感染症というのは、何というか、例えば日本でなくなったにしても、どこかで残っていたら、それがまた全世界的な感染の拡大にもつながりかねないということでありまして、ノー・ワン・イズ・セーフ・アンティル・エブリワン・イズ・セーフという状態をつくり出すことがこの感染症の世界でも極めて重要なんではないかなと思っております。
 引き続き、横浜宣言を始めとしますTICAD9の成果やアフリカ各国のニーズを踏まえながら各取組進めるとともに、それぞれの成果についてもしっかりと、委員御指摘のようにフォローアップ、これを行っていきたいと考えております。
○参考人(安藤直樹君) お答え申し上げます。
 JICAは、TICAD9において日本政府から表明されました取組を着実に実施してまいる所存でございます。その中でも、委員御指摘のとおり、人材の育成は極めて大切な課題であるというふうに認識をしております。
 高等教育分野、高等人材分野においては、アフリカの複数の拠点大学と日本の大学の連携を通じて教育の質の向上を図る。これは、委員御指摘のとおり、数だけではなくて、きちんと質を高めるということに取り組んでまいります。
 拠点大学の一つでありますエジプト日本科学技術大学におきましては二〇一〇年から協力を行っておりますけれども、二〇二三年に発表されましたタイムズ・ハイアー・エデュケーション誌の大学ランキング、世界大学ランキングというものもありますが、エジプトで一位というものを獲得するというふうに、質も高めることを行っております。
○委員長(古川俊治君) 時間が来ておりますので、短く答弁をお願いいたします。
○参考人(安藤直樹君) はい。
 あと、基礎教育分野にいたしましては、ガーナ野口記念医学研究所でもしっかり協力を行い、コロナ感染症のときにも検査をしっかり行って、周辺国の検査も行う、それから拠点において周辺国の人材育成も行うということをやっております。
 あと、若者の人材……
○委員長(古川俊治君) 時間が参りましたので、よろしくお願いいたします。
○参考人(安藤直樹君) はい。
 ありがとうございました。
○高橋光男君 以上で終わります。ありがとうございました。

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