2026.04.02
国会議事録
令和8年4月2日 農林水産委員会
○高橋光男君 公明党の高橋光男でございます。
本日は令和八年度予算の委嘱審査ということで質問の機会をいただき、ありがとうございます。
まず、今回のイラン情勢を受けたA重油対策についてお伺いしたいと思います。
農林水産業、また食品加工業の現場では、例えば施設園芸、ハウスの加温であったり、また漁業でもこの漁船の燃料、さらには食品加工業始めボイラーの燃料等でA重油が活用されております。政府はこれまで原油価格高騰対策としてこの価格を抑制する措置を講じてこられました。しかし、今現場で起きているのは、価格の問題のみならず、そもそも手に入らないという供給困難でございます。地元兵庫でも、食品加工工場がA重油の調達難で操業停止に追い込まれたり、また漁業現場でも燃料確保の不安が広がっております。農業用ハウスの加温であったり食品製造など、食料の安定供給に直結する問題が全国的に発生し始めていると考えております。
農水省として、今現状をどのように認識されているのか、また要因をどのように分析しているのかにつきましてと、このA重油始め、農林水産業、食品加工の現場に必要な燃料供給そのものを確保するための方針並びに具体策につきまして、大臣に御答弁いただければと思います。
○国務大臣(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。
燃料油の安定供給につきまして、現状、石油備蓄も活用しつつ、国全体としては十分な量を確保しているところなんですが、ただ、足下ではやはり、今、高橋先生からも御指摘あったように、一部の供給に偏りが生じておりまして、農林水産省において、三月三十一日までに、関係団体等に対して石油供給の滞りなどの状況について情報収集を行ったところであります。一部の事業者の皆様から、現時点において石油の入手が困難となっているとの報告を受けております。
これを受けまして、三月三十一日には、農林水産業、食品産業の皆様からの相談を、もうこれは個別に一事例一事例ということになりますが、相談に乗っていく、受け付ける窓口を農林水産省及び地方農政局等に設置をし、幅広く実態調査に努めてまいりたいというふうに考えておりますし、また、この窓口を通じまして、燃油等の調達が困難になる、若しくは今現状厳しいというような情報提供を受けた場合には、経済産業省、エネルギー庁と連携を取りまして、それぞれの目詰まりがしっかりと解消されるように、円滑な供給が行われるように丁寧に対応させていただきたいと思っております。
また、中東情勢に伴う重要物資安定確保担当大臣である赤澤大臣の下に設置をされました関係省庁から成るタスクフォース、今日午後に行われることになりますが、中東情勢の影響を受けるこの重要物資の供給状況を総点検し、その安定確保のための具体的対応方針を検討することとなっておりまして、関係省庁と一体となって、この食品の分野、特にしっかり対応していきたいというふうに思っております。
○高橋光男君 是非これ、量を確保するのみならず、流通と分配と申しますか、これが重要だというふうに思っております。
是非、必要な燃料を農林水産業の現場にもいかに確保して確実に届けていくのか、スピード感のある対応が必要かというふうに思います。その意味で、もう少しちょっと具体的に掘り下げて、過疎地への供給確保についてお尋ねしてまいりたいと思います。
配付した資料一を御覧いただければと思います。これ、おとついの中東情勢に関する関係閣僚会議で配られた経産省の資料でございます。
経産省は三月十四日からそういった情報提供を受付ということでしたが、先ほど大臣の答弁ありましたように農林水産業は三十一日からと、なぜこんなにタイムラグがあったのか、私は少し遅い対応ではないかというふうに思っております。
やはりこれ、命がまず最優先でございますので、医療現場であったり、また市民の足である公共交通ですね、こうしたところに並んで農林水産業又は畜産業等の分野についても連携して対応を実施中ということでございますが、下の事例を見ると、まだこの農林水産業の事例というのは特に記載はされておりません。まだないわけではないようなんですけれども、やはりまだまだすくい切れていない様々な現場の実態があろうかというふうに思っております。
次のページを御覧ください。
これ、経産省を中心とした供給支援に向けた関係省庁の連携体制でございますが、この脚注にもございますように、各省庁が供給不足に関する情報を経産省に提供し、経産省が石油会社と調整を行い、流通経路を開拓するとございます。
この体制で果たして、例えば離島などの過疎地などのこういった末端地域というようなところに必要な燃料が届くのかと、また今後安定的に届くのかが問われているかというふうに思っております。現場では、既に販売店が撤退したり、また配送コストの問題によって供給網が機能不全に陥りつつあるというような声も聞いております。大口需要が優先されて、小口需要が排除されるというか後回しにされる、そうした懸念もございます。
したがいまして、私、この現行の価格支援とか要請ベースだけの対応では、物流や配分面で十分対応し切れないのではないかというふうにも考えます。是非、確実に届けていくために、例えば農水省の方で配送費といったもののこれ一部支援するだとか、公的に関与して輸送を確保する、これは農水省だけではできないともちろん思いますけれども、是非この供給網の目詰まりを解消するための具体策をこの八年度予算でも講じていくべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○副大臣(山下雄平君) お答えします。
農林水産省としても、委員御指摘のように、過疎地域を含めて、農林水産事業者に対し適切に石油の供給が行われることは大変重要だというふうに認識しております。
相談窓口などを通じて幅広く実態の把握に努め、供給に偏りがある場合、そうした事例については経済産業省と連携しながらしっかり対応してまいりたいというふうに思っております。
○高橋光男君 是非、要請だけではなかなか現場の隔たりというものは解消されない、また、過疎地においては市場任せではそうしたものが届かないという構造があろうかというふうに思いますので、是非、配送支援や輸送供給のルール化など、公的関与を含めた実効性ある対策をお願いしたいと思います。
続きまして、渇水対策についてお伺いしたいと思います。
昨年の渇水は農作物の生育に大きな影響をもたらしました。国は緊急対策を行いましたが、そもそも導入した時期が八月という、非常に遅きに失した側面もございました。また、申請期間が短いとか発動期間が作物の重要時期とずれるとか、また水源がなければそもそも機材補助は使えない、またため池の掘削まで見てほしい、そうしたお声を私も現場で伺っております。
この渇水というのは、一時的なやはり異常ではなく繰り返し起きるもう災害級の問題だというふうに思っております。既に今年も農業向けの取水制限が行われている地域が広がっております。
令和八年度予算においては、是非、こうした事業を、発動基準、また申請手続、支援対象といったものを昨年の教訓を生かして見直していただいて、必要なときにすぐに着手できるような制度に改めるべきだというふうに考えております。
是非、関係省庁、国交省などとも連携した一体的な対応を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。
近年、気候変動の影響により渇水のリスクが高まっていることを踏まえまして、令和七年度に農業水利施設の管理に関する補助事業を拡充をし、渇水時の番水や用水の反復利用に係る経費を支援の対象に追加をしたところであります。
しかしながら、この申請や採択、そして補助金交付決定などの手続に時間が掛かれば緊急的な対応が困難となるおそれがあったため、年度の途中において、暫定的な措置として着手届の提出により事業を活用できるように、そういう改善もさせていただきました。この経験も踏まえまして、この補助事業については、令和八年度からはその緊急の対応が必要となった場合に随時事業に着手できる仕組みを設けるなど、現場がすぐに使いやすいよう、申請、採択などの手続を見直すこととしております。
また、やっぱりこれ、あらかじめ備えておくということも高橋先生御指摘のように必要でありますから、あらかじめ渇水に備えて用水確保のために、例えば水源施設として井戸を設置をしておくこと、若しくは池の底を掘削をしてため池の容量をこの機に拡大をしておこうとか、そういった取組についても支援をすることとしております。
これらのことについて、本年一月から三月までの間に全国各県で説明会を行う中で、その中で地方公共団体、そして土地改良区などに対して、渇水対策への支援内容や手続の見直しについて周知をさせていただきました。
今後とも、河川管理を所轄している、所管している国土交通省とも連携をして、渇水対策、取り組んでまいりたいと思います。
○高橋光男君 是非、この随時着手できる仕組みに改めていただくということですので、大変重要な御答弁だったかというふうに思います。現場への周知徹底、また、こうした制度改正の効果が現場で実感していただけるように、この運用面も不断に見直していただくことをお願いしたいと思います。
続きまして、農業水利施設の老朽化対策、また予防保全についてお伺いしたいと思います。
是非、こうした水利施設の老朽化、営農基盤そのものの問題で極めて重要でございまして、どのように対応していくのか大変重要な課題でございます。特に、地下パイプラインにつきましては、壊れてからでは場所の特定も時間が掛かる、また破損してから対応するのでは追い付かない、更新を急ぐべきだといったお声を強くいただいております。しかも、道路の陥没などが仮に起これば、地域のインフラにも大きく影響をいたします。
令和八年度予算では、こうした施設の更新、長寿命化をどう位置付け、点検、また診断技術などを使った予防保全へと転換されるのか、道路管理者との連携も含めてお伺いいたします。
○副大臣(山下雄平君) お答えします。
農業水利施設の老朽化対策は、機能診断、健全度評価、劣化予測などを行い、あらかじめ補修、更新の工法や時期を定め、計画的に更新整備を行う予防保全に取り組んでいるところではありますが、高橋委員御指摘のように、パイプラインにおきましては機能診断、劣化予測などが困難な場合が多く、近年、漏水、破裂などの突発事故が増加しておりまして、営農に影響するリスクや道路が陥没するケースも出てきております。
このような中で、予防保全の取組の強化を図るために、令和七年に土地改良法を改正いたしまして、農業者の申請や費用負担がなく、事故を予防、防止するためのパイプラインの補強などを迅速に実施できる事業を創設したところであります。また、令和八年度からは、パイプの種類などに適合した点検、診断技術を活用しつつ、事故のリスクが高い道路下のパイプラインの緊急調査を進めることといたしております。
これらの緊急調査や事故防止の取組に当たっては、委員御指摘のように、道路管理者との連携、調整を密に図ってまいる考えであります。
○高橋光男君 是非、事故が起きてから直すといった対応だけではなく、事故を起こさない投資へ重心を移していただきたいというふうに思っております。
地方では、やはり更新費用が重いということから後回しになりがちな側面もございまして、是非、この食料安全保障の基盤として、水利施設の更新も着実に進むように国からの後押しをよろしくお願いいたします。
あわせまして、水関連でございますけれども、この河川等の放流、ダム等のですね、放流、また排水のルールに関してお伺いしたいと思います。
気候変動の下で、この従来の放流とか排水のルールが今のこの現実に合わなくなってきているのではないかといったような御指摘もいただいております。現場からは、例えばダムの水位にかかわらず一定量流し続けるような、この硬直的な運用があると。そのため、翌年以降の水不足を事実上固定してしまっているといったようなお声をいただいております。
水利につきましては、様々な関係者の様々なこのルール、そして地方ならではの例えば県の条例による規則等、そうしたものも絡んで、なかなかこの地域だけでは動きにくい課題だという中でございますけれども、是非、国としてそうした実態を把握していただいて、渇水時にこの臨時的な運用を行うなど、このルールの見直しなども含めて制度面から後押しをしていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(松本平君) お答えいたします。
河川の流水をダムに貯水するためのいわゆる水利権、こちらの取得に当たりましては、河川管理者から、水中に生息するいわゆる水生動物の生存、繁殖、水質の保持、景観の維持形成等のための流量は、貯水せずに下流に放流することが義務付けられている、このことが一般的ではございます。
一方で、異常渇水に際しましては、河川流量やダムの貯留の状況次第でもございますが、緊急的、臨時的に水利権の内容を変更して貯水や取水を行うことが許可される場合もございます。
今後とも、国土交通省や地方公共団体、土地改良区とも連携をしまして、地区ごとの課題や実態の把握に努めつつ、臨時的、緊急的な水利権の変更を含め、渇水への対応に取り組んでまいりたい、このように考えております。
○高橋光男君 是非、現場では様々な実態があろうかというふうに思いますので、その把握にとどめることなく、把握だけにとどまらず、是非、どこにそうした硬直性があるのかとか、そうしたことをしっかり踏まえて必要な対応をしていただきたいというふうに思います。
続きまして、小区画の圃場であってもきめ細やかに整備をしていく必要性に関してお伺いしていきたいと思います。
私、地元でこんな話を伺いました。地域で若い担い手の方でありますけれども、地域計画等を作っていく中において、圃場整備を是非進めていきたいということで合意形成を進めてきたが、最終段階でお一人だけの反対で全てが頓挫してしまったということでございます。
これ、合意形成は全ての地域の農地を使われている方々のコンセンサスが前提となりますので、ルールに照らせば致し方なかった部分もあるかと思いますけれども、そのまま放置していくわけにはいかないということで、自分たちが将来営農していくためにも、有志で小区画であっても是非圃場整備をしていきたいということで話をまとめて、そして小さな圃場整備であってもこれ是非進めていきたいんだけれども、こうしたところにもきめ細やかな支援をしていただきたいんだといったような御要望でございました。
是非、この合意形成そのものにもかなり時間が掛かる、そうした中で、例えば第三者の専門家を入れていただいて調整をするとか、設計も含めて支援をするなど、小規模であっても段階的に進めやすい運用にすべきではないかというふうに思いますけれども、この八年度予算でどのように対応していくかについて御答弁をお願いします。
○政府参考人(松本平君) お答えいたします。
農地整備の実施に当たりましては、農業者を中心としました多様な関係者、この方々が、地域の農業、農村の将来像を見通した上で、地域農業の発展を図るため、合意形成を行いながら事業を進めている、このようなところでございます。
この合意形成につきましては、土地利用調整活動として、本体工事の着工後だけではなく、着工前においても補助事業の支援対象としており、御指摘のありました第三者の活用も対象とすることは可能でございます。
また、地形的制約や地元の意向、いわゆる大区画化が困難な場合にありましても、省力化に向けまして、地域の実情に応じた地形の整形や区画の拡大、進めることは非常に重要、このように認識しているところでございます。
このような考えの下、中山間地域等の地形的制約等によりまして大区画化が困難な地域におきましては、地域の実情に応じた規模の区画に拡大することを含めまして農地の基盤整備を進めてまいりたい、このように考えております。
○高橋光男君 是非、小規模であっても、その採択やこの運用面で不利にならないように、使える制度として運用していただくことをお願いいたします。
続きまして、集落排水の浄化槽転換への支援につきましてお伺いしたいと思います。
人口減少が進む中において、生活排水のシステムを集合処理から個別処理、すなわち浄化槽への転換を検討する自治体が出てきております。浄化槽は、低コスト、早期設置が可能、環境にも優しいなど様々なメリットがございます。
しかしながら、農業集落排水、また漁業集落排水、林業集落排水と三種類ございますけれども、それぞれにこの支援に濃淡があるのが今現状でございまして、自治体から見ても、なかなか全体像がつかみにくいといったようなお声もございます。
そこで、今この集落排水に対する国の支援の現状、そして、この施設整備や浄化槽への転換などを含めて、どのように支援をしているのかにつきまして御答弁をお願いします。
○副大臣(山下雄平君) お答えいたします。
農業集落排水施設、漁業集落排水施設の更新に当たりましては、集約、再編による施設の最適化を推進し、令和八年度当初予算におきましては、農村整備事業や漁村整備事業、また農山漁村地域整備交付金において支援しているところであります。林業集落排水施設におきましては、現存する施設が被災した際には復旧工事を支援するとともに、更新に当たりましては他事業で実施しております。
集落処理から個別処理への転換に関しましては、浄化槽の設置につきましては環境省所管の循環型社会形成推進交付金などで支援をしております。また、農林水産省におきましては、浄化槽の転換に伴い用途廃止される農業集落排水施設の管路撤去を農業水路等長寿命化・防災減災事業により令和七年度より支援できることとしたところであります。
○高橋光男君 今の御説明で、それぞれについて支援が異なるということが今の現状でございますが、例えば農集、農業集落排水については管路撤去の支援もあるんですけれども、例えばこれ、地域防災計画により避難路に指定された道路下の管路等に限定されているといったような実情もございます。漁業集落排水につきましても主に既存施設の保全とか縮小が対象となっておりまして、林業集落排水については、実質国の支援が今ないというのが現状でございます。
是非、今後、この下水道や集落排水から浄化槽に転換していくこと、これ財政や人口減の面から現実的な選択肢になる地域が増えていくと考えております。
そこで、この資料の二を御覧いただければと思いますが、これ、現時点で、今後、漁業集落排水と林業集落排水において個別処理への転換を検討している自治体のリストでございます。幾つか、全国的に見ても、もう既に検討が進んでいる地域もございます。
そうした中で、実際に転換を進めるためには、施設を解体したり、管路を埋め戻ししたり、浄化槽を設置するなど自治体の負担が重いのが現実ですので、国からの補助が重要になってくるというふうに考えます。
そこで、農水省として、是非現場のニーズをきめ細やかに把握していただいた上で、漁集やこの林集についても個別処理への転換に向けた独自の財政措置を考えるときではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○副大臣(山下雄平君) お答えいたします。
漁業集落排水施設におきましては、狭隘な土地に住居が密集しており、比較的管路延長などが小規模であることから、個別処理より集合処理のメリットが大きく、主に老朽化対策や施設規模の適正化を図るダウンサイジングを中心に対策が進めてこられたところであります。
また、林業集落排水施設におきましては、山村地域の居住環境改善のため、地域の実情に応じて必要な施設を柔軟に整備したところであります。現在でも、地域の実態に応じて林業集落排水として単独で運営したり、他事業で整備された施設と連携して運営しているところであります。
農林水産省におきましても、高橋委員御指摘ございましたので、個別、この処理についてのニーズについて把握に努めてまいりたいと思います。
○高橋光男君 ありがとうございます。
地域によって様々な実情があろうかというふうに思います。転換が合理的であっても、なかなかこの解体や撤去まで含めた負担が重たくて進まない地域があるのも事実だろうというふうに思っております。
是非、ニーズ把握を進めていただいて、そして関係省庁、これ、国交省、環境省、総務省などと密に連携をしていただいて取り組んでいただくことをお願い申し上げたいというふうに思います。
続いて、鳥獣対策についてお伺いします。
まず、ちょっと順番を変えて、狩猟者の不足対策について農水省と環境省にお伺いしたいと思います。
鳥獣害対策、先ほども徳永先生からも御質問がございました。本当に現場は頭を悩まされている。私ども公明党も、様々、農業キャラバンという形で行かせていただくところでは、特に中山間地域も含めて、やはりこの鳥獣害に悩まされているというお声をいただいております。
この対策を進めようと思っても、やはり担い手がいなければ動かないという中で、猟友会も高齢化が進み、講習の機会も不足し、また費用の負担という部分もあります。また、免許取得後にも経験を積む場が不足していると、そういったことも壁になっているという現場のお声をいただいております。
そうした中で、私の地元の兵庫では、丹波篠山市にみたけの里づくり協議会というものが、方々がですね、この地域の住民だけではなく、地域外の関係人口とも連携して、防護柵の設置やこの維持管理、また捕獲の強化などを進められておりまして、農林水産大臣賞も受けられるすばらしい取組を進められております。
したがいまして、こうした取組を是非進めていただくためにも、入口から定着まで、この狩猟者を確保する制度設計が本当に大事だというふうに思いますけれども、それぞれ御答弁をお願いいたします。
○政府参考人(松本平君) お答えいたします。
委員御指摘にありましたように、狩猟、捕獲の担い手の育成、確保、こちらはますます重要でございます。
農林水産省としましては、鳥獣被害対策実施隊、こちらを中心に農業被害防止のための捕獲者の育成に取り組んでいるところでございまして、令和七年度四月時点におきまして四万二千九百五十人確保し、前年からは増加傾向でございます。
先ほど御指摘のありました丹波篠山のような取組、こういうものも横展開をしていきながら、関係省庁とも緊密な連携の下、地域の実情を踏まえながら、捕獲の担い手、育成、確保に努めてまいりたい、このように考えております。
○政府参考人(成田浩司君) 環境省関連についてお答え申し上げます。
狩猟免許試験につきましては、都道府県が実施しております。各地での受験者数などの実情に応じまして回数や場所を増やすよう、環境省からお願いしているところでございます。
近年におきましては、例えば、秋田県、宮城県では回数を増やす、沖縄県では離島でも実施する、こういった取組を実施していただいているところでございます。
また、自治体の捕獲業務の担い手を確保する観点から、環境省におきましては、鹿やイノシシなどの鳥獣の捕獲等を実施する事業者を対象といたしまして、安全管理、捕獲技術向上等のために自治体が実施する研修等につきまして交付金により支援をしているところでございます。さらに、環境省におきましては、有害鳥獣捕獲等に関わる狩猟者が支払う狩猟税につきましても減免をしているところでございます。
引き続き、これらの取組を通じまして、都道府県とも連携しながら捕獲の担い手の確保に努めてまいりたいと考えております。
○高橋光男君 ありがとうございました。
今の、本当にこの狩猟者の確保については若い方からいただいているお声でありまして、そういう免許を取りたいけれども、様々な制約があるといった声でございました。是非、関係省庁と連携して、現場で見える形で進めていただきたいというふうに思います。
最後に、大臣に是非、この鳥獣害対策について、イノシシや鹿等による被害、一昨年でも百八十八億円にも上っております。現場からは、共済の対象外の被害は数字に表れにくく、実態が過小に評価されているのではないかといったような御指摘もございます。
是非、被害防止から捕獲、処理まで一体的に支えていただきたいと思いますが、最後に大臣の御決意、お願い申し上げます。
○国務大臣(鈴木憲和君) 野生鳥獣による農作物の被害状況については、国が調査要領を示して、これに基づく各市町村の調査結果の報告を受ける仕組みを整備をしているところであります。
実際にこれ、令和六年度の被害額が百八十八億円となっているんですが、多分これ、被害額として数字に表れる以上に深刻な影響を及ぼしていると認識をしておりますし、恐らくこれで全てということではないんだろうというふうに考えております。
対策として、これまでも、防護柵による侵入防止や箱わななどによる捕獲、そして捕獲個体の処理までを一体で支えるメニューを鳥獣対策交付金で充実をさせてきておりまして、令和八年度予算と七年度補正予算合わせて百七十億円を計上しております。
今後、更なる人口減少、高齢化を見据えて、より効率的、効果的な対策が推進されるように、これまでのICT等を活用した遠隔監視による見回り作業の省力化にとどまらず、さらに、捕獲データの収集、分析などにより、捕獲強化すべき地点の特定に生かすなど、新たにスマート鳥獣害対策に関するメニューを強化しているところでありまして、現場の皆さんの実態に沿って対策をさせていただきたいと思います。
○高橋光男君 時間が参りましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
