2026.05.13
決算委員会
令和8年5月13日 決算委員会
○高橋光男君 公明党の高橋光男でございます。
決算委員会での質問の機会をいただき、ありがとうございます。早速質問に入らせていただきます。
まず、在外選挙制度改革について総務省にお伺いいたします。
お配りした資料一を御覧ください。私は、さきの衆院選後、ニュージーランドやニューヨークの在外有権者の方々から切実なお声を伺ってまいりました。郵便投票は請求や返送に時間も費用も掛かる、在外公館投票は遠い公館まで行かなければいけない、国内のように当たり前に一票を投じることができません、そうした現実でございます。制度のために有権者があるのではありません。有権者の権利行使のために制度があるはずであり、そうあらねばならないと思います。誰一人取り残さないことこそ民主主義にとって不可欠であると考えます。その観点からお伺いいたします。
まず、資料一中段を御覧ください。これは前回の衆院選における郵便投票の結果です。請求六百一件に対し、実投票百三十八件、達成率は僅か二三%です。前回の四四%から大きく落ちております。政府は全体として過去最多の投票数だったとおっしゃいます。しかし、郵便投票では投票までたどり着けなかった方が相当数いるのが紛れもない事実であります。
しかしながら、下段一の方にございますように、政府としてその中身や要因を十分に把握しているとは言えません。請求件数や受理件数の把握だけではなくて、その前後のどこで権利行使が途切れているのか、それはなぜなのか、工程ごとに検証すべきであると考えます。政府は出国時申請やビデオ通話による本人確認など改善策を講じているとも承知しておりますが、それらが実際に在外選挙人証の交付や投票行使に結び付いているのかも検証すべきと考えます。総務省としてこうした実態把握と効果検証をどう進めるのか、簡潔にお伺いいたします。
○政府参考人(長谷川孝君) 御答弁申し上げます。
郵便による在外投票につきましては、在外選挙人の方が居住する地域や各国の郵便事情によって実態は様々でございますけれども、投票用紙の請求や送付には一定の時間を要することから、郵便による在外投票ができなかった方がいらっしゃるということは重々承知をいたしております。
御指摘の請求から投票までのボトルネックについてでございますが、総務省においてはこれまでも在外選挙における実態把握に努めてきたところでございまして、在外邦人を対象としたアンケートなども実施してきたところでございます。
また、これまでの改善策の効果検証につきましては、例えば、御指摘の出国時申請につきましては、平成三十年度の制度導入以降、令和七年度までに約二万件の申請がなされておりまして、一定程度活用がされていると理解をいたしております。
制度の更なる活用を図るために、各選管における取組状況を調査するとともに、工夫されている取組を横展開し、御案内、周知等に係る取組を積極的に実施いただくよう要請しているところでもございます。
今後とも、一層、在外選挙人の投票状況等についての実態把握、また、これまでの改善策の効果検証に努めてまいりたいと考えております。
○高橋光男君 しっかりとした検証が行われているのか、先ほどアンケート等は行っているというふうにおっしゃいますけれども、私が申し上げたように、具体的に様々な過程がある中においてどの段階でやはり有権者の方が問題を抱えていると考えていらっしゃるのか、そうしたことをしっかりと丁寧に実態を把握するとともに、検証していただくことをお願いしたいと思います。
次に、今すぐ進められる改善があるはずであるという、そういう観点からお伺いしてまいりたいと思います。
在外有権者の負担につきましては、まず入口の登録、選挙人証の交付、投票用紙の請求など、投票前段に集中をしております。したがいまして、前段手続のオンライン化は今できるところから直ちに進めるべきと考えます。法改正が必要なものもあれば、政令改正や運用の見直しで進められるものもあるはずです。
その観点から、この資料の下段、三のところに記載の新規登録申請、選挙人証の交付・再交付申請、投票用紙の請求、申請状況の通知、ビデオ通話本人確認の全公館の展開などについて、改めて整理して示していただきたいと考えます。特に投票用紙請求などは、公職選挙法ではなくて施行令上の要件となっております。既に、選挙人申請データの自治体選管への送付や在外公館での印刷などは政令改正で行っているものと承知をいたします。
総務省を中心に外務省、デジタル庁とも役割分担を明確にしていただいて、まず動かせることから着手すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(長谷川孝君) 御答弁申し上げます。
総務省といたしましては、在外選挙に係る各手続のオンライン化や事務手続の改善につきまして検討を行いまして、可能なものにつきましては順次実現してきたところでございます。
先ほど申し上げました出国時申請、こちらは法改正でございましたし、また、御指摘ありました、令和四年には、遠隔地にお住まいの方などの利便性向上のための、在外選挙人証の在外公館申請や再交付申請の際に、直接在外公館に出向くことなく、登録申請書をあらかじめメール送信した上でビデオ通話を通じて本人確認を行うことができるよう、これは運用の見直しを行ったところでございます。
また、政令改正、御指摘ございましたが、令和六年には、在外選挙人証の交付に当たりまして、これまで市町村選挙管理委員会から在外公館へ紙で送付しておりましたところを、メールを活用して、在外公館で印刷するようにしたところでございます。このような在外選挙人の利便性向上、オンラインを活用した取組をやってきたところでございます。
また、委員の御指摘にもございました在外郵便投票の投票用紙の請求手続に関しましては、これは、御指摘のとおり、公職選挙法施行令におきまして在外選挙人証の提示と投票済情報の記入につきまして定められているところでございます。
一方で、こうした手続をオンライン化する場合につきましては、在外選挙人証によりその資格を確認して二重投票を防止しているという現状の仕組みにつきましても変える必要があると考えております。この場合は、在外選挙人証自体は法律に基づく制度でございますので、その現行法の規定も含めた検討が必要となると考えております。また、その場合、在外選挙人の投票の有無を電子的に記録して確認するための大規模なシステム、こういったものの構築が必要になると考えております。選挙の公正確保に加えまして費用対効果の観点からも、様々な観点から慎重な検討が必要だと考えております。
いずれにいたしましても、関係省庁等と連携いたしながら、しながら、引き続き在外選挙人の利便性確保に努めてまいりたいと考えております。
○高橋光男君 可能な限り詳しくお答えいただいたかというふうに思います。
今おっしゃられたように、まさに運用改善で進められること、またさらには政令等のレベルで改正できるもの、そして法改正そのものが必要となるもの、こうした整理は大変重要かというふうに思っております。
そうした中で、最後にこの点について大臣にお伺いしたいと思います。
総務省は、平成三十年の研究会報告以降も在外ネット投票について調査研究を続けてこられました。しかしながら、私が感じるのは、何が整理済みで何が未解決なのか、これが国会に十分示されていないのではないかということです。
政府はこれまで、在外ネット投票の課題として本人確認や二重投票防止などを挙げてこられました。しかしながら、私は、比較の基準は、国内投票所での投票と比べてどうなのかではなくて、現行のまさに在外選挙制度そのものが果たしてこの在外ネット投票と比べてどうなのかということだというふうに考えております。
現行のこの郵便投票は、先ほど申し上げましたように、時間も費用も制約がございます。また、公館投票には距離の制約がございます。そうした現行制度の問題が、在外ネット投票になれば何が改善するのか、その実現のためには何がなお課題として残るのか、整理して示すべきと考えます。
そこで、大臣に伺いますけれども、本人確認、二重投票防止、投票の秘密保持、自由意志の確保、中央的基盤の要否、セキュリティーなどについて、どの論点が整理済みで、どの論点が残っているのか、それらの整理とともに、短期的に運用改善でできること、また、中期のデジタル化等で進めていくこと、将来にわたる制度改正について何をいつまでに行うのか、次の選挙までに工程表を示していただくことも一案かと思いますけれども、是非推進していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) この在外選挙インターネット投票の導入につきましては、選挙の公正確保のため本来置くこととされている投票管理者や立会人が不在の下で行われる投票方法を、現行の郵便等投票に加えて新たに設けるということになるものでございますので、選挙に与える影響について、選挙の公正確保の観点も含めて、各党各会派で十分に御議論いただくことが必要と考えております。
ここで終わりますと余りにあっけないものですから、その上で申し上げますと、総務省では、令和元年度以降、毎年度、在外選挙インターネット投票について調査研究、実施しております。課題の整理、検討を進めておりますが、毎年度の調査研究の結果については、その概要、総務省のホームページに掲載しておるところでございます。
令和六年度決算における事業においては、スマートフォンのマイナンバーカードの活用等の検討を行うとともに、各自治体の開票所におけるセキュアな通信回線整備状況について調査を行った上で、未整備の団体における開票手順についても整理を行っております。
また、在外選挙インターネット投票のシステム構築の工程につきましては、制度概要が定まっていない現時点において具体的に示すというのは難しいわけでございますが、使いやすさや高度なセキュリティーなどを求められる新たなシステム、これ構築することが求められます。したがって、設計、開発、運用テストなどの過程、これが必要となりまして、本格運用するまでに一定の期間や費用が必要となると考えております。
各党各会派で合意を得られた暁には、その合意に基づいて、関係省庁等と連携しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
○高橋光男君 是非とも、私たち国会議員がこれからの在外選挙制度、どのようにしていくのか議論していくための材料を示していただく責任は政府にある、このことを強く指摘して、次の質問に移りたいと思います。
消防飛行艇についてお伺いいたします。
昨年の大船渡、今年の大槌町と、大規模林野火災が発生をいたしました。こうした大災害を防ぐには、空中消火能力の向上が不可欠です。
まず、防衛省に短くお伺いいたします。
昨年三月、私、この件、当時の石破総理に消防飛行艇の早期導入を訴えた際に、別の、C130を検討する案が浮上いたしました。資料二の一のとおりでございます。その後の調査結果をお聞かせください。
○政府参考人(上田幸司君) お答え申し上げます。
防衛省及び消防庁におきましては、御指摘の検討の一環といたしまして、米国で運用されているC130輸送機の消火ユニットの運用実態を現地の専門家から説明を直接聴取するため、昨年十月に担当者を現地に派遣したところでございます。
この調査の結果、C130消火ユニットの運用は、消火を担当する農務省森林局と国防省が共同で運用するプログラムでございまして、両者の緊密な協力が前提となっていること、運用面や基盤整備面で課題が多々明らかになったところでございます。
こうした課題を総合的に勘案いたしますと、C130消火ユニットの導入には、現在、多くの障壁があり、効果が限定的でありますことから、導入は困難であると考えております。
○高橋光男君 C130は困難という明確な答弁でございましたので、いよいよ、私は、消防庁がこのUS2活用を含む消防飛行艇の着手を考えなければいけないというふうに思っております。
そこで、防衛省にもう一点確認いたしますが、もしその場合には、しっかりとその運用人材、技術情報の提供を含めて最大限御協力いただけるものと考えてよろしいですか。
○政府参考人(家護谷昌徳君) お答えいたします。
防衛省といたしましては、これまでUS2を使用してきていることを踏まえまして、その運用に係る知見や改修に係る技術的な観点を共有するなど、関係省庁と緊密に連携して必要な協力を行っていきたいと考えております。
○高橋光男君 あわせて、国交省にもお伺いしたいんですけど、これを新たに消防飛行艇とする、運用することになれば、耐空証明とか型式証明、こうした課題があるというふうに認識しておりますが、これについても御協力いただけると考えてよいですか。
○政府参考人(石井靖男君) お答え申し上げます。
国土交通省では、これまでも、US2の民間転用に向けて、製造者も含めて断続的に議論を重ねてきております。御指摘のUS2の官民連携での導入、運用可能性の検討については、製造者の意向も踏まえつつ、耐空証明、型式証明等の課題整理に当たって、国土交通省としてしっかりと対応してまいります。
○高橋光男君 官民連携は私はまだ指摘をしておりませんが、そうした可能性も含めて、もしあれば国交省としても協力していただけるとの答弁でありました。
そこで、総務大臣にお伺いいたします。
一昨日、この件については秋野公造議員からも質疑をさせていただきました。その際の御答弁の内容は資料にお付けしております。その際、大臣は、高高度散水による密度の低下、またヘリとの同時運用は難しいなど取り上げられておりましたけれども、これらは既に国会の質疑において否定をされております。根拠は何でしょうか。まず、これについてお伺いいたします。
○国務大臣(林芳正君) 消防飛行艇につきましては、消防庁において設置をいたしました検討会の中で、足利市の林野火災を踏まえたシミュレーションを行ったところでございます。
この散水頻度や散水密度の制約等のため、飛行艇活用による顕著な効果は認められなかったという評価が令和四年に出たところでございます。
○高橋光男君 令和四年とのお話でございましたが、では資料二の四を御覧ください。
これは令和四年の消防白書でございます。令和五年の一月に公表された、今の大臣がおっしゃられた足利林野火災のシミュレーションの後に公表されたものであります。ここの黄色に書いておりますけれども、消防飛行艇につきましては、消火能力の高さは認められるが、導入経費、維持管理費が多額とあって、今大臣がおっしゃられたような問題があるというのはここには触れられていませんよね、その後。なぜなんでしょうか。
私は、その後、時間がたっている中において、この足利火災とは違うような今回大規模火災が沿岸部で発生したことも踏まえて、消防庁がどのようにこの消防飛行艇の有用性について考えていらっしゃるのか分かりません。しかしながら、防衛省は、先ほどおっしゃられたように、運用人材や技術面でも協力していただける。したがって、大臣がおとついおっしゃられた、特別な操縦資格保有者も必要だ、この課題もクリアできるはずでありまして、国交省も制度整理に応じていただけます。
そうすると、やはり残る論点は導入経費、維持管理費、これしかないんじゃないですか。そして、その予算要求をどこが行うのか、ここに尽きるのではありませんか。この点について、大臣の御認識をお答えください。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど申し上げました令和四年にこのシミュレーションをやりまして、そうした経緯を踏まえて、消防庁においては、ヘリコプターより高い高度から散水するため散水密度が低下すること、安全性の観点からヘリと同時運用が難しく、運用の効率に課題があること、維持管理費用が高額になることや、特別の操縦資格保有者の確保が想定されることなど運用上の課題について答弁しておりまして、一昨日も私から同趣旨の答弁をさせていただいたところでございます。
このように、これら運用上の課題や導入経費等が高額であるということが大きな課題であると認識しておりまして、飛行艇の導入については慎重な検討が必要であるというふうに考えてございます。
○高橋光男君 是非、資料二の三も御覧いただきたいんですが、これは昨年の大船渡の林野火災を踏まえた報告書でありますけれども、ここにも、消防庁がまさに散水量を高めるための有効な機体、資機材の検討が必要というふうに書かれてあります。これは、私は、消防庁が主管して予算要求をまず行うべきものだというふうに考えております。
是非、今、現政権は危機管理投資というふうにおっしゃっているわけでございますし、そして、今現在、官民の協力と先ほどありましたけれども、民間の主体も、今こうして遅々として政府が動かない中で協力する意思も示していただいている。その中で、是非政府、これ消防庁が主体となって様々な関係者とともにこの消防飛行艇の運用の在り方について御議論をいただく、そうした協議の場を持っていただきたいと思いますけれども、最後、この点大臣にお答えください。
○国務大臣(林芳正君) この足利市での林野火災を検証する際に飛行艇を活用した場合のシミュレーション、行っておりまして、様々な課題があると申し上げました。大船渡市や大槌町、これは海から近いという点で条件も異なるわけでございますので、それらを踏まえた消防飛行艇を活用した場合のシミュレーションについて、関係省庁等の協力を得ながら行うように改めて消防庁に指示したいと、そういうふうに考えております。
○高橋光男君 ありがとうございました。
時間が終わりました。環境大臣にも質問一点ありましたけれども、時間の関係上、本日は、また次の機会に譲るということで、以上、質問を終わります。
ありがとうございました。
