2026.05.19

国会議事録

令和8年5月19日 農林水産委員会

○高橋光男君 おはようございます。公明党の高橋光男でございます。
 本日は、二十年ぶりとなる食育基本法の改正に当たり、審議そして質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 まず冒頭、これまで超党派で議論を進めてこられました、私も参加をさせていただきましたが、議論をリードされました簗先生、また参議院においては進藤金日子先生、そして各党各会派の議員の方々、そして衆議院法制局や農水省を始めとする役所の皆様に敬意を表したいと思います。
 私の方からは、今後のやはり具体的な取組に関してお伺いしてまいりたいと思っております。
 まず、大臣に、今回の改正では、学校等における食育の強化としまして、農林漁業教育の充実や農林漁業者などの外部人材の活用が新たに位置付けられました。私は非常に重要な改正事項だと思っております。子供たちが、ただ食べるだけではなくて、その食を誰が支えているのか、生産現場や担い手への理解、また感謝の念を深めることにつながると考えるからです。
 地元兵庫でも先進事例がございます。豊岡市ではコウノトリ育むお米、有名でございますけれども、有機農産物などを学校給食に活用し、生産者が学校を訪れて児童と交流する取組が進んでおります。稲美町ではJA青壮年部の皆さんが地域の小学校で地元産のイチゴを使ったおはぎ作り教室というものを行っておりまして、私も参加をさせていただいたことがございます。まさに農林漁業者が地産地消を軸に子供の食育に直接関わろうとしている取組でございます。
 一方で、給食については、先ほど舟山先生からもございましたように、現場から様々な課題の声をいただいております。価格の問題、また一定の規格を満たした農作物を安定的に納入する難しさ、急な欠品に対応しないといけない、こうしたことを農家側が負担を負っている現実がございます。
 また、米価上昇の中で、給食の要である米飯給食の回数が減っていること、また質が低下していること、また高校段階では給食を停止しているところもございますので、こうした懸念の声もございます。子供たちには、食を通じて学ぶ機会だけではなく、十分な栄養を確保する観点も欠かせません。
 そこで、農水省に二点お伺いします。
 地域農産物の学校給食への活用促進に加え、先ほど申し上げたような農家の納入負担の軽減、農林漁業者が教育の場に参画しやすくするため、学校につなぐ調整の強化などについて、国としてどのように支援していただけるのでしょうか。また、今回の法改正を機に、小中だけではなく、高校段階も視野に入れて米飯給食の維持確保、給食内容の質的向上、充実も図るべきと考えますが、どのように取り組まれるのかについて御答弁お願いします。
○副大臣(山下雄平君) お答えいたします。
 高橋委員御指摘のように、学校給食におきまして地場産物を活用して地産地消を進めるということについては、子供たちが生産者の努力でありますとか生産現場の実態をきちんと理解し、そしてその理解を深めていくという食育の推進でありますとか、また、地域の農業、また漁業、水産とか、あと、若しくは小さな商工業の振興を図る観点からも重要だというふうに考えております。
 このため、農林水産省では、農林漁業者の教育の場への参画も含めた給食現場と生産現場の間の課題解決に向けた取組でありますとか、学校給食に地場産物を供給、活用するための連携体制づくり、給食現場における地場産物の利用拡大に向けた指導、助言、生産現場等のニーズ、課題の調整等を行う地産地消コーディネーターの派遣などを支援しているところであります。
 また、地域の生産者との連携した地域における農林漁業体験機会を提供するとともに、例えば、学校の授業での食育もそうですし、また、農林漁業の体験、そして、それがまた、作ったものが給食で提供されているというような、三つがばらばらに行われるだけではなくて、授業で習い、そして体験し、それがまた給食に出るというような、連携していくような取組というのも非常に必要だというふうに思っておりまして、農林水産省として地域農業・教育連携モデルの創出などに取り組んでいるところであります。
 また、委員御指摘の米飯給食におきましては、実施回数について申し上げますと、昭和六十一年以降、まあ昭和六十一年というのは提案者の簗委員と私が小学校に入った頃なんですけれども、その頃以降は週二回台でありました。平成二十年以降というのは週三回台で推移しておりまして、令和五年には週三・六回まで増加しているところであります。
 今後とも、米飯を中心とした日本型食生活の魅力や各地域の多様な取組事例を小中学校の関係者にとどまらず幅広く発信するとともに、関係省庁とも連携し、米飯給食の推進、定着に努めてまいりたいというふうに思っております。
○高橋光男君 ありがとうございました。今おっしゃられたことをしっかり進めていただきたいと思います。
 続きまして、大人の食育と職場の食環境整備についてお伺いします。
 今回の改正では、食育の場として職場が法律に初めて明記をされました。これも大きな意義があると思います。働く世代にとって、毎日の食事は健康や生活習慣に直結をいたします。私自身昨年推進させていただいた食事補助の非課税限度額が四十二年ぶりに引上げをなされたことも踏まえまして、社員食堂、お弁当、食事券などによる支援への関心も高まっています。
 一方で、社食は中小企業では単独で設置することが難しいです。また、物価高や人件費上昇で既存の社食を維持することも厳しいというお声もあります。そうした中で、同じオフィスビルに入る複数企業が共同で食堂を設置するような事例も出てきております。
 そこで、提出者と農水省にそれぞれお伺いをいたします。
 まず、提出者に、今回職場を食育の場として位置付けた狙いはどこにあるのか、健康づくりだけではなく、労働効率の向上、コミュニケーションの活発化なども含め、どのような考えで規定を設けたのでしょうか。
 次に、農水省にもお伺いいたします。食事補助の引上げや、今回の法改正を機に中小企業が共同で利用できる食堂や地域飲食店との連携を是非支援していただきたいと思います。同時に、好事例を横展開しながら、規模を問わず取り組める職場の食環境整備を広げるべきと考えます。さらに、農水省が経産省、厚労省とも連携し、健康経営認定制度などとも連動させて、食育や食生活改善の観点からも環境整備を行う事業者の取組を人への投資として評価する仕組みをしっかりと整えていただきたいと考えますが、併せて答弁願います。
○衆議院議員(簗和生君) 昨今、食に対する関心の低下、食の簡便化志向、栄養バランスの乱れが顕著になっていること、また、農の現場の実情に触れる機会の減少等に起因をして消費者と生産者の関係が希薄化しているなど、食を取り巻く様々な課題が生じているため、子供だけでなく大人の食育に関する取組をより一層推進していく必要があるとの認識に立ち、大人の食育を新たな運動として掲げ、民間企業を巻き込んで消費行動の変容につながる食環境づくりを実現していこうと、こういった趣旨によりまして、食育の場として職場の文言を明記したところであります。
 具体的な取組としましては、さきに神谷議員の方から先ほど御紹介申し上げましたけれども、既に官民の幅広い関係者が連携する場として官民連携食育プラットフォームが立ち上げられておりまして、会員企業の様々な食育活動を全国に発信していく、また、会員交流会や勉強会などを通じて食育活動の高度化や様々な主体による新たな連携を促進していく、そして、課題を決めて連携をして新たな食育に挑戦するプロジェクトを実施していくなどの取組が行われています。
 こうした活動を通じて食生活の改善に資する企業の取組を奨励することで、職場内での食生活改善の取組の活性化が図られたり、あるいは、優良な取組の横展開を通じてより多くの企業が従業員等の健康に配慮した食生活の実践に取り組むようになることなどが期待をされます。
 そして、このような形で職場における食育が推進をされ、従業員の食生活を重視した取組や経営が実践されることは、御指摘の労働効率の向上や所属部署を超えたコミュニケーションの活発化、そして入社志望者数の増加といった効果につながっていくことも期待されるのではないかと、そのように考えております。
○副大臣(山下雄平君) お答えいたします。
 今、簗委員がお触れになられました官民連携食育プラットフォームにおきましては、経済産業省の健康経営優良法人認定制度と連携し、従業員に対して食生活の改善に資する取組を行う企業を認定いたします食育実践優良法人顕彰制度を昨年度創設したところであります。現時点では三百三十四法人が認定されておりますけれども、そのうち約四割は従業員の数が三百名以下の企業でありまして、健康的なお弁当の提供でありますとか、置き型の社食サービスの導入などの取組が行われているというふうに承知しております。
 今後とも、経済産業省でありますとか厚生労働省や民間企業などとの連携の上、職場における食の環境整備等を通じて、大人の食育の推進に積極的に農林水産省としても取り組んでまいりたいと思います。
○高橋光男君 以上で終わります。ありがとうございました。

一覧へ戻る