2026.05.22

政府開発援助及び国際協力・人道支援等に関する特別委員会

令和8年5月22日 ODA・国際協力等特別委員会

○高橋光男君 公明党の高橋光男でございます。
 各調査団の御報告ありがとうございました。大変にお疲れさまでございました。
 早速質問をさせていただきたいと思うんですが、今日、私は、主にこの日本の国際協力の在り方、特に二国間協力と多国間協力の連携、今よくバイ・マルチ連携というような言い方もしますけれども、ちょっとその観点でお伺いしていきたいなというふうに思っております。
 調査団の皆様が訪問されている案件というのは、主に二国間協力、JICAの協力と、あと、大使館がやっている草の根の無償資金協力、こういったようなものが中心だというふうに認識しておりますけれども、やはりなかなかこの日本の政府機関等だけではやっぱりできないところの開発ニーズというのをどのように捉えて、国民の理解も得ながらODAというものをしっかりとバランスの取れた形でやっていく必要があるのではないかという認識がございます。
 たまたまですが、今週十八日、グテーレス国連事務総長が国連大学で演説をされたのを私拝聴いたしまして、総長は、地政学的分断、また紛争、格差の拡大、気候危機が深まる今こそ多国間主義が必要だというふうに訴えられておりまして、日本が七十年間にわたって人道支援、人間の安全保障、持続可能な開発などを通じて国連を支えてきたことを高く評価されておりました。
 今の世界では、人々の命、生活、尊厳を支える基盤そのものが脅かされています。分断が深まる今だからこそ、日本は、人間の安全保障を軸に、多国間主義を具体的成果に結び付けていくために、様々な開発パートナーと協力して役割を果たしていかなければならないというふうに思っております。
 その観点で、まず第一に、第三班にお伺いしたいと思います。
 エジプトでは、先ほど御報告のとおり、ガザ地区から搬送された患者を受け入れている病院への支援、これWHOと連携した日本の人道支援の現場を確認されたというふうに承知しております。今回の支援は現地でどのように受け止められていたのか。先ほど、米国支援が削減される中、日本の援助の期待は高まっているという御報告もございましたけれども、この点についてお尋ねをしたいというふうに思っております。
 特に、国際機関とも、またNGO等とも連携したからこそ可能になった点などあるんじゃないかとか、この支援のアクセス、また安全確保といったような課題について、現地でどのようにお感じになられたか、お答えいただければと思います。
○大家敏志君 先生の御指摘のとおりでありまして、国際機関との連携によってやっぱりニーズを的確につかむという点で良かったんだろうと。それで、我々が供与したものというのは、高圧蒸気滅菌装置というやつでした、菌を取り除くやつ。これが本当に大切に使われていて、これに対する感謝、もう強い感謝を述べていただきました。
 それと、一緒にお越しでしたWHOのエジプトの代表者から言われたのは、日本の拠出金によってエジプト全体で集中治療室やらエックス線の検査の機器の調達、また医療従事者への訓練、これもやることができたという感謝の声もありました。
 もう一度、連携の話ですけれども、安全確保という点ではやっぱりきちっと連携をしていくこと、連携を密にしていくことが今後求められるというふうに思いました。
 それから、受け止め全体としては感謝していただきましたけれども、やっぱりこういうことの積み重ねが日本に対する親日感情と日本の国益につながっていくというふうに思います。
 以上です。
○高橋光男君 様々な、そのハード、ソフト両面においてこの日本の支援も大変大事でありますけれども、あわせて、そうした国際機関との連携があって初めてこうした事業が進むんだというふうに、御説明をお伺いして感じました。
 続きまして、第四班の方にお伺いしたいと思います。
 ケニア中央医学研究所、KEMRIを始め、日本が長年積み重ねてこられた保健、教育分野の協力を確認されたというふうに先ほど御報告ございました。これこそ人間の安全保障を現場で具体化してきた事例だというふうに思います。とりわけ、今、中東情勢の影響は、アフリカなどの脆弱国ほど深刻な状況にございます。
 したがって、このアフリカの現場では、JICAによる二国間協力に加えて、TICADの柱である社会や、平和と安定分野といったようなところほど、このWHO、ユニセフ、HCRなどの国際機関、またNGOとの連携が不可欠ではないかというふうに考えております。
 この日本のJICAとか援助関係者が入っていけないような紛争地域というのも多いのがアフリカですので、やはりそうしたところとの協力というのは大変大事だというふうに思っておりますが、今回の調査を通じて、そうした国際機関との連携の必要性、どのように感じられたのか。日本のODAの強みである長期的関与と国際機関による広域的、機動的支援をどのように今後組み合わせていくべきとお考えなのか。この点について御知見いただければと思います。
○生稲晃子君 御質問ありがとうございます。
 KEMRIについて申し上げれば、日本はKEMRIを長年にわたって支援をしてきました。これによってKEMRIは東アフリカ地域を代表する感染症対策の研究機関として発展をしてきまして、まさにもう先生のおっしゃるとおりだと思います。KEMRIは、その人間の安全保障を具体化したものだというふうに私も思っています。
 今回のODA派遣団とKEMRIとの話の中で、その国際機関等との連携についてというのは話に上がらなかったんですけれども、でも、その国際的な連携でいえば、日本の大学で学位を取得した研究者たちから、その方たちが日本で受けた訓練とか、あと日本の研究者たちと築いたネットワークというものが、ケニアでの医療研究とか、あと感染症対応に大きな役割を果たしていると、そういうことをお聞きすることができました。
 将来、パンデミックが発生した際に国際社会が迅速に対応するにも、こうした研究者間のネットワークとか、あと日本のODAとの連携を図る余地というのは、やはりこれはもう本当にあるのではないかなというふうに感じています。
 以上です。
○高橋光男君 先ほど御報告にありましたように、KEMRIは東アフリカ地域のCDCのようにしていきたいというふうな、そうした発言もあったということですから、そうした日本の協力によって専門性が高まった人材が、将来的にはこのWHOとか国際機関等としっかり連携する中で、ケニアにおけるそうした医療分野における様々な活動をしていく上では、私は今後も活躍してくれるものと期待をしておりますし、国際機関との連携というのも大変大事になってくるというふうに思います。
 それでは最後に、国光外務副大臣にお伺いしたいと思います。
 グテーレス事務総長は、多国間主義の必要性を高市総理との十八日のバイ会談でも訴えられまして、総理はそれに応じる形で、国連を中核とする多国間主義への日本の支持は不変であるというふうに述べられたと承知をいたしております。
 日本だけで全てがもちろんできるわけでもありませんし、日本の政府機関だけでも全てができるわけではないということを考えたときに、今総理が述べられたようなことを具体化していくに当たっては、二国間のJICAによる協力、もちろんこれも大事でありますけれども、あわせて、国連機関、国際機関、NGO等を通じた人道支援、また基礎生活分野での支援が不可欠だと思います。
 一方、NGOの関係者からは、今の日本の補正予算依存から当初予算重視への流れの中で、国際機関への任意拠出金、とりわけ人道支援分野の予算が削減されるのではないかという懸念を伺っております。私はそのようなことがあってはならないというふうに考えております。
 もちろん、そのマルチの支援というものがいかに現地で役に立っているのか、国益に結び付いているのか、こうしたことを日本の国民にしっかり伝えていく、そうした責任は政府にもありますので、しっかりその点は併せてやっていただく必要があるというふうに思いますけれども、あわせて、政府として、今現在、多国間主義の中で、国際機関、NGO支援をどのように位置付けているのかを認識をお伺いしたいのと、また、様々な国連機関等への任意拠出金を今後どのような戦略で確保していくとお考えなのかと、人道支援に加えて、保健、教育、食料などの人間の安全保障分野について、是非、財政の制約下でも必要な予算を確保していただきたいと思いますけれども、御決意をお伺いいたします。
○副大臣(国光あやの君) 高橋委員から御質問いただきました。
 高橋委員はずっと外交の最前線でも長く御活躍されていらっしゃった中で、バイとマルチの中の特にマルチの部分に御注目をいただいたことに敬意を表したいと存じます。
 御指摘のように、グレーテス国連事務総長、先日来日をされ、私自身も直接、高市総理もなんですが、直接、グレーテス事務総長からも、マルチによる国連、そしてその他のマルチの国際機関への日本の長年の、七十年に及ぶ貢献というのは、強い感謝の意を感じさせていただいたところであります。
 ポイントとしましては、御質問のやはりその受け止めということでいうと、日本としてはマルチで、これほど地球規模課題やまた人道、さらには保健、教育等々の様々な課題が山積、更に増加もして複雑化もしている中で、バイのみならずマルチ、多国間での支援ということの重要性は強く認識をしております。
 その一方で、もちろん予算を十分確保していく努力は外務省としても持続してもらいたいと思いますが、もう一方、重要なことは、先ほど臼井委員からの御質問もございましたけれども、やはりそれを納税者である国民にしっかりと分かっていただく、理解をいただくということであろうかと思います。
 このマルチの支援がどのように、国民お一人お一人に、そして日本国に翻って裨益するものなのかということも併せて、戦略的な広報というのも外務省今すごく力を入れて取り組んでおりますので、併せて強化していきながら、必要な予算はしっかりと、国際機関そしてまたNGOも含めて確保してまいりたいと思います。
○高橋光男君 ありがとうございました。
 以上で終わります。

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