2026.06.18

国会議事録

令和8年6月18日 農林水産委員会

○高橋光男君 公明党の高橋光男です。本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 食糧法改正に関しまして、昨日も本会議で登壇させていただきました。そこでは、法改正の意義、備蓄米の回復、コスト指標などについて総論的にお伺いいたしました。その出発点としましては、令和の米騒動のような事態を二度と招いてはならないこと。私自身も、大臣が副大臣をされていた際に政務官を務めさせていただいておりました。その真摯な反省に立ちまして、今回の法改正を実効性のあるものにしていかないといけないというふうに考えております。
 この委員会では、米の需給情報や流通把握、備蓄運用、価格形成、そして消費拡大などについて伺ってまいりたいというふうに思っております。昨日の質問を掘り下げる形で、現場のお声に基づいて具体的な運用を中心に確認させていただきたいというふうに思いますので、是非、一般の国民の皆様にも具体的にイメージできるような的確な御答弁をお願いいたします。
 まず最初に、大臣に需給見通しの誤差と流通実態把握の遅れ、これらをどう防いでいくのかについてお伺いいたします。
 令和の米騒動のような事態を繰り返さないためには、政府自身の見通しの誤差と流通実態把握の遅れを制度上の反省点として明確にすべきではないかというふうに思います。
 配付資料一を御覧ください。政府検証におきましても、需要に対しまして、令和五年産は四十四万トン、令和六年産も三十二万トン程度供給不足があったと整理をされております。下のこちらの四角囲みにもございますように、高温等による精米歩留りの悪化等もございました。問題は、こうした変化を早くつかめなかったことだと思います。課題としまして、系統、系統外、また生産段階では未検査米とか、また生産者の在庫までも含めて、現場に過度な負担を掛けずに把握していくことが必要かと思います。現場からも、確定した数字が弱ければ、信頼できる数字がなければ作付け判断がぶれるといったようなお声をいただいております。
 政府は、今回の最大の反省点としてどこに置かれているのか、そして、需給の実態を把握する仕組みをどう整備するのか、大臣に伺います。
○国務大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。
 まず、今般の米の価格の高騰につきましては、これはもう完全に農林水産省の需要を見誤るというところからスタートをして、そしてまた、その後に、実際には市中に不足感があるにもかかわらず、備蓄を機動的に出すことができなく、結果としてスーパーの棚に米がないという事態を招いたということで、大変私も責任を重く感じているところであります。
 その反省も踏まえまして、まず、この需給見通しにつきましては、昨年八月の米の安定供給等実現関係閣僚会議における検証を踏まえて、これまでの需要のマイナストレンドを前提としていた需要見通しの算定方法を見直します。人口減少や直近の一人当たり精米ベースの消費量の実績、そしてインバウンド需要の動向や精米した際の歩留りも考慮するなど、直近の様々な情報データを加味して定める方法へと改めさせていただきました。
 また、今回の食糧法の改正案におきましては、流通実態の把握を強化する方策として、加工、中食、外食事業者を届出対象に追加すること、そして、民間事業者に対し、在庫数量や取引数量を定期的に報告いただく仕組みなどを措置することとしておりまして、これらにより得られたタイムリーな情報を需給見通しに加味することにより、その精度向上に努めてまいります。
○高橋光男君 大事なことは、本当に次に同じことを繰り返さない制度にしていくことだというふうに思っております。
 資料一にも記させていただきましたが、報告制度というものを今回新たに対象を広げるわけですけれども、それらの数字集めだけで終わらせずに、備蓄米放出の発動していく判断であったり、また、作付けの判断等に資する現場に届く情報にしていただきたいということをお願いしたいと思います。
 続きまして、今回の法改正のまず法目的についてお伺いしたいと思います。
 今回の第一条では、元々ある規定でもありますけれども、新たに取り組むところとしては、需要に応じた生産を推進することと。既存の規定でも、適正で円滑な流通のための措置を講ずることとか、また政府による買入れ、輸入、売渡しなどを総合的に行うことなどが定められております。その上で、重要なのは目的のところだと思うんですが、需給を安定させ、これを通じて価格の安定化を図るということが目的だと理解しております。
 ただ、生産者が安心して作付けを判断するには、作ってよいと示すだけでは足りないという中で、過不足のない需給運営が必要になってくると思われます。
 価格の乱高下を防ぐ政策の裏付けも大事だと思います。今回の法目的は、価格安定というものの重要性、これを後退させるものではなく、むしろ需給の安定を通じて価格の安定化を図る、このように規定されているわけですけれども、それを明確にするものだというふうに私は受け止めております。
 その結果、生産者が安心して需要に応じた生産に取り組めるといった側面もあるのではないかと、消費者も安定的に米を買えると、これが第一条の末尾にございます国民生活、すなわちこれは生産者も含めて国民生活と国民経済の安定に資するものと、そのようなふうに解釈してよろしいか、山下副大臣にお伺いします。
○副大臣(山下雄平君) お答えします。
 米につきまして、需給の安定を図ることを通じて、結果として米の価格の安定化が図られていくことが重要だと考えておりまして、委員御指摘のように、改正案の第一条というのはその理念を明確にしたものでありまして、後退するものではございません。
 また、需給の安定を通じて価格の安定化を図ることは、生産者に安心して生産に取り組んでいただくなど、生産者、消費者、国民生活や経済の安定のために行うものであって、米の安定供給に向けて政府が責任を持って取り組む必要があるというふうに我々認識しております。
 このため、引き続き、需給見通しの作成など政府が講ずる措置を基本方針に規定するとともに、第五条第四項を新設いたしまして、政府の責務として、需要の開拓でありますとか輸出促進、生産性向上などの施策を講ずる旨を明記したところであります。これらの措置を講ずることによりまして、米の需給の安定を図り、結果として価格の安定化が図られるように取り組んでまいる考えであります。
○高橋光男君 その需給の安定を通じて価格の安定化を図るといったことの重要性、またさらには、そうしたことについて国も責任を持って取り組むという大事な御答弁だったかと思います。
 そうすると、この需要量の把握と供給量の把握、これをいかに的確にやっていくかということが大変大事になっていくかというふうに思っております。
 その意味で、まず需要量の見通しについてお伺いしたいと思います。
 需給を安定させるには、まず需要を正確につかむことが必要です。需要拡大に政策を転換するのであれば、なおさらのことだと思います。今は主食用米全体の需給の大きなトレンドを見ているわけでありますけれども、それだけでは十分ではないと思います。例えば、その用途、家庭用とか業務用、また中食、外食向けなのか、加工用、そして米粉用、また輸出やインバウンド需要、こうした様々な米の需要の変化をもっと細かく見ていく必要があると思います。
 この資料一にも、全体量だけではなく、用途別、価格帯別に見える化をすることを提案させていただいておりまして、これにつきましては、先日、中道、立憲、公明の三党で大臣に申し入れた提言の中でも、そうした見通しを定期的に公表していくことを求めさせていただきました。
 需要を小さく見れば今度は不足と高騰を招くと、大きく見れば今度は逆に過剰な作付けと価格急落を招きかねないといった、その両側面がある中において、是非今回、令和の米騒動のような反省に立ち、作付け判断に間に合うような形で需要見通しをどのように精緻化していくかについてお伺いいたします。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。
 需要見通しにつきましては、これまで需要のマイナストレンドを前提とした算定方法を見直しまして、直近の消費実績やインバウンド需要などを基に算定するよう見直したところでございます。
 今般の食糧法改正法案におきましては、業務用、加工用、米粉用など多様な米につきまして、国内の需要を創出した上で増産を図る、需要に応じた生産を推進するとともに、流通実態の把握強化のため、加工、中食、外食事業者を届出対象として追加することとしておりまして、こうして得られた情報につきまして需給見通しに加味し、逐次見直しを行ってまいりたいと考えております。
 御指摘のような米全体の需給見通しにつきましては、生産者の皆様、流通関係の皆様が市場の動向について十分な情報を持った上で経営判断を行っていただくため、どのような需給見通しの在り方が適切か、生産、流通関係者などから御意見を頂戴し、よく議論した上で検討してまいりたいと考えております。
○高橋光男君 是非現場の関係者の方からの御意見を踏まえて、しっかりと需要に応じた情報提供も必要だということを強調させていただきたいというふうに思います。
 続きまして、主食用米の供給量の把握についてお伺いします。
 昨日、本会議で大臣は、私が提起させていただいた衛星データ、またAI等を活用した生産量の算定に向けて、今年度から実証研究を始め、早急に取り組んでいただくというふうに答弁をしていただきました。
 一方で、この新しい手法が実装化されるまでには一定の時間が掛かるものです。流通の現場からは、特に卸売の関係者などからは、これは単に需要量だけではなく、やはりしっかりとした供給量、すなわち生産量も早く正確に把握する仕組みが必要ではないかといった御指摘をいただいております。
 報告義務だけを増やせば現場の負担になる中で、そこを十分に配慮した上で、例えばですけれども、現在ある農地台帳とか水田台帳、また営農計画、こうしたような情報もデジタル化を推進していただいた上で、是非、作付面積とか収量、生産者在庫に加えて、先ほど私が申し上げた未検査米とか、また市場外流通米、こうしたようなものも含めて供給量を正確につかむ必要があるというふうに考えております。
 是非、供給量把握の精度をどう高めていくのかについて、見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(深水秀介君) 生産量の正確な把握に関しましてお答え申し上げます。
 昨日、大臣からもお答えをさせていただきましたとおり、まず、デジタル技術を活用した効率的な生産量に関する統計調査の精度の向上というものを図っていくべく、本年度から人工衛星データやAIを活用した生産量の算定に移行を目指すための実証研究を進めているところでございますけれども、委員御指摘のとおり、こうした手法の確立に当たりましては、現時点ではやはり精度面での課題がございます。そうしたために、その手法が確立し活用できるようになるまでの間、現行の坪刈り調査に加えまして、新たに生産者の収穫量データを活用いたしまして生産量を算定する手法というものを導入して、精度向上を図ることとしておるところでございます。
 生産者の負担にも留意しながら、令和九年度から本格実施できるように取り組んでまいりたいと存じます。
○高橋光男君 では、続きまして、流通報告制度についてお伺いしたいと思います。
 加工、中食、外食事業者まで今回対象を広げることとなりますが、それは必要なことだと私も思っております。しかしながら、制度がきつ過ぎれば協力が得られないといったような側面もあり、一方で、その負担というか、それが必要なものでなければ需給把握には使えないといった両側面がある中で、どのようにしてやっていくのかということが大変大事になってきます。
 そこで、例えばこの対象の規模については、既に三百トン以上扱っているような事業者というようなお話はお伺いしているところでありますけれども、報告の頻度であったり、また報告の項目ですね、どういったようなことを報告していただくのか、この負担軽減のためには、例えば統一のフォーマットを使うとか電子申請等も重要になってくるというふうに思っております。
 一方で、価格に関する情報については営業秘密にも関わるものでありまして、そうした個社の情報はしっかり守っていただいて、匿名で集計をしていただいて公益情報として公開をしていくと。ここをどのように制度設計していくのか、この点も非常に現場の関心が高いところでありますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。
 定期報告の対象規模、報告事項及び価格の扱いにつきましては、年間三百トン以上の出荷・販売事業者につきましては毎月の報告を求める、それ以下の規模の出荷・販売業者、あるいは加工、中食、外食事業者につきましては年一回に報告を求めるといった方向で検討を進めたいと考えております。また、報告事項につきましては、集荷、販売、在庫の数量だけでなく、大規模な出荷、卸売業者からは、これまで同様、買入れ、販売価格につきましても報告を求めることとして考えておりますが、その公表につきましては、これまで同様に、全国や地域、銘柄など必要な区分の平均値を公表することとし、個別事業者ごとの数値については、競争上の地位を害するおそれもあることから、公表することは想定しておりません。
 また、実効性を確保する観点から、届出事業者に対しましては、国が必要な助言又は指導することができる旨の規定を設け、届出や定期報告に係る罰則を厳罰化することとしております。さらに、事業者負担を軽減する観点から、報告の方法につきましても電子申請を導入することとしております。
 定期報告で得られた情報につきましては、需給見通しに反映するとともに、流通実態把握の強化を図り、食糧部会における審議に資するものとして資料を作成して公表するほか、米に関するマンスリーレポートなどへの活用を通じて、きめ細やかで分かりやすい情報発信に努めてまいりたいと考えております。
○高橋光男君 是非、そうした、今おっしゃられたきめ細やかな分かりやすい情報として提供していただくことをお願いしたいと思います。
 ここからは、備蓄米についてお伺いしてまいりたいと思います。
 まず、その役割について基本的な認識をお伺いしたいと思います。
 昨日、本会議で大臣は、政府備蓄は米価の維持を目的とした運用は行わないと答弁をされました。その点は私もよく承知しております。私が申し上げたいのは、この価格の維持ではなくて、需給の安定のための備蓄米の運用についてです。
 そこで、資料二を御覧いただければと思います。政府の説明では、この備蓄は不作等による供給不足に備える制度だったものを、今回の改正で、需要増による不足にも放出できるよう目的を広げるものと理解しております。そうであれば、価格高騰時の放出だけではなくて、価格が急落したときの買入れ、買戻しについても、これは価格の維持のためではなくて、需給の安定策として位置付けるべきではないかというふうに思います。
 冒頭に、私、わざわざ法目的を確認させていただいて、副大臣からも需給の安定を通じた価格の安定化ということをおっしゃられたことに照らせば、市場にお米、今まさに端境期に向かって過剰感がある中においても、需給を安定させるために備蓄を機能させることは私は合理的ではないかというふうに思いますけれども、政務官、御答弁いただければと思います。
○大臣政務官(山本啓介君) 先ほど、午前中の議論の中でも大臣から答弁があっていたとおりでありますけれども、米の価格は民間の取引環境の中で決まるものであり、国として直接関与することは適当ではなく、米の需給の安定が図られることを通じて、結果として米の価格が安定することが基本であるというところがまずあります。
 そのため、政府備蓄米の運営については、量が足りていなければ売り渡す、量が足りていれば売り渡さないという、量を前提とした考え方で運営していくべきであり、価格の維持を目的とした運営は行わないとしたものが先ほどの答弁の中心であります。
 その上で、豊作等による需給緩和が生じた場合に対応できるよう、米穀周年供給・需要拡大支援事業により、主食用米を長期計画的に販売する取組を支援をしており、本事業を活用することで需給の安定を図ることとしております。
○高橋光男君 そういった御答弁はもうあるものだというふうに私も想定しておりましたけれども、是非、改めてですけれども、この価格維持ではなく、需給の安定とそれを通じた価格の安定化という今回の食糧法の改正目的からしても、整理していかなければならないというふうに思っております。
 なぜならば、申し上げるまでもなく、米価が仮に急落すれば、翌年の作付け、また担い手自体を潰しかねないということになりかねないからです。現在、そうしたリスクが高まっている中において、既に現在、備蓄米も適正水準じゃなく、ここに書いていますように、今年産のものを買入れできたとしてもマックスで五十三万トンというものでありますし、その間どうするんだと、何かあったときにですね、そうしたことを考えなければいけないというふうに思っておりまして、需給が今緩和状態になりつつある中において、備蓄制度をどう機能させていくのかということが問われており、そして、現場の関係者の方々のまさに関心もここにあるのではないかというふうに思っております。
 じゃ、まず、備蓄米の水準についてお伺いしたいと思います。
 昨日も本会議でお伺いしたんですけれども、今在庫は三十二万トンと、令和二年産も品質を維持していると。そして、買戻しについては今後の需給状況を見定めて判断すると答弁をしていただきました。
 そこで、今申し上げたとおり、昨日もお伝えしたとおり、国民が安心できるこの備蓄の水準ということを考えたときに、やはり私は少なくともこの百万トン水準というものにいつ回復していくのか、その時期であったりとか、その財源どう確保し、そしてどのようにして計画的にやっていくのか。そして、今、これまさに農水省に確認した上でここ書かせていただいているんですけど、一定期間、五年程度でこれを棚上げ備蓄ということでこれまでやってきた、令和二年産のものは既にそれはもう古くなっている。そうした状況の中において、どのようにしてこれを回復させていくのかということが大変大事になります。
 そこで、是非、早期に百万トン水準へ回復させる、そしてそれは、有事の対応の上でも、そしてこの価格の安定の上でも私は必要かつ適当と考えておりますけれども、この点についての見解を求めます。
○副大臣(山下雄平君) 御指摘のように、備蓄米は食料安全保障の観点から不可欠でありまして、米の供給不足に備えて百万トン程度の備蓄水準の回復に努めていくとともに、運用の改善についても検討していきたいというふうに思っております。
 加えまして、先ほど御指摘のありました令和二年産についても、政府備蓄として、倉庫内の温度や湿度を一定水準に維持し、保管時の品質劣化を防いでおりまして、仮に食用へ販売することとなった場合にはメッシュチェックなどを実施し、品質を確認することとしておりますので、この二年産におきましても、基本的には食用としても支障がないというふうには考えております。
○高橋光男君 メッシュチェックという話は、これ品質検査ですけれども、まさに昨年の放出の際にもそれに時間が掛かって現場に届く時間が掛かったという側面もありまして、やはり古いお米というものが、更新していかなければいけない中で、しかも今水準が少ない中で、どのようにして回復していくのかということを、やはり真剣に、透明性のある形で国民の皆様にも示していく必要があるのではないかと思っております。
 私は、その中で一つの提案といいますか、なんですけれども、今、民間備蓄については、これまでの御説明でも、これから運用、秋までに実証事業をやって、実際には令和十年度から導入をされるというようなお話もいただいているところでありまして、是非、例えば、これは二十万トン規模というような話も大臣も答弁されているかというふうに思うんですけれども、もし仮に、これは別に価格の維持のためではないということを前提にしながらですけれども、今回のこの法改正がなされれば、実際民間備蓄制度については、公布後二年間のうちに政令で定めるというような位置付けになっていて、実際そのための予算等も来年度また要求していくというようなこともお聞きしておりますけれども、例えば、民間の備蓄米として位置付ける、単に位置付けるだけです。
 そこは、これを百万トンということには達しないにしても、今、是非、需給緩和の状況で、今後、本当に価格が急落した際にその部分を民間備蓄として囲い込む中で、何とかこの需給のバランスを取って、皆さんに影響が出ないようにしていくべきではないかというふうに思いますけれども、この点についての御認識、御答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。
 民間備蓄につきましては、とても大切な取組だと思っております。その上で、やはり新しい制度でございますので、実際の事業者の皆様方がどのような御負担があるのかというのを確かめた上で施行の準備をしたいと思っておりますので、そういった意味で、二年間の準備期間を設けた上で実証事業という取組をさせていただきたいと思っております。
 現在、実証事業につきましては、現在、五万トンほど実証事業を行うということで公募を掛けておりまして、その状況、あるいはその実証事業の状況を確認しながら、先生の御指摘も含めまして、どういうやり方がいいかというのは更に検討を深めてまいりたいと思っております。
○高橋光男君 ありがとうございます。
 先ほど副大臣も運用改善に努めていくとおっしゃられたとおりでありまして、やはり今回の食糧法の規定は、あくまで不足時に備蓄米を供給するといったような規定しかないわけでありますから、なかなか法に基づいてそうした過剰時の対応ということを位置付けることは難しいとは思うんですけれども、私は、それは政策的な判断で、必要とあれば、今買戻しという話もある中において、この民間備蓄制度というものをある意味活用することによって、是非そうした、本当に価格が急落した場合に備えて準備をしていただきたいということをお願いしておきたいというふうに思います。
 そうしましたら、これも実は午前中に何度も議論があった話なので手短にお伺いしたいと思いますけれども、備蓄の発動基準につきましてですけれども、ここにつきましても、我々三党でこの資料二に書いておりますように提案をさせていただいております。この在庫水準、価格、また需給の見通し、端境期、用途別不足等も踏まえた発動基準を平時から示すべきだというふうに整理をさせていただいております。
 昨年も、この放出を決めても、精米とか袋詰め、包装資材の確保、また輸送、倉庫からの出庫、また販売先の確保など、時間が掛かりました。この発動基準が曖昧であれば現場の判断は遅れます。放出した場合、何日程度で様々な現場に届くのか、この辺りをしっかりとルールなどを定めて運用していくべきというふうに考えますけれども、この点についての大臣の見解を伺います。
○国務大臣(鈴木憲和君) 備蓄の売渡しというか、放出の際に何日ぐらいで現場に届くのかということでありますけれども、まずこの売渡しについては、食糧法改正案の中で、備蓄の目的を見直しして、不作等による生産量の減少による供給不足に加え、届出事業者からの在庫量や出荷販売量などの定期報告に基づき、需要量の増加等による供給不足を把握した場合など、仮に今後備蓄米を売り渡すべき事態となりましたら、必要な量の米穀を機動的かつ円滑に消費者に供給できるようにしたところであります。
 実際の運用についても、今回、昨年来の様々な、実際やってみてどうだったかとか、反省も当然ありますので、いろんなシミュレーションをしっかりと、この反省を生かしながら、どのぐらいでどういうものがどう届くのかということについてはしっかり検討させていただきたいと思います。
○高橋光男君 ありがとうございます。
 是非、その点についてもしっかりと政府に説明責任を果たしていただきたいと思います。
 続きまして、コスト指標に関してお伺いしていきたいと思います。
 米の合理的な価格形成と適正な取引をどう確保していくのか、この点も大変大事な論点でありまして、昨日の本会議で大臣に私はフードGメンのお話をさせていただく中で、フードGメンが現場に入って、そして寄せられた情報を基に、仮に誠実な価格協議等が行われていなければ、農水大臣が指導、助言、勧告、公表などの措置を講じ、適正な取引の確保をしていくといったような御答弁をいただいたところでございます。
 その取引で考慮される参考情報として、コスト指標がございます。フードGメンもその資料を基に助言するものというふうにもお聞きしております。資料の三には、米穀機構の資料でありますけれども、コスト指標の意義と役割を示しております。価格を約束するものではなく、取引で参照される指標だと整理されております。
 そして、その次の資料四でも活用イメージを示させていただいております。課題としましては、この指標を本当に現場が参照できるものにしていくことだと思っております。そのためには、全国の平均だけではなくて、地域別、規模別の実態を反映していくことが必要だというふうに思いますし、その中で買いたたきと過度な価格転嫁、双方を防いでいくことが必要だと思っております。
 今後、そうした指標作りをどのように国として後押ししていくのか、また、フードGメンについては具体的にどう機能しているかについて、具体的な実績等はあるのかについてお伺いいたします。
○政府参考人(河南健君) お答え申し上げます。
 まず、米のコスト指標につきましては、米穀機構のコスト指標作成等委員会におきまして、生産、流通、販売の各委員による議論の中で、全国で一つの指標を作成することとなったと承知をしております。
 このコスト指標を今後どう見直すかにつきましてはコスト指標作成等委員会において判断をされるものでありますが、農林水産省といたしましても、取引関係者のお声を伺いながら、活用可能な統計情報、また、コスト調査結果の提供を含む必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
 また、フードGメンについてでございますが、食料システム法を適正に執行するため、情報受付窓口やヒアリングなどを通じまして、取引実態を把握するための調査を精力的に行っております。
 本年四月一日の法施行以降、価格交渉の申出を行ったという事業者のお声はまだ少ないんですけれども、事業者へのヒアリング等の際には、費用を考慮した取引が促進されますようアドバイスをさせていただいております。例えば、取引条件の協議の際に具体的なコストの状況を説明して交渉した方が反映につながりやすいですよということ、また、努力義務違反が疑われる場合には協議の記録をしっかり取っておいていただくことが重要ですよということ、あるいは、価格改定には合意をしても、その時期、改定時期を一方的に先延ばしをされるということは努力義務違反になり得るということなので積極的に私どもに教えてください、こういったお話をさせていただいております。
 引き続き、しっかりと調査に当たりまして、具体的な努力義務違反が疑われる事案を把握した場合には厳正に対処してまいりたいと考えてございます。
○高橋光男君 しっかりとした、本当にその取引でどのようにして活用されるのかということが大事かというふうに思いますので、農水省として対応をお願いしたいと思います。
 では、時間が私もなくなってまいりましたので、最後の二問をまとめて大臣にお伺いしたいなと思います。
 消費者理解と米の消費拡大についてであります。まず、米価の議論については、これはやはり生産者と消費者の対立で捉えるべきではないと思います。農家が再生産できる価格と家計が受け止められる価格をどう両立させていくのか、そんな問題だというふうに考えております。
 資料の四にも赤字で書かせていただいておりますが、コスト指標は、そのためにも、価格統制ではなく、再生産と家計負担を両立させるための共通基盤だというふうに思っております。だからこそ、よりきめ細かに生産費、保管、輸送、精米、小売経費など価格の背景を消費者に分かりやすく示すことが必要だと思います。
 一方で、適正価格への理解を求めるだけでは米の消費拡大にはつながらないと思います。国民が日常の中で米を食べ続ける、そのための取組に変えていく必要があるというふうに思っておりまして、兵庫県では、阪神・淡路大震災の経験を踏まえ、災害時のお米の役割を啓発しております。避難所のおにぎりが被災者の命と心を支えたと、そこが原点でございまして、備蓄食等での活用であったり、また学校給食等でも子供たちの炊飯体験、また中食、外食の国産米の利用などを進めているところでありまして、是非、単に御飯を食べようという呼びかけにとどめず、国民の行動変容につながる政策へとアップデートしていく必要があるかというふうに思いますが、この二つの課題について、政府としてどのように具体化していくかについて大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(鈴木憲和君) 今、委員から大変大事な御指摘だというふうに思っております。
 特に、この食料の持続的な供給に要する費用を考慮した価格形成のためには、幅広い関係者の御理解が必要不可欠であります。とりわけ、消費者には生産現場や流通コストの実情の理解が重要というふうに考えております。米についてはコスト指標、これが公表されておりますので、そうしたことを消費者向けにもしっかりと御理解いただけるように、我々情報発信も含めて取り組んでまいりたいと思います。
 そして同時に、やっぱりこの主食用のお米の消費拡大、これが本当に大事でありますし、やっぱり国民の皆様に米をより身近に感じていただくということ、そしてやっぱり大事なものなんだということをより深く認識していただくことが具体的な行動変容につながるんだというふうに考えております。
 我々もBUZZMAFFで「やっぱりごはんでしょ!」運動をやっていたりとか、食育ですね、あとは。兵庫県の方でもそうやって取り組んでいただいております。また、学校の場でも今稲を育てるという授業も多くの学校で行っていただいておりますので、様々な機会を捉えて、お米を食べていただくことがイコールこの国の食料安全保障を支えていくんだと、やっぱり食料安全保障の支え手は消費者の皆さんであるんだということをもうちょっと御理解いただくように、食育基本法も改正されましたので、しっかり取り組んでまいりたいというふうに思います。
○高橋光男君 時間が来たので終わりたいと思いますが、是非、呼びかけにとどまらず、そうした消費者の方々、今大臣がおっしゃられたように、消費者の方々の理解を基に食料安全保障を図っていくということを農水省として取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

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