2026.07.07
国会議事録
令和8年7月7日 農林水産委員会
○高橋光男君 おはようございます。公明党の高橋光男でございます。本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
本日は、食糧法改正と不可分である、来年度からの水田政策の見直しについてお伺いしてまいりたいと思います。
前回の質疑で政府は、主要食糧、特に米について、需給の安定を通じて価格の安定化を図ると、政府が責任を持って取り組むと答弁をしていただきました。ならば、その責任は理念で終わらせてはなりません。予算を確保し、単価を示し、経営を支える具体策として現場に届けていく必要があります。したがいまして、新たな水田政策の中身が問われるわけでございます。
この点、私はこれまで多くの現場のお声を伺ってまいりました。そのお声を基に、先日、中道改革連合、立憲民主党、公明党の三党で提言をまとめ、鈴木大臣に提出をいたしました。そこから本日扱いたい点を抜粋して資料一にお示しをしておりますので、適宜御参照いただければと思います。
本日は、この提言と、現場の声や実態を踏まえて、具体の制度についてたださせていただきたいと思います。時間限られておりますので、的確な答弁をお願いいたします。
まず最初に、今日も何度か触れられております備蓄米の運用改善についてお伺いいたします。
私は米価を国が維持すべきだとは申し上げません。一方で、改正案第一条のとおり、需給の安定を通じて、結果として価格の安定化を図るべきだと考えております。その点、先日の参考人質疑でも、武本参考人からは、政府在庫や備蓄の運用を抜本的に見直すことは、政策的、政治的に議論すべき段階に来ているとの御指摘がございました。私も同感でございます。
政府備蓄米は百万トン程度が適正水準でございます。しかし、現在三十二万トン台まで低下しております。民間備蓄制度の本格導入は令和十年度以降であります。その間、有事や需給が緩んだ場合に一体どう対応するのか、ここが全く見えていないのが問題だと思っております。
そこで、政府として、備蓄米の買戻し、買入れを進め、適正水準に早期に回復させ、民間との連携を含め、主食用米が過剰となる局面にも備えるべきだと考えます。価格の維持のためではなくて、需給の不安定化による価格の不安定化を防ぐこと、これがひいては生産者を含む国民生活の安定に資するという、法第一条の記されています目的に照らして、是非、政府には、需給安定のための備蓄制度の機動的な運用改善について、明確な答弁を求めます。
○副大臣(山下雄平君) お答えします。
政府備蓄米は、国民生活と国民経済の安定という食料安全保障の観点から不可欠であるために、この適正備蓄水準の百万トン程度の水準に回復させていくことが大変重要だというふうに考えております。
御指摘の買戻しにつきましては、主食用米の販売動向や民間在庫の状況、非主食用米を取り扱う事業者のニーズの状況、各産地の作付け意向などを踏まえて、今後の需給状況や販売動向などを見定めた上で検討してまいりたいというふうに考えております。
また、政府備蓄制度の運用につきましては、昨年の備蓄米の放出時において、保管倉庫が米の主産地であります東北や北陸に偏在しておりまして、消費地への移送にすごく時間が掛かったことでありますとか、出庫前の品質確認に多くの時間を要したことなどの課題が明らかになってきております。このため、現在、備蓄米の保管、管理を委託しております民間事業者などとの間で備蓄米の運用方法について意見交換を行っているところであります。こうしたことを踏まえて、政府備蓄制度の運用の見直しを検討してまいりたいというふうに考えております。
○高橋光男君 御答弁ありがとうございます。
政府備蓄制度の運用について、今後民間事業者等との意見交換を通じて見直しを検討するというふうにおっしゃられました。
その民間事業者の方々が求めているのが、需給のバランスが崩れて値崩れが起きる、こうしたことに備えて是非備蓄に今過剰となっている米を吸い上げていただきたい、その声が今あるわけですから、やはりそれに対して政策的、政治的にどのように対応していくことができるのか。不足時の放出だけでなくて、現在のような過剰時における需給安定のための備蓄の運用改善でなければならないというふうに私は考えております。そのような意味で、一定の御理解を私は示していただいたと認識をいたしました。
備蓄を適正水準に早期回復させるためにも、是非、民間の皆様と連携して、過剰時の運用改善に向けても御対応いただくようによろしくお願いいたします。
次に、水活、水田活用の直接支払交付金の後継対策についてお伺いいたします。
令和九年度からの見直しは、単なる補助金の組替えではありません。来年の作付け、出荷契約、施設投資などに直結する制度転換でございます。現場が知りたいのは極めてシンプルでございます。作物ごとの単価は幾らになるのか、どんな条件なら支援されるのか、その具体が見えなければ農家は作付け判断できません。三党の提言では、現行単価を超える水準を早期に示すこと、そして十分な財源を確保することを求めております。この点、本会議での財務大臣の答弁は補正予算の話に終始し、食料安保予算が低水準のままである説明としては極めて不十分であったと私は受け止めました。
農水省として、是非、来年産の作付けに間に合うように、新制度の全体像と予算の規模をいつ示すのか、そして価格下落や資材高騰時の経営安定対策についても後継制度と一体で示すべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。
今後、令和九年度予算について概算要求を行い、政府内の調整を経て概算決定をし、政府案を作成するという編成過程に入ることになります。新たな水田政策の単価等の要件についても、令和九年度予算の編成において同様の過程の中で決定していくことになりますが、でき得る限り早く必要な情報を生産現場の皆様にお伝えをしていきたいというふうに考えております。
今週までに副大臣、政務官に地方それぞれ行っていただき、地方の説明会などを行わさせていただきました。現場の皆さんからもいろんな意見をお伺いをしておりますので、この御意見を丁寧に把握しつつ、詳細な制度設計の検討を進め、制度を円滑に開始できるように努めてまいりたいというふうに考えております。
また、必要な予算におきましては、将来にわたり国民に食料の安定供給を果たせるよう、現場の皆様から見ても納得感のあるような形で、必要な額の確保、しっかり努めさせていただきます。
○高橋光男君 今御答弁いただいたのは予算等の話でございまして、私はセーフティーネットの対策についても求めさせていただいて、これを同時に私はきちっと検討していただいて、強化していただく必要があるというふうに考えております。
その観点で、現行制度についてお伺いしていきたいと思います。収入保険とナラシ対策等についてでございます。
これらは大変重要な制度であります。一方で、現場では、加入要件や事務負担が厚い壁となっているというお声をよくお伺いいたします。兼業農家や小規模な家族経営体からは、制度はあっても入れないという声を頻繁にお伺いをいたします。
そこで、資料二を御覧いただきたいと思います。これは全ての制度についての加入状況を示したものでございまして、最新の数字でも、収入保険の加入は水稲作付け経営体の約一一%となっております。ナラシ対策と合わせても約一八%しか入っておりません。青色申告の経営体数も減っております。政府は、青色申告要件は必要だとか、ナラシに規模要件はないなどと説明をされます。しかしながら、現場で加入が伸び切らないこの現実をどう直視して何をやっていくのか、私はそれが求められているというふうに思っております。
今の特にインフレ局面においては、両制度のように、売上げ、すなわち販売収入だけを見ても手取りを守ることはできないんですね。主食用米には直接の補助もございません。それで果たして地域の供給力を守り切れるとお思いでしょうか。現行制度で十分とお考えかについてお答えください。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。
米価の大幅な下落が生じたことにより農業収入が減少した場合のセーフティーネット対策につきましては、現在、委員御指摘のとおり、収入保険、ナラシ対策などを措置しているところでございます。
ナラシ対策を始めといたしました経営所得安定対策につきましては、認定農業者あるいは認定新規就農者といった個人や法人だけでなく、集落を単位として営農に取り組む皆様がつくられた集落営農も対象としておりまして、そういう中では、委員の御指摘の中小農業者ですとか兼業農家の方も集落営農へ参画することでナラシに入っていただける、こういった仕組みも設けさせていただいているところでございます。
また、収入保険につきましても、個々の農業者の収入などを的確に把握して適正に保険を運用するという観点から、青色申告の要件は不可欠であると考えておるところでございますが、例えば、これまでも青色申告の実績などにつきまして、一年でも加入できるような見直しなど、現場の実態を踏まえた可能な限りの柔軟な対応を進めております。
我々としては、こうした柔軟な対応を、周知も含めて丁寧に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○高橋光男君 その中で、例えば、今ナラシ対策についても様々おっしゃられましたけど、加入者数推移等を御覧いただければ、減っているじゃないですか。今三万五千経営体、令和三年、五年前は六万経営体近くあった中であります。それで、何か加入が増えている、中小農家も入れる、それで大丈夫なんでしょうかということを私はただしているわけでありまして、収入保険も青色申告が必要だということが大きな壁となっているわけであります。
そこで、私は、こうした今インフレ局面の中において、やはり是非、米価が乱高下、この下落局面において、今の現行制度だけでは支え切れない様々な資材等の高騰、こうしたものを踏まえた上での新たな制度が必要だというふうに考えておりまして、そこを具体的にお示しをさせていただきたいと思います。
まず、もう少し背景から説明をさせていただきたいと思います。現場からは、令和三年から四年産期の米価下落で赤字が広がり、離農に拍車が掛かったという悲痛なお声が上がっています。実際そうだったことを資料三にお示しをさせていただいております。
この期間の水田作経営体の所得は僅か一万円であります。そして、水稲作付け経営体数は、直近五年間で約二五%、十七万五千件も激減をいたしました。その理由は明確であります。
資料四を御覧ください。米は面積が小さいほど生産費が高くなるからなんです。価格下落局面では、小規模農家や中山間地、そして棚田などの条件不利地から真っ先に経営が行き詰まります。市場任せでは地域の農地も供給力も維持できないというふうに思います。
この点、先日、参考人質疑におきまして、日本大学の西川参考人からは、今回の法改正で生産調整が緩む中で、主食用米へのセーフティーネットは当然考え得る、コストに着目した不足払いのような支援については明確な基準を示す必要があるが、政策的安定性の観点から何らかの基準による固定払いも考えられる旨陳述されました。私は、こうした御指摘を踏まえれば、再生産を守る安全弁、安全措置は十分設計可能だと思いますし、実行に移すべきと考えます。
そこで、参考にさせていただいたのが、資料五にある畜産のマルキン制度であります。こちらを御覧ください。個々の実費を丸ごと補填する仕組みではなく、標準的な生産費と販売価格の差額を基準にするために、過大コストを助長せず、財政規律を確保できるものであります。これを米に応用し、地域別、規模別などの標準的生産費、今であればコスト指標を精緻化して設計すればよいと考えます。
私が強調したいのは、新たな制度の包摂性です。一部の担い手だけに限定せず、農家に一定の積立てを求めながら、財政規律を保ちつつ、小規模農家や兼業農家も加入できる制度にしていくこと、資料にもお示ししているとおり、地域計画への位置付けや需要に応じた作付け、またコスト低減の取組など、現場に御負担をいただける最低限の要件とすれば、経営安定と生産性向上は両立し得るものと考えます。
この制度は新規で立ち上げることもできると思いますけれども、現行の例えばナラシ対策の仕組みをコスト高騰にも対応できる制度へと発展的に置き換えるのも一案だと考えます。その方が既存の予算枠や事務組織をベースにすることができるため、ゼロから新制度をつくるよりも現実的でスムーズな移行もできると思います。あわせて、既存の収入保険との両立も明確に整理できると思います。新制度を例えばマクロな市場リスクを下支えする一階部分とし、青色申告を要件とする収入保険を減収リスクをカバーする二階部分と位置付ければ共存ができると考えます。
そこで、大臣にお伺いしたいと思います。
以上に申し上げた小規模兼業農家も加入できる包摂的な水田作版の発動型経営安定制度について、是非具体的な検討に今から入っていただきたいというふうに考えます。対象者、算定方法、発動要件、既存制度との関係などについて速やかに論点整理を行っていただいて方向性を示していただきたい、示すべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。
まず、今、今年の現状といたしましては、この本年四月の食料システム法が施行されました。ですので、米のコスト指標がありますので、まず、生産から販売に至る各段階のコストを明確にし、コスト割れでの供給を抑止するというものでありますので、この実効性をまずは確保し、本制度を着実に実施することが重要であるというふうに考えております。
もう何回も申し上げておりますけれども、米価の大幅な下落に伴い農業収入が減少した場合には、ナラシ対策や収入保険などのセーフティーネット対策、既に措置しております。これらの施策を着実に推進をしてまいりたいというふうに考えております。加えて、生産コストの低減を図ることが重要ですので、土地改良を始めとした取組も進めてきているところであります。
委員から、牛・豚マルキンを参考にした、すごい御丁寧な水田作版の発動型経営安定制度の創設ということのイメージを今いただきましたけれども、これ、農家数や専業、兼業の割合、そして規模別の経営状況など、畜産と水田作では農業構造が大きく異なる実態にあります。また、まずは食料システム法の施行した直後でございますので、この米の取引がどのようになっていくかなども踏まえる必要があろうかと思います。
そうしたことから、今すぐにこれを検討しろと言われても、済みません、なかなか今、私としてそういう状況にないというふうに考えております。
○高橋光男君 私がこのような提案をさせていただいているのは、まさに危機感からなんです。大臣もよくお分かりだと思うんですけれども、やはり既存の制度では救い切れない経営体が大多数なんですよ、実際のところ。やっぱりその中で、そうした方々も含めたどのようなセーフティーネットが可能なのか、これを真剣に考えて、急いでやらなければいけない。だからこそ、私はこのような提案をさせていただいているところでございます。
ちなみに、食料システム法との関係でコスト指標についても言及をされました。しかし、先日の参考人質疑では、この作成委員会の議長を務められた西川参考人御自身がこのようにおっしゃられたんです。需給が本格的に緩む場合、コスト指標を下回る価格が形成されることは十分に考えられるというふうにおっしゃられて、その下支え機能としてはやはり限界があるという御認識をお示しになられました。
そうした中で、どうやって小規模家族経営を守るのかが問われているというふうに思っております。是非、私が申し上げた新たなセーフティーネットの検討、お願いをしたいと思うんですけれども、もう一度、大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木憲和君) すぱっといい答弁ができなくて大変申し訳ないなというふうに思っておりますが、まずは食料システム法の施行をしっかりとやって、このコスト指標をどのように活用されるのか、これをまずは見ていかなければならないというふうに思っております。
また、これ、昔の民主党政権以来、戸別所得補償のときから始まりまして、いろんなセーフティーネットの在り方については様々な考え方があると思っております。またゆっくり、今後、先生と議論させていただければと思います。
○高橋光男君 ゆっくりとという意味は、やはりきちっとこういった我々野党の提案についても向き合っていただいて、そして、こういったことは、私は、与野党を超えて、やはり現場のために必要な制度を一刻も早く導入していくべきだというその観点に立って是非議論を進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、中山間直払いと多面的機能支払についてお伺いいたします。
これらは条件不利地の農地を守る基礎的制度であります。急傾斜地の草刈りや水管理は大変危険で、手間も掛かります。それでも交付水準が見合わない。また、対象なのに事務負担が重くて申請ができない。現場はそういった悲鳴を上げております。
我々三党の提言では、条件不利性を再評価し、単価と予算の増額を求めております。対象を広げることは必要です。それは皆さん思っていらっしゃるというか、実際そのような方向になると思います。しかし、予算を増やさずに対象だけ広げれば、今支援を受けている地域の水準が下がるのではないかと、そうしたおそれもあるかというふうに思います。それでは本末転倒だというふうに思います。
対象の拡大と支援水準の確保をどう両立させていくのか、お伺いいたします。
○大臣政務官(山本啓介君) 先生御指摘の二つの支払につきましては、食料・農業・農村基本計画を踏まえ、令和九年度に向けた水田政策の見直しの中で、中山間地域等直接支払は条件不利の実態に配慮し支援を拡大する、多面的機能支払は活動組織の体制を強化することとしております。
これらの両支払について、都道府県や市町村と連携した集落の皆様への制度の周知も含めたサポートの強化、中山間地域等直接支払の集落協定が既存の組織のままで多面的機能支払もまとめて申請できる仕組みの導入、郵便局などとの連携による事務局機能の強化、対象農地の選定を効率化するデジタル技術の活用促進による事務負担の軽減といった検討を進めることとしており、今後、関係者の御意見等を踏まえ、取組強化と両支払の一体的実施の推進に向け、詳細な制度設計を検討してまいります。
予算につきましては、これまでお取り組みいただいている方々も、またさらに新しく取り組みいただく方もしっかりと支援できるような、既存施策の再編により得られた財源を活用して必要な予算を確保できるよう努めてまいりたいと考えております。
○高橋光男君 是非、予算の拡充も大事ですけれども、あわせて、手続の簡素化ということも併せてよろしくお願いしたいと思います。申請する側が申請しやすく、また現場でも確認をしやすく、そして負担を過度に掛けない、そうした制度にしていただきたいというふうに思いますので、ちょっと時間の関係から、要望だけにとどめさせていただきますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
続きまして、新たな環境直接支払制度についてお伺いしたいと思います。
来年度以降は、同一圃場での同一取組への支援は、みどり認定の期間である五年までというような基本的な考え方が示されました。しかし、有機農業や土作りは、同じ圃場で続けてこそ効果が積み上がるものです。五年で支援が打ち切られ、取組が後退すれば、みどり戦略とも整合しないと思います。有機農業は五年で直ちに収益が安定するとも限りません。我々三党の提言におきましても、計画満了後も取組が継続されるよう、継続的な支援を求めております。
この導入期の支援と定着期の支援、これをどのように整理されるのでしょうか。既に環境直払いを受けて有機農業を続けている農業者も、新制度の初年度から継続支援の対象にすべきではないでしょうか。また、五年間で十分に普及した取組は新たに確立された取組に入れ替えると、このように記されておりますけれども、是非、中山間地域とか小規模農家だとか、こうした現場の実情を反映していただきたいと思っております。どのように対応されるのかについて答弁を求めます。
○政府参考人(堺田輝也君) お答えいたします。
新たな環境直接支払は、取組継続と経営安定の両立に向けまして、コストだけでなく減収リスクにも対応した支援とし、みどり認定と市場評価の向上、生産安定化の取組を要件化することで、五年間で取組の定着と拡大につなげる仕組みとする方向で検討しているところでございます。
また、取組定着、継続のために、環境直接支払だけではなく、農業者の栽培技術習得や販路確保等を対象とした地域の関係機関によるサポート、また、みどり認定者への設備投資や流通体制構築等のメリット措置、こういったものを総合的に進めていく考えでございます。
加えまして、既に環境保全型農業直接支払を受け有機農業等に取り組まれている農業者につきましても、取組の定着拡大を促していくことが重要でありますので、みどり法の計画認定を受けて取組を行うなど、チャレンジを行おうとする場合にはこれを後押しする支援となるように検討してまいりたいと考えております。
なお、新制度の支援対象取組は、五年ごとに見直し、十分に普及した取組は新たな取組に入れ替えますけれども、この具体的な基準につきましては、委員もお話にありましたように、地域の実情や現場の御意見を踏まえて検討してまいりたいというふうに考えております。
○高橋光男君 改めて強調させていただきますが、この環境負荷低減はやはり継続してこそ意味があるわけでありまして、それに見合う支援としていかなければならないと。現場には大きな不安が広がっております。そうした方々のお声をしっかりと受け止めて、丁寧に対話をしていく中で、新たな制度をしっかり示していただくことをお願いしたいと思います。
多様な米需要の拡大について、続いてですね、米粉用米、飼料用米、酒造好適米に関してお伺いをしたいと思います。
これらについては、作る段階の支援だけでは足りないというふうに思っております。使う側の需要と結び付かなければ産地は計画的には作れません。
そこで、例えば米粉用米については製粉コストや販路等が課題となっております。飼料用米についても、畜産農家との継続契約、耕畜連携、こうしたものがなければ続きません。酒造好適米も酒造業との安定した需給調整が欠かせません。特に酒米は、私の地元兵庫で全国の半分以上を生産しております山田錦を始め、地域ブランドにも関わる大切な作物であります。
政府として、現場が主食用米の価格動向に振り回されず、これらの多様な米を産地が計画的に作れる仕組みをどう整え、支援していくのか、大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木憲和君) 令和九年度以降の水田政策においては、生産性向上の取組に対し、収量に応じた面積払いにより支援する方向で詳細な制度設計を現在検討しております。
例えば、米粉用のお米については、需要拡大に合わせた製粉コストの削減などに取り組む実需者と複数年契約などを行う場合に、追加で支援を行う仕組みの検討を進めているところであります。
飼料用のお米については、国産の飼料用米にこだわって利用する畜産農家が必要量を確保できるよう、実需者側と生産側との複数年契約などを要件とし、追加で支援を行う仕組みを検討しているところであります。
酒造好適米につきましては、実需者への安定供給に向け、引き続き生産者団体と酒造組合の情報交換の場を設けさせていただいておりまして、まず両者の連携強化を図るとともに、どのような支援が必要か、検討をしっかり進めてまいります。
引き続き、様々な関係者に御意見伺いながら、具体的な仕組みの検討を深めてまいります。
○高橋光男君 是非、作付けと出口を同時に支える支援を具体化していただくようにお願いいたします。
そうしましたら、最後の質問になろうかと思います。
麦、大豆等の支援についてお伺いしたいと思います。
これらについて、是非、条件によってやはり生産、収量等は変わっていく、こうしたことをしっかりと踏まえた手当てをしていただきたいということ、またさらには、これらは食料安全保障上極めて重要な作物でございますが、一方で、現場からは収量や価格が不安定な割には支援が薄いといったようなお声をいただいております。
是非、収穫後の乾燥、保管や実需者との契約などの環境、こうしたものが十分でなければ農業者にとって魅力は高まらないわけでありまして、是非、麦、大豆を戦略作物として位置付け、生産性向上だけでなく、それらの出口まで含めた支援を強化していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(山下雄平君) ありがとうございます。
麦、大豆につきましては、輸入依存度が高く、我が国の食料安全保障の強化のためにもその生産拡大が重要であることに加えまして、作業労働時間が短く、水稲などとの作業ピークが異なるといった生産面の利点があることなどから、特に大規模化する担い手の経営の一部としても大変重要であります。
このため、農林水産省では、麦、大豆の安定供給に向けて、豊凶の変動の対応をするために、ストックセンターの整備などを支援するとともに、ゲタ対策やナラシ対策などの経営所得安定対策を実施しているところであります。
さらに、令和九年度からの新たな水田政策におきましても、ブロックローテーションの構築や排水対策などの生産性向上の取組に対して支援する方向で詳細な制度設計を検討しているところであります。
引き続き、現場の声をよく聞きながら、麦、大豆などの生産性向上、安定供給に向けた取組を推進してまいりたいと考えております。
○高橋光男君 是非、現場が希望を持てる制度としていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
